桜の季節『まやビューライン』で阪神間を一望できる「掬星台」へ

山上のお寺で「摩耶山」の由来を知る

今回は散策も兼ねて、徒歩で行ける『摩耶山天上寺』へ向かいます。700mであればゆっくり歩いても10分ほどですし、帰りの心配もありません。

というわけで、間もなく『摩耶山天上寺』に到着。途中に案内の看板もありますし、ほぼ一本道バスがなので、迷うことはまず無いでしょう。

なんとも風格のあるたたずまい。写真には写っていませんが、入口のすぐ右側には神戸市「市民の木」にも指定された立派な杉の古木が立っています。

階段を上り、山門を過ぎるとこんな石碑が。日本海軍の重巡洋艦「摩耶」は、摩耶山にちなんで名付けられたそうですが、そんな名前の軍艦があったことを知らない人も結構いるんじゃないでしょうか。

境内まではひたすら石段が続くのですが、これがなかなかヘビー。その分、辿り着いた時には達成感のようなものが得られます。

山上にあるお寺らしく、背景に余計なものがありません。このすっきりとした感じ、どうりで絵になるはずです。

本堂には御本尊の十一面観音をはじめ、多くの仏像がまつられていて、中はとても厳か。写真は撮影できませんでしたが、座っているだけで心が透き通るような気がしました。 

境内には、天空の仙郷を象徴した枯山水庭園があります。岩と白砂で表現された6つの庭は、普段の日常生活にはない世界を感じさせてくれます。

こちらの「摩耶夫人堂」は全国で唯一、お釈迦さまの生母である摩耶夫人(まやぶにん)と、梵天・帝釈天の両脇侍がまつられています。

摩耶夫人は、安産と子授け・子育ての守護仏として知られていて、日本で最初に安産腹帯を授けたのも、ここ『摩耶山天上寺』なんだとか。

さらに、この摩耶夫人が「摩耶山」の名の由来だと知ってびっくり。ここへ来てまだ数分しか経ってないのにいろいろ賢くなった気がします。

こちらはお釈迦さまの足の裏の形を石に彫りつけた「仏足石」。『摩耶山天上寺』のものは姿・形が良く、全国トップクラスの名品なんだそう。

つい、靴を脱いで上がってしまいそうになりますが、これは拝むためのものなので間違っても踏まないように。

『摩耶山天上寺』は25カ所ある「関西花の寺」の第10番にもなっていて、境内のあちこちで季節ごとの美しい花が楽しめます。

また、梵鐘や鐘楼にも花の細工があしらわれているので、ぜひ現地でチェックしてみてください。

鐘楼の隣には、延命大地蔵が。梅の花がちょうど見頃で、とてもキレイでした。

ケーブル乗り場のある麓では桜が満開でしたが、山上はまだまだこれから。わずか数十分の距離でいろんな花が楽しめるのも、急峻な山ならではのメリットなんじゃないでしょうか。

長い石段を上がってきただけあって、境内からの眺めは特別なものがあります。先ほどの掬星台とは違った角度からの景色で、淡路島にかかる明石海峡大橋まで見えてちょっと感動してしまいました。

 

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