常時映像が流れるモニターには、1930年代の神戸の様子が。短い映像をつないだ30分くらいのものですが、登場する人々の見なりや持ち物などから、かなり裕福な環境にあったことがうかがえます。
モニターの下には往年の映画ファンがこぞって愛読した雑誌『ロードショー』のバックナンバーがずらり。1970年代のものからはじまって、本屋か図書館のようなスケールのストックがありました。
映画雑誌『スクリーン』と『キネマ旬報』は現在も発行されていますが、古い号がこれほど良い状態で保存されているのもめずらしいんじゃないでしょうか。それを無料で閲覧自由にしているところに映画愛を感じます。
こちらのパソコンでは、18,000本以上ある所蔵フィルムの一部を自由に見ることができます。個人的な記録用の映像なんかもあって、当時の様子がリアルに感じられます。ある意味、映画よりおもしろいかもしれません。
ここにしかない映像が多いため、放送局から協力依頼が来たり、海外からも研究者がここを訪れたりするそうですが、聞けば聞くほど「なにそれ」な話が満載。
日本の映画観客動員数は1958年に11億人を突破し、映画ブームはピークを迎えます。当時、神戸市内には85もの映画館があったそうですが、そんな在りし日の神戸三宮の映画館のことがこのパネルに書かれています。
こちらは韓国から届いた感謝状。2015年に韓国映像資料院が公開した映画『鴎(原題・海燕)』は、前年に神戸映画資料館で35ミリのポジフィルムが見つかったことから復元が実現したもの。関西初上映もここで行われました。
神戸を舞台にした映画『ハッピーアワー』(2015年)は、国内外の映画賞を多数受賞しました。その際のトロフィーが4つも展示されているのですが、よく見ると「最優秀監督賞」とか書かれていてかなり貴重です。
神戸映画資料館が発行するチラシも分厚いファイルにきちんとストックされています。写真は2007年にオープンした時のもの。
神戸ジャーナル 編集部
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