HAT神戸にある『人と防災未来センター』は、「阪神・淡路大震災」について学び、防災・減災の知識が正しく身につく施設だった

生命を育む水の脅威を目で、体で実感できる東館

次は東館へ移動します。連絡通路を歩き、エスカレーターで3階へ。スタートは水と減災について学ぶフロアです。

約5分の映像では、私たちの暮らしが豊かな水と自然の恵みに支えられているものの、恵みと災いは隣り合わせであることを伝えています。

上下二段の特殊スクリーンでは、1938年に起きた阪神大水害の実際の映像や、最近の巨大地震による津波の映像などが約11分間上映されています。

こちらは歩行装置に足を固定することで負荷がかかり、水圧がかかる中での歩行がいかに困難かを体感できるコーナー。

実際に水は流れておらず、距離も短いですが、これがまたかなりの疲労感。水の中で長い距離を移動するのは思った以上に過酷で、万が一こういう状況に陥ったら…と考えさせられました。

近い将来、発生が懸念されている南海トラフ・首都直下地震展について、想定される被害、震度の推計などを展示しています。

南海トラフ巨大地震による死者は323,000人、被害額は最大約220兆円が想定されるそうです。国家予算の2倍が吹き飛ぶ計算です。

津波到達予想時間や震度を示したマップもありました。和歌山県の串本や、静岡県下田は2分。想像以上に早い。

また、南海トラフからは距離があると思っていた東京都でさえ震度5と想定されています。もう、誰しもが他人事ではありません。

1階こころのシアターでは東日本大震災被災地のドキュメンタリー映像「大津波―3.11未来への記憶―」を上映(約25分)。

変化していく被災地の現状を、震災直後から現在に至るまでの映像と被災者へのインタビューで伝えます。

実はこのドキュメンタリー、世界唯一の震災3D映像ということで、入口で3Dメガネを借りて鑑賞します。こういうことを言うのもなんですが、やはりリアリティが違います。

西館5階には資料室があり、阪神・淡路大震災や東日本大震災関連の資料、防災についての図書、雑誌、チラシなどが配架されています。

児童書や絵本、ゲーム・カルタで遊びながら防災を学べるコーナーもあるので、家族で訪れる方も結構いらっしゃるそう。無料なので気軽に覗いてみるのもおすすめです。

東館1階のミュージアムショップでは、緊急時用担架「アルバックマット」(55,000円)が販売されていました。

「組み立てトイレ」や「賞味期限3年のカロリーメイト」など災害時に役立つグッズも販売されてます。

奥には「カフェ&レストラン MARIN」も。じっくり見学すると3時間くらいはかかるので、こちらで休憩を挟んでゆったり見学するのがいいかもしれません。

『人と防災未来センター』はその成り立ちから、ややシリアスなイメージがあるかもしれませんが、実は明るく開放的な空間で、決して遊び場ではないものの、防災・減災をしっかり学べることがよく分かりました。

大人も子どもも、震災を経験した人も、そうでない人も、1度は訪れてみることをお勧めしたい。そう思える施設です。毎月17日は入館無料ですので、大切な人と一緒に出かけてみてはいかがでしょうか。

スポット名人と防災未来センター
ジャンル博物館
料金大人600円、大学生450円、高校生・小中学生は無料
※毎月17日は入館無料(17日が休館日の場合は、翌18日となります)

住所神戸市中央区脇浜海岸通1-5-2
電話番号078-262-5050(観覧案内)
営業時間9:3017:30(最終入館16:30
9:3018:00(最終入館17:007月~9月)
9:3019:00(最終入館18:00、毎週金土)
※ゴールデンウイーク期間中(4月28日から5月5日まで)は無休
定休日月曜日および年末年始(12月31日、1月1日)
※月曜が祝日または休日の場合は開館し、翌平日に休館
リンク公式サイト
駐車場あり(有料)

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