高校生がレポート!能登半島地震から10カ月。火災があった「輪島市」のいまと、自分にできること

神戸に住んでいる人&活動する人を紹介する「神戸ピーポー」。

今回は、大規模な地震があった能登を視察した高校3年生の「神矢 莉音(かみや りお)」さんと、それをサポートした公益社団法人日本青年会議所(所属:一般社団法人神戸青年会議所)のメンバー「妹尾 秀浩(せのお ひでひろ)」さんに注目!

神矢さんは、公益社団法人 日本青年会議所が主催する「ネクストリーダー 被災地復興支援プロジェクト」に参加し、2泊3日かけて被災地の視察などを行いました。

被災地に行って気づいたことや、被災者の「いま」についてお聞きします。

Index

能登の現状・そのまま残る倒壊した建物
進まない「復旧」の原因は
被災者から聞く、忘れがちな防災の基本
現地に行って感じた、自分たちができること

能登の現状・そのまま残る倒壊した建物


画像:気象庁より

1月1日、石川県能登地方を震源に発生した地震は、震度7の非常に激しい揺れを引き起こしました。

この「能登半島地震」による被害は大きく、多くの家屋、ビルが倒壊したほか、輪島市では大規模な火災も発生。

多くの市町村で断水が起こり、復旧が困難な一部地域では今もなお水道が止まっています。

さらに9月21日には、24時間雨量が400ミリ超という「観測史上最大の大雨」も発生し、河川の氾濫、土砂崩れ、集落の孤立、仮設住宅の浸水などが起こりました。

ネクストリーダー 被災地復興支援プロジェクト」では、全国の高校生が66人参加し、2泊3日で輪島市の視察・被災者体験報告・グループワークなどを行ったんだそう。

メインとなる2日目の輪島市視察では、実際に火災のあった場所にも訪れたそうです。宿泊先のある金沢市から輪島市までは、バスで3時間弱かけて移動しました。

震源に近づくにつれて、だんだん悪くなっていく道路状況。大きく揺れるバスの中、参加した高校生たちの顔つきも徐々に真剣になっていったんだそう。

ありさ
輪島市を訪れて、率直にどう感じましたか?
神矢さん
ニュースで見たそのままの光景があるなという感じでした。現地に行ったのは8月4日で、地震発生からはちょうど8か月ほど経っていたのでもう少し整備されていると思っていましたが、実際はあまり変わっていないのかな?と感じました。

輪島市を訪れて目にしたのは、地震の被害が色濃く残る光景だったそうです。焼け野原やブルーシートがかかった建物・倒壊したままのビル・割れた道路など。

特に印象に残っているのは、7階建ての大きなビルが横倒しになったまま残っている光景なんだそう。

神矢さん
こんなに大きな建物が倒れたのなら、当日の揺れはとても大きかったんだろうと感じました。街並みから当時の被害の様子が伝わってきます。

このビルに隣接する建物にいた2人が巻き込まれて死亡するなど、甚大な被害を及ぼしたビル。

これまでは調査のために解体が行われていませんでしたが、10月7日から公費解体を行うことが決まっています。(掲載時期注意)

進まない「復旧」の原因は

復旧を進めるにあたっての課題として、「交通状況」「人手不足」などがあげられています。

被害が大きい奥能登へ続く道の中には片側通行の場所も多く、渋滞も発生しているのが現状です。

神矢さんは、2階建てのうち1階だけがつぶれている家屋やがたがたの道などを見て「復旧・復興のむずかしさ」を感じたんだそう。

神矢さん
こんなに荒れている道では重機も通れないんだろうと思いました。
ありさ
交通状況のほかには、どんな理由で復旧が遅れているのでしょうか?
妹尾さん
家屋や建物については、公費解体をする際にも手続きが必要なので、時間がかかっています。がれきの下に何かあるかもしれないし、土地や建物の権利の問題もあるんです。

また、復興についても「元通りに戻すのか」「新しく変化させて戻すのか」意見をまとめていく過程も必要で、時間がかかるんだそう。

とはいえ、あと3か月もすれば「発生から1年」となってしまいます。復旧を進めるにあたっての課題の解決についても、引き続き考えていく必要がありますね。

被災者から聞く、忘れがちな防災の基本

プロジェクトでは被災者の方からお話を聞く機会もあり、生活の様子や災害に備えるためのアドバイスなども聞くことができたんだそう。

被災者のお話で、神矢さんは「家族とのルールを作っておく」ことが大事だと学んだそうです。

初歩的なことだけど、意外と決めていない「どこに逃げるか」「どうやって連絡を取るか」など。

神矢さん
どこに逃げるかなど、家族と確認しました。
妹尾さん
少しでもパニックを減らすために、事前に決められることは決めておく。災害時にはただでさえ混乱し行き違いも起きやすいので、決め事は大事だと聞きました。

防災バッグは準備したという人も、家族との連絡手段や駆け込む避難場所の確認・共有などはできていない人も多いのではないでしょうか。

現地に行って感じた、自分たちができること

実際に被災地を目の当たりにし、自分は災害について全然知らないことが多かったと語る神矢さん。

「阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター」に行った経験のほか、毎年1月17日には黙とうするなど、震災について考える機会はあっても、足りないところがあるみたい。

しかし今回、現地に行ったからこそ自分にできることが分かったそうです。

ありさ
被災地から遠く離れた場所に暮らしている私たちができることって、何かありますか?
神矢さん
まず思いつくのが募金ですね。それから、知ることも大事だと思います。現状を知って、自分の地元で起きたらどうしようと考えること。他人事じゃなくて、自分事として考えることができることだと思います。
妹尾さん
プロジェクトでは、実際に現地を見るだけで得られる知識がありました。募金でも、ボランティアでも、まず何か一つ行動することを心掛けることが重要だと思います。

現地に行ったからこそわかることもありますが、行かなくてもできることはあるということですね。

被害があったことを忘れないこと、自分の住んでいるところで起きたらどうするか考えることも、被災地のためにできることです。

阪神淡路大震災を経験した土地の人でも、世代が変わるにつれて記憶は薄れていきますよね。今一度、防災について考えてみてはどうでしょうか。

また、「寄付」も手軽にできる被災地支援ですね。下記に寄付ができる場所をまとめたので、是非チェックしてみてください。

募金先一覧
・【石川県】能登半島地震に係る災害義援金
・【日本赤十字社】令和6年9月能登半島大雨災害義援金(石川県)
・【Yahoo!基金】令和6年9月能登半島豪雨災害 緊急支援募金
・【楽天】令和6年9月能登半島豪雨災害支援募金
・【さとふる】令和6年1月能登半島地震 災害緊急支援寄付
・【JNN・JRN】JNN・JRN共同災害募金

◆関連リンク
公益社団法人日本青年会議所 本会 – 公式サイト
一般社団法人神戸青年会議所 – 公式サイト

 

この記事を書いた人

ありさ

スイーツとハロプロのアイドルが好き。

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