新型コロナウイルスの影響で、ここ2年余りすっかり海外旅行と縁遠くなってしまいましたね。全国的に感染対策が浸透しワクチン接種も開始したことから、少しずつ国内旅行でリフレッシュしやすい環境になってきましたが、観光で国境を越えるには、まだ時間がかかりそう。
そろそろ海外の雰囲気が恋しい……という時にこそ、異文化を受け入れ、共存しながら発展してきた神戸が心を満たしてくれる。
神戸のなかでも、今回は「ヨーロッパ」を堪能できるスポットを紹介していきます!
ライター/編集者
ウェブメディア『TABI LABO』の編集部に所属した後、独立してフリーライターへ。今では旅行系メディアだけでなく、インタビューをメインとする『新R25』などでも企画から執筆までを手がけている。コピーライターとしてアパレルブランドのコンセプト制作など、幅広く活動中。
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これまでの“ご自愛”を込めて、いつもよりホテルはリッチに。ゆったりお部屋とお料理を楽しむステイがおすすめ。神戸北野ホテルは、「美食を愛でる、心豊かなひとときを過ごしていただきたい」という思いを軸に、一流のフレンチとおもてなしを追求しているオーベルジュ(宿泊施設付きレストラン)。客室は30室のみで、英国調の優雅な空間を堪能できます。
神戸北野ホテルと言えば、何と言っても「世界一の朝食」として知られるヨーロピアンスタイルのブレックファスト。
神戸北野ホテルは、フランス料理界を代表する重鎮の一人、ベルナール・ロワゾー氏の「世界一の朝食」の提供を唯一許されたホテルです。ロワゾー氏はホテルの総支配人・総料理長 山口浩氏の師であり、ホテルの開業祝いとして朝食の提供を公式に贈ってくれたそう。素材そのものの味わいと栄養素を閉じ込めたジュースや、濃厚なコンフィチュールまで手作り。
気持ちの良い朝日を浴びながら、テーブルいっぱいに並んだシェフこだわりの品々に手を伸ばす。心も体も、贅沢に満たされること間違いなしです。頑張ってきたご褒美として、フランス旅行気分を存分に楽しんでみてください。
神戸北野ホテル
住所 神戸市中央区山本通3-3-20
TEL 078-271-3711
公式HP https://www.kobe-kitanohotel.co.jp
※営業時間・定休日は直接店舗に問い合わせを
1868年に神戸港が開港して以来、神戸に移り住んだ外国の人々の拠点となっていた旧居留地。ラムネやウスターソース、ジャズといった西洋文化が日本に浸透していったはじまりの場所でもあります。
石貼りの外観やアーチ状の天井、古代ギリシアの建築様式のひとつであるイオニア式の円柱など重厚感たっぷりのヨーロッパ建築が立ち並び、気分はパリ旅行中。ファッションの発信基地として洗練された世界的に有名な一流ブランドが集結しているので、お買い物を楽しむも良し、開放感あふれるヨーロピアンスタイルのカフェでティータイムを楽しむも良し。
楽しみ方は様々ですが、歴史的背景を辿りながらアートに触れられるミュージアム巡りもおすすめです。旧居留地には、時代ごとの照明文化を楽しめる「神戸らんぷミュージアム」や古代から現代までのガラス工芸を取り揃えた「とんぼ玉ミュージアム」、神戸と真珠の歴史を辿る「神戸パールミュージアム」があります。異文化流入はじまりの地、旧居留地でこれまでどのように神戸が発展してきたのかを、感じてみてください。
神戸旧居留地
住所 神戸市中央区海岸通・京町・明石町他
アクセス JR三ノ宮駅より徒歩約5分 またはJR元町駅より徒歩約5分
TEL 078-332-0151
公式HP https://www.kobe-kyoryuchi.com
※営業時間・定休日は直接店舗に問い合わせを
本格的なドイツパンを、日本に広めたことで知られるフロインドリーブ。「神戸ユニオン教会」が阪神・淡路大震災で被害を受けた後、フロインドリーブが改築し、カフェとして展開しました。歴史的建造物として、登録有形文化財となっています。
高い天井と窓から差し込む光がとても心地よく、床にはドイツのゴシック建築の特徴のひとつである「市松模様」が施されています。
教会の礼拝堂を改装した神秘的な雰囲気の中で、焼き立てのドイツパンやスイーツをいただく時間は格別!全国各地からファンが訪れる人気店です。
©︎FREUNDLIEB
人気メニューは、ボリュームたっぷりのサンドウィッチ。なかでも自家製のローストビーフがたっぷりサンドされた「オリジナルローストビーフサンドウィッチ」は、食べ応えバツグン! 街歩きを楽しんだ後は、パンの香りが漂う教会カフェで癒されてください。
フロインドリーブ生田店
住所 神戸市中央区生田町4-6-15
TEL 078-231-6051
定休日 水曜日(水曜祝日の場合、翌日木曜が店休)
公式HP http://freundlieb.jp
※営業時間・定休日は直接店舗に問い合わせを
ディナーは須磨の高台に威風堂々と佇む神戸迎賓館にあるフランス料理店、「LE UN」がおすすめ。なんと総面積は約10,000m²。国内ではほとんど目にすることができないセセッション様式の洋館です。セセッション様式は1890年代のオーストリア・ウィーンではじまり、幾何学的なデザインや植物の模様など独特な意匠が特徴のひとつ。
もともとはセレブリティたちの社交場として、大正時代に地位を獲得した類蔵氏が立てた豪邸だそう。ステンドグラスが施されたエントランスや、赤い絨毯の大階段から歴史を重ねてきた洋館から溢れる気品に、うっとりしてしまいます。これこそ、非日常感。
©️LE UN(ルアン)神戸迎賓館
LE UNでは、神戸牛をはじめとする兵庫県のブランド食材をふんだんに使ったフランス料理をいただけます。フレンチの伝統的な背景を守りつつ、異国からの新しい文化や視点、デザインによって発展してきた神戸のルーツを料理に投影しているそう。 他では見ることのできない美しいお料理たちが、心も体も満たしてくれますよ。
LE UN(ルアン) 神戸迎賓館
住所 神戸市須磨区離宮西町2-4-1
TEL 078-739-7600
定休日 火曜日
公式HP https://www.vizcaya.jp/restaurant/
※営業時間・定休日は直接店舗に問い合わせを
神戸には、建築や料理、アートなど本物の欧州文化が生きています。海外旅行に行けなくても、神戸港が架け橋となって古くから根付いてきた、“雰囲気”だけじゃないヨーロッパがここにある。
各エリアを移動して多文化に触れる旅も楽しいけれど、今だからこそ、とことん優雅に「神戸でヨーロッパ」を楽しんでみてはいかがでしょう?
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文中のらんぷミュージアム、残念ながら2月末で閉館しました……