よしよしする人「ヨシヨシスト」って?人に言えない『お悩み相談所』開業の想いや自身の「体験談」を語る

自称、ヨシヨシストの今庄和恵(いまじょう・かずえ)さんは、約15年前に「コネクトロン/マチカドホケン室」というお悩み相談所を神戸に開きました。

NLPを始め、ビジョン心理学や四柱推命などを用いて悩みと向き合い、その「悩み」は、親の介護や自身のコンプレックス、夫婦間のもつれ、職場環境など、多岐にわたります。

そもそも「ヨシヨシスト」って何なんでしょうか?

今回は、彼女のこれまでの歩みとともに、「悩み」への向き合い方のこだわりについても、お話を伺ってきました。

Index
● 特別な関係性なんて要らない
● 自分の知らない自分に出会う時
● ヨシヨシストとしての歩み
● NLPで自分を知る

特別な関係性なんて要らない

富山県高岡市で生まれ育ち、神戸で暮らし始めて今年で46年になるという今庄さん。現在は、神戸市内で息子さんとペットの文鳥と一緒に暮らしています。

そんな彼女の幼少期は壮絶なものでした。

生まれてすぐに両親が離婚。富山県内で親戚の家を転々とするも、預け先でもDV(ドメスティック・バイオレンス)など家庭の事情が複雑で、心安らげる場所がない暮らしを強いられます。月に1回程度は、実の両親と面会はあったようですが、物心つく前から離れて暮らしていたため、親に対して抱く特別な感情は無かったといいます。

家族の温かみを知ることもなく、幼少期を過ごした彼女にとって、誰かと特別な関係性を築くことへ必要性を感じなくなっていたそう。

自分の知らない自分に出会う時

社会人となり、設計事務所へ入社。事務員として働きつつも、実際に図面を引くなど専門的な業務も含め3年間勤務します。

その後、SEとしてシステム業界へ転職。複数企業へ転職を繰り返しますが、毎日が始発・終電という繰り返しという心の休まる瞬間の無い、ただがむしゃらに日々を約10年間にも渡って送っていたといいます。

なぜそんなハードな仕事をがむしゃらに続けていたのか、当時の自分の心境が本当の意味で分かったのは最近のことだと言います。

私を馬車馬のように動かしていた根底にあったのは、直属の上司である男性に「認めて欲しい」という気持ちが強くあったからなんです。

そう話す今庄さんに理由を聞くと、予想外な言葉が返ってきました。

その上司が、女性ではなく「男性」だったから。私は昔から男性に認めて欲しいという気持ちが強くあったんです。改めてその理由を考えた時に、父親に認めて欲しいという幼い頃の気持ちにたどり着き、ある言葉を思い出しました。

今庄さんが生まれた当時、彼女の実父は息子が欲しかったようで女は要らないと、男が産めなかったことを理由に離婚に至ったんだと言います。

そのこと自体は幼い頃から親戚から聞かされていたそうですが、当時の傷が、知らず知らずのうちに「上司に認めて欲しい」という執着にも近い願望に繋がっていたという「原因」にたどり着くことで、執着を手放せるようになったんだそう。

社会人として働く過程で、一度は結婚もして人生のパートナーと呼ぶべき人との暮らしを始めますが、やはり心は伴っていなかったのが正直なところかなと、今だからこそ感じる思いを話す今庄さん。

お腹には子供もいましたが離婚を決意。まもなくして「阪神淡路大震災」が起こったこともあり、富山に戻って出産することになります。そのことがきっかけで、仕事を退職し、ここからヨシヨシストへの第一歩が始まります。

ヨシヨシストとしての歩み

以前からお世話になっているという美容師さんの掲示板(当時流行っていた)に、書き込んでいたコメントが地方情報誌の記者の目に留まり、そこから占いの連載記事の執筆を任されることに。

占いやスピリチュアルの知識はゼロだったそうですが、仕事を退職後は子育てに明け暮れる日々だったこともあり、一から勉強し占いの世界へ。

取り組んでいく中で、想像以上に「深刻な悩みを抱え占いにすがっている人」が大勢いることを知ります。

そこで、mixiで無料鑑定コミュニティを立ち上げ、500件以上の鑑定します。結果的に、占いは約1年半ほどで見切りをつけることになったんだとか。

ある相談者にいつも通りタロット占いをしたのですが、とても前向きな占い結果だったので、喜ばしくそれを伝えました。すると、その方は「そんなわけない!」と私に言いました。その時、私はハッとしたんです。「あ~、問題なのは、受け取れないことだ」と。ただ結果を伝えるのではなく、心を整えてあげなくてはと思いました。

その後、献血ルームでボランティア活動を開始。ビジョン心理学という方法で、10年間以上、4000人以上のお悩み相談を受けます。

その頃並行して、「コネクトロン/マチカドホケン室」を開業。面と向かって、心を通わせながらその人の根底にある「原因」を一緒に見つけることの重要性を、より一層感じることとなります。

開業から今年で15年。当初から繰り返し足を運んでこられる相談者もいて、今では一緒にお酒を飲んだりする仲になった人も。

コネクトロン/マチカドホケン室という場所は、今庄さん自身にとっても誰かと繋がれる大切なコミュニティになっているのかもしれません。

NLPで自分を知る

現在、最も力を入れて取り組んでいるのがNLP(神経言語プログラミング)と呼ばれる心理学。

「コネクトロン/マチカドホケン室」では、お悩みに対して質問を繰り返していくことで、自身の心を深層まで掘り進めて行き、忘れていた記憶やフタをしてしまっていた傷=原因を見つけ出す方法として用いられています。

ただ優しい言葉で慰めるだけではなく、始めの一歩を踏み出すために時間をかけて本質と向き合うお手伝いをしてくれるのが、彼女のスタイルです。

彼女が最近になって「父親に認めて欲しい」という気持ちや、「女は要らない」という言葉に傷ついた当時の自分を思い出したのは、このNLPに出会ったからだと言います。

「家族の温かさを知らない」と話す彼女ですが、自身のお子さんについて語るその言葉から、「親としての責任感」や「愛情」を感じました。

人は時間と共に常に進化しているからこそ、本当はまだ、彼女自身も知らない「彼女」がいるのかもしれません。

◆関連リンク
神戸元町コネクトロン – 公式サイト
@connectronkobe – 公式Twitter

 

この記事を書いた人

神戸ジャーナル 編集部

ライター一覧

コメントを残す

日本語が含まれないコメントは無視されます。コメントは承認後に表示されます。良識のあるコメントを心がけ、攻撃的な表現や他人が傷つく発言は承認されません。