開港をきっかけに海外の文化を取り入れてきた神戸の街には、異国を感じられるスポットがあちこちにあります。中でもフランスのマルセイユは、神戸市と姉妹都市提携をしている国のひとつです。
そこで、今回は神戸でフランス気分が味わえるスポットをご案内。神戸北野異人館街にある「洋館長屋」と「ビストロ カフェ・ド・パリ」、いくたロード近くにある「メゾン・ルルー神戸店」を紹介します。
まず紹介するのは、神戸で人気の観光エリア「神戸北野異人館街」にある「洋館長屋」。各線三宮駅、または新神戸駅から徒歩約15分の北野通り沿いに並ぶ洋館です。
こちらの洋館は、もともと2世帯が暮らせる外国人向けのアパートで1908年に建てられたもの。寄棟屋根に下見板張り、白いオイルペンキ塗りの外壁は当時の代表的な洋館様式といわれています。
鎧戸やボーダーにカラーアクセントが設けられていて、玄関が向き合うように建物2つが左右対称に配置されたユニークな外観も見どころのひとつ。
「洋館長屋」は別名「仏蘭西館(フランス館)」とも呼ばれていて、館内の内装に南フランスをイメージさせる色使いが使用されているのが特徴です。
1階にはアール・ヌーボー期の巨匠エミール・ガレやドーム兄弟、ミューラー兄弟などのガラス工芸品が展示されています。19世紀の調度品や絵画を間近で見ることもできます。
アンティーク家具が並ぶ華やかな空間
2階には、コンセプトが異なる5つの部屋があります。華やかな赤を基調とした部屋には、花やドレス、ロココ調の家具が展示されています。
モノトーンの部屋は、まるで絵の世界に入りこんだ気分になれると人気。どの部屋も写真映えします。19世紀半ば頃、創業当時のルイ・ヴィトンのトランクもあるので要チェック。展示物に触れることはできませんが、写真を撮ることは可能なので、記念撮影も楽しみましょう。
特徴的な外観もさることながら、館内展示がおもしろく、映える写真が撮りたい方にもおすすめの「洋館長屋」。建物の隣には、神戸土産を取り揃えたショップ「COUVENIR (コーベニア)」もあるので、ぜひお立ち寄りください。
洋館長屋
住所 神戸市中央区北野町2丁目3-18
アクセス シティループバス「北野異人館」徒歩すぐ
電話番号 0120-888581
公式HP https://kobe-ijinkan.net/md/france/
神戸北野異人館街の散策を楽しんだあとは、フランスを感じられるビストロカフェでフランス料理を楽しみませんか。2003年にオープンした「ビストロ カフェ・ド・パリ」は、北野坂沿いにあり、北野にお出かけの際に立ち寄りやすいお店。
「小高い丘にあるパリ北部のモンマルトルにあるようなカフェを作りたい」との思いから、外観や内装、サービス、料理にいたるまで、パリらしさがギュッと詰め込まれたお店が生まれました。
ソファの後ろにある長い棒もパリのカフェでよく見かけるアイテム
座席は2〜4人掛けのテーブル席があるほか、テラス席もあるので、天気のいい日は外の空気を感じながら食事を楽しむのもおすすめ。道行く人を眺めながら、のんびり過ごす時間も素敵です。
そんな「ビストロ カフェ・ド・パリ」で人気のランチメニューは、「ステーキランチ」。本日のスープとサラダ、牛ロースのステーキ、パン、コーヒーまたは紅茶がセットになったランチです。
スープやサラダに使用している野菜は、オーナーが神戸市北区の畑で自ら育てている新鮮なものばかり。肉汁あふれるジューシーなステーキをいただきながら、ゆっくりとランチタイムを堪能しましょう。
お好きなケーキとコーヒーまたは紅茶がセットになった「パリケーキセット」で、食べてみてほしいのが「クレームブリュレ」です。目の前で砂糖を焦がしキャラメリゼしてくれるパフォーマンスに、盛り上がること間違いなし。濃厚でまろやかなクリームと、ほんのり苦味のある焦がしキャラメルがたまりません。
パリのカフェは情報交換の場としても利用され、スタッフとお客様、またお客様同士が会話を楽しむ姿があちこちでも見られるのだとか。「ビストロ カフェ・ド・パリ」でも、そんなパリ流のカフェ文化を楽しんでもらえたらと、スタッフさんが気さくにお客様に話しかけ、会話を楽しんでいるのが印象的でした。
また、お店の左隣にはフランスのプロヴァンス地方で作られたかわいいフランス雑貨を販売している「神戸北野メゾン・ド・プロヴァンス」も。
南フランスの有名デザイナーが手掛けたバッグをはじめ、キッチン用品やボディケア商品、食品など、フランス生まれの商品が豊富に取り揃えられているので、ぜひ立ち寄ってみてください。
ビストロ カフェ・ド・パリ
住所 神戸市中央区山本通り1丁目7-21
アクセス 各線「三ノ宮(神戸三宮)駅」徒歩約12分
電話番号 078-241-9448
公式HP https://cafe-de-paris.jp/
ランチをたっぷり堪能したあとは、フランス気分を味わえるスイーツを探しにいきましょう。
こちらの「MAISON LE ROUX (メゾン・ルルー)神戸店」は、フランス生まれの「Henri Le Roux(アンリ・ルルー)」が屋号を新たにオープンした「メゾン・ルルー」日本初の路面店、そして世界初のカフェ併設店です。
塩バターキャラメルC.B.S®とは、1980年にパリで開催された国際コンフィズリーサロンにおいて、フランスの最優秀ボンボン賞を獲得したキャラメルのこと。ヘーゼルナッツやアーモンド、クルミなどのナッツ入りで、塩味がアクセントになっているお店の看板商品です。
ショーケースには、塩バターキャラメルC.B.S®をはじめ、常時8種類ほどのキャラメルが並ぶほか、上品で個性豊かな味のショコラがラインナップ。
ブルターニュ地方にある巨石文化をイメージした「ミニメニール」はギフトにおすすめ
2階のティーサロンでは、「メゾン・ルルー」のスイーツやオリジナルドリンクがいただけます。サロン内はフランスをイメージ。ソファやクッションはフランスから取り寄せた青と白のファブリックを使用しています。
おすすめメニューは、キャラメル2粒とボンボンショコラ3粒、お好きなドリンクが楽しめるお得なセットです。今回セレクトしたドリンクは、C.B.S®クリームとミルクを合わせた甘いホットドリンク。疲れた体がホッと癒されます。
写真左上の「キャラメル オレンジ ジンジャー」は、オレンジの果実味とほんのりスパイシーな生姜の味が重なり合った爽やかなキャラメル。そばの実をキャラメリゼした「ショコラ ノワール ソワジグ」(中央)、薄い生地を短冊のように巻いて焼き上げたクレープダンテル入りの「ショコラ ノワール ヤニック」(右下)など、個性豊かな味わいをじっくりと楽しんでくださいね。
写真提供:MAISON LE ROUX 神戸店
そのほか、見た目も映えるとSNSで話題のパフェもお見逃しなく。味は塩バターキャラメル、ショコラ、プラリネの3種類あるので、お好みのものをぜひどうぞ!
MAISON LE ROUX 神戸店
住所 神戸市中央区三宮町2丁目8-1
アクセス 地下鉄「旧居留地・大丸前駅」徒歩約3分、JR「元町駅」徒歩約5分、各線「三ノ宮(神戸三宮)駅」徒歩約5分
電話番号 078-599-5922
公式HP https://maisonleroux.jp/
今回紹介したスポット以外にも、神戸の街にはフランスが感じられるカフェやパティスリー、ベーカリー、フランス料理店などがたくさんあります。
旅のテーマを「フランス」に決めて、神戸でフランスにちなんだスポットめぐりを楽しんでみてはいかがでしょうか。
【取材・文】中田優里奈
神戸在住のライター。関西の観光、グルメを中心に企画・取材・執筆・撮影を担当。レトロ建築とチーズケーキとミュージカルが好き。地元の魅力を発信したいという思いのもと、日頃から神戸の街を歩いてネタ探しをしています。
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元記事:神戸で海外旅行気分!フランスを感じられるスポットめぐり
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