兵庫県が、「想定し得る最大規模の高潮」が発生した場合の「浸水想定区域図」を発表しました。
神戸市の沿岸部の想定区域では、南海トラフ地震で想定される津波よりも、かなり広い範囲までエリアが広がっています。
想定し得る最大規模の高潮のポイント
・台風の中心気圧が我が国既往最大規模(910hPa:室戸台風規模)で一定(上陸しても勢力を保ち続ける)
・潮位偏差が最大となるような台風経路を設定
・高潮と同時に河川の洪水を考慮
・全ての防潮堤・堤防や水門・陸閘等は、設計条件を超えた段階で破壊
つまり、潮位が高いタイミングで台風が来たという想定です。
兵庫区、中央区、灘区、東灘区のマップ。詳細な色分けが分かりにくいところはありますが、三宮あたりを見てみると、神戸市役所の北側くらいまで海水が来ることが想定されています。
ポーアイや六アイでも、中心部は色がついていなかったりしますので、普段から、どの場所が高くなっていて、どの場所が低くなっているのかは意識した方がよさそうです。
神戸市沿岸エリアの全体のマップ↓↓
こちらが「南海トラフ巨大地震」による津波の浸水想定図です↓↓(2014年2月19日公表)
兵庫県/南海トラフ巨大地震津波浸水想定図
「南海トラフ巨大地震」で想定されているエリアから、「想定し得る最大規模の高潮」のエリアはかなり広がっています。津波よりも潮位が高い高潮は、危険度が大きいそうです。
今回紹介したのは兵庫県からの発表ですが、久元神戸市長は、Twitterで以下のコメントをしています。
兵庫県の「最悪」高潮想定によれば、神戸市内の住宅地は最大3〜5メートル浸水するとか。もちろんあらゆる想定は必要で、高潮には万全の態勢で臨む必要があるが、心配する市民も多いだろう。想定の前提はどんなものか、何を根拠にこんなことを言うのか、県にはしっかりとした説明責任が求められる。
— 久元喜造 (@hisamotokizo) September 5, 2019
いずれにしても、兵庫県、神戸市が一体となった対策が必要だということでしょう。
◆関連リンク
・想定し得る最大規模の高潮による浸水想定区域図について – 兵庫県
・南海トラフ巨大地震津波浸水想定図 – 兵庫県
カズマ
神戸ジャーナル 編集長
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