新城崎大橋
画像：兵庫県但馬県民局豊岡土木事務所より

橋が架けられてから約70年。老朽化が進み、さまざまな課題があった豊岡市の「城崎大橋」の架け替え事業が完了し、5月31日から『新城崎大橋』が開通します。

豊岡市城崎町楽々浦～城崎町湯島

画像：兵庫県資料より

「城崎大橋」があるのは、豊岡・養父・朝来の3市に流域がある円山川で、豊岡市の人気観光スポット「城崎温泉」の近くです。

築70年ほど経って老朽化しているだけでなく、橋脚数が多いことで川の流れを阻害してしまい、洪水時に危険性があったり、道幅も狭いため大型車両も通行できなかったり、荷重規制もあったりで、早急な架け替えが必要でした。

新城崎大橋
画像：兵庫県但馬3土木（豊岡・新温泉・養父)公式Instagramより

歩行者から大型車までだれでも快適に渡ることができ、地域の安全・安心を守る「新城崎大橋」の整備事業は、2005年度からスタート。

総事業費約236億円をかけ、全体延長2.4kmの橋がこのほど完成しました。

画像：兵庫県資料より

新城崎大橋が開通することにより、3つの大きなメリットがあります。

まずは、地域住民にとっての「安全・安心」。現大橋は橋脚数が22基と多く、川の流れを阻害していたそうです。これが解消されることで治水の安全度がアップ。地震にも強くなりました。

2車線（片側1車線）とゆったりとした歩道で整備されているので、大型車も歩行者も快適に円山川を渡れるようになります。

次に「観光周遊」の面。観光バスなどの移動距離が短縮されることにより、城崎温泉や玄武洞といった豊岡市の人気スポットを巡りやすくなります。さらに新大橋開通後は、城崎温泉～玄武洞をつなぐ新たなバスルートも運行されます。

3つ目は「スポーツ振興」。これまでの橋を撤去することで、現在は1000mまでだった「ローイング（ボート）コース」が、直線2000mコースまで設定できるようになります。

画像：兵庫県資料より

新しい橋が架かることにより、城崎温泉周辺での周遊性がアップするので、地域住民はもちろん、国内外から訪れる観光客にもメリットがありそうです。

事業全体としての事業期間は「2028年度」まで。現大橋は「2025年秋」から撤去が始まる予定です。

新大橋の設計を担当した八千代エンジニヤリング社によると、新大橋が架かるエリアは「コウノトリ」などの希少動植物が確認されているため、環境に配慮するとともに、歴史ある温泉地である城崎温泉の入り口にふさわしい景観になるようにしたそうです。路面排水が直接流入しないようにしたり、道路照明が橋梁部以外に漏れない構造にしたりと、いろいろな工夫をしたそうですよ。

◆関連リンク
・城崎大橋架替事業 – 兵庫県公式サイト
・城崎温泉観光協会 – 公式サイト
・玄武洞公園 – 公式サイト