王子動物園の人気者、ジャイアントパンダの「タンタン」が、故郷の中国に帰ることになったので、今のタンタンの様子を見つつ、詳しい理由を園長さんに聞いてきました。
神戸市灘区王子町3-1
神戸市立王子動物園は、新型コロナ感染防止のため5月31日(日)まで閉園中。通常なら、平日も遠足の子供たちなどで賑わう季節ですが、入り口前もひっそりとしてます。
6月1日(月)からは、神戸市民などに限り「事前抽選」で当選した人が入園できるようになる予定。
いまのパンダ園舎前は、こんな感じ。スロープのところまで入れますが、週末など人が多い時には、三角コーン沿い+外側の柵のまわりと、ぐるりと列ができるとか。台の上のタンタンまでは、近くて少し遠い道のり。
再開に向けては、抽選申し込みの際にタンタンを見る「時間帯」をあらかじめ選ぶようにしたり、行列で密着しすぎないように間隔の目印のテープを地面に貼ったりするそう。
タンタンは、24歳のメス。人間でいうと3倍くらいの年齢にあたるそうで、単純計算で72歳のおばあちゃんパンダ。動きも性格も「のんびりゆったり」。動物園のパンダのイメージは、ゴロゴロあんまり動かないイメージでしたが、取材のときは、ごはん前だったこともあり、のっしのっしと元気に歩いてました。
阪神淡路大震災の復興のために2000年にオス・メスのつがいで中国からやってきたタンタン。「新しい世紀の幕開け」という意味で「旦旦(タンタン)」、ちなみにオスは震災復興の願いから「コウコウ(興興)」と一般公募で名付けられました。
園のスタッフの中には、「旦旦(タンタン)」のことを、中国名の呼び名「爽爽(そうそう)」と呼んでいる人もいるそうで、「爽爽(そうそう)」と呼ぶと寄って来てくれることもあるとか。
写真は、10年以上タンタンを世話してきた飼育員の男性。きょうも変わらずモクモクとお世話を続けてます。
繁殖研究を行ってきたので、24時間どうしているか常に気にかけそばにいた彼らは、誰よりも寂しく思っているんじゃないでしょうか。
あんまり年を感じさせない食べっぷり。お食事タイムは、開園時間中に4回10:00/11:45/13:30/15:00、それ以外に2回の計6回で1日15kg食すとか。。。
食べているのは「笹」ではなく「竹」。この竹は神戸市北区淡河で育ったもので、タンタンが気に入った竹が数種類、週に3回届けられてます。竹を育てている業者の人も、タンタンが食べてくれているというのをとても嬉しく思っていたそうで、帰ることについて非常に残念がっているみたい。
年をとったので負担の大きい繁殖は難しいかもしれないけど、老後をこのまま神戸で過ごすことはできなかったのか?上山裕之園長に聞きました。
そもそも、パンダは中国から借りているものなので「期限」があります。当初2000年から10年間だった約束をお願いして5年、また5年と延長してもらってきました。上山園長としては、2回延長してもらえてることもあり「またできそうかな」と期待していましたが、ことし4月正式に返還するよう要請が…
その理由は「タンタンのこれからの健康のため」というのが大きいようです。
タンタンが帰る予定の中国の『都江堰(とこうえん)基地』は、高齢のパンダが多く保護研究されていて、高齢によってかかりやすい病気などへの対処にも慣れている場所。より本来の生息環境に近い場所で、仲間のパンダたちと過ごすこともできます。
上山園長も「タンタンにとってどちらが幸せか」を考えて、送り出すことを決心したとのこと。
とはいえ、王子動物園には入場ゲートだけでなく、いたるところにパンダの姿。タンタンが来た年には来園者はそれまでの倍に増え、園のアンケート人気投票でも2位のゾウに3倍の差をつけて堂々人気NO.1になるんだそう。
園では、新たなパンダのつがいを借りられないかお願いをしているところで、タンタンがいなくなった後も、次への期待を込めてパンダ館はそのままにしておくそう。
本来の返還期限は7月15日ですが、コロナの影響で日本~中国・成都への直行便が飛んでいないため、出発がいつになるかは未定。直行便が再開してからですが、最後の1か月は検疫のため「パンダ館」屋内でのみの展示となり、「出発の前日」まで会うことができるそう。
いますぐ飛行機再開ということはなさそうですし、夏休み終わりくらいまでいられるかもしれません。
動いている姿を見ると、かわいいだけじゃなく、食べている姿に「野性」も感じます。
今後は『ありがとう「タンタン」キャンペーン』と題し、「タンタン」への寄せ書き、思い出の写真の募集、花時計の図案化、記念グッズの販売や園内でのお別れイベント等を行う予定。
先行きの見えないコロナのさなかですが、営業再開したら、人の少なそうなタイミングに会いに行ってみてはいかがでしょうか。
◆関連リンク
・神戸市立王子公演 – 公式サイト
小さいころから王子動物園に月2回ぐらいで多いい時は月3~4回ぐらい両親と行っていましたね。だから、王子動物園が当たり前みたいな感じでしたね。
タンタンもですが、上野のシャンシャンも、中国に帰ることが本当に幸せなのかと考えしまいます。タンタンにいたっては、兄弟も居ないし、親も居ないわけで、慣れない土地で知らない同種とうまくやっていけるのかと心配になります。シャンシャンにいたっては、父のリンリンや母のシンシン、妹や弟とも本当に永遠のお別れになるわけで、今は、離れてても、近くに居るので、家族の匂いとか何かを感じ取っていそうですし。パートナーが見つかればそれが幸せなのかもしれないですけど、それって人間が勝手に口にしてることですし、タンタンに至っては、おばあちゃんなので、パートナーを見つけるというのもないかもしれないですしね。彼女たちが言葉を話せたらと思ってしまいます。
そもそも[外国へのパンダはみんな貸し出し]という中国の方針がおかしいのよ。パンダ見に中国へ旅行に行く人いないだろ。それに今更パンダが中国から来たことを否定する人などおらんわ。
結局中国はパンダを大切にしているのじゃなくて、独占したいだけ。
高齢のタンタンを飛行機に乗せて、さらに中国に着いてからも移動させることはストレスでしょうに。。。
人間の都合で、住環境が変わってしまうのは、本当にタンタンにとってベストな選択肢なのでしょうか?
タンタンが中国に帰るのは本当にいいのでしょうか?彼女にとって❗私は長年日本にいて環境にも慣れて日本の人に愛され飼育員方にも慣れていてこの居心地のいいところで最後を迎えてあげるのがタンタンにとって幸せだと思ています❗中国に帰ったら一般公開されてない場所なのではたしてどんな飼育されているかわからないところに帰されるのでどうかなーあと思います❗
タンタンちゃんの返還先の都江堰が素晴らしい所というのは、理解できましたが、高齢になっての変化が心身に影響する点はどうなんでしょうか、、。人間も高齢になって息子の家に引っ越した途端に痴呆になったり、慣れない建物で転倒し寝たきりになり、結局は命を縮めるケースをよく聞きます。王子のスタッフのかたがたの飼育でこれからもタンタンちゃんをお世話してあげるのが彼女を不安にさせず穏やかに過ごさせてあげる一番の選択だと思います。観覧が負担にならないように、高齢になるにつれ観覧時間の制限もしたら良いと思います。タンタンちゃんを愛している人はそれでクレームをつけたりはしません。タンタンちゃんのいなくなった場所に新しいパンダさんを招いても、心から喜んだり出来ません。今一度、いえ、何度でも中国側へ無期限延長にむけてアプローチしてください。何卒よろしくお願い致しますm(__)m
タンタンの帰る日が現実になってしまいました いつまでも王子にいてほしい又いてくれるものと思ってました。去年の誕生日には皆さんにお祝いしてもらって愛くるしいその姿はまだはっきりと覚えています。
こんな状況でなかったらもっともっと会いに行けたのにね~
来月からの観覧ハガキだします
絶対に当たりますように。だからまだお別れの言葉はいいません
タンタンが中国に返還されると知ってから思いだしては涙、胸がズーンと痛みます。
飼育員さんはもっと寂しい思いを感じていると思います
タンタン神戸に来てくれてありがとう!たくさん癒してくれてありがとう!
これからもずっーーとタンタンの幸せを願います
タンちゃん、去年はじめてあなたに会えた時は嬉しかった。生涯神戸で終わってほしかったです。