阪急電車が、三宮の『駅ビル』内を走ってた!? 震災後「仮ビル」の姿など、歩んだ90年をふりかえる。当時の写真あり

神戸阪急ビル 神戸三宮阪急ビル 神戸 思い出 歴史 兵庫 阪急
1936年当時の旧神戸阪急ビル東館/現在の神戸三宮阪急ビル
画像:神戸市サイトより

神戸の中心地・三宮のランドマークとして親しまれている「神戸三宮阪急ビル」。

かつてはビルの中を「阪急電車」が走り、買い物だけでなく「映画館」もあって、多くの人でにぎわっていたそうです。

旧ビルの完成から今年で90年。震災と建て替えを経て現在の姿に生まれ変わるまでの歩みを振り返ります。


神戸市中央区加納町4-2-1

大きなアーチ窓のレトロな外観、三宮のシンボルに

神戸阪急ビル 神戸三宮阪急ビル 神戸 思い出 歴史 兵庫 阪急
1980年2月ごろ
画像:阪急沿線おしらべ係サイトより

1936年4月に開業した神戸阪急ビルは、阪急電鉄神戸線が「三宮」まで延伸されるのを機に、阪急 神戸駅(現 神戸三宮駅)のターミナルビルとして造られました。

円筒形の塔、大きなアーチ窓などレトロな外観で、クラシックでモダンな意匠が当時としては斬新だったんだとか。

神戸阪急ビルの最大の特徴が、建物の中を「電車」が通り抜ける独特の構造です。「阪急電車が出てくる城」とも言われていたんだそう。

ちなみに、神戸市内にゆかりの地も多い映画「火垂るの墓」では、清太と節子が電車に乗るシーンが出てくるのですが、それがこの阪急 神戸三宮駅です。

神戸阪急ビル 神戸三宮阪急ビル 神戸 思い出 歴史 兵庫 阪急
画像:神戸市歴史公文書館所蔵

駅と商業施設が一体となっていて、駅のホームを挟んで、地上5階・地下1階の「東館」と、地上3階・地下1階の「西館」という構成。

ビルの設計は土木技術者の阿部美樹志さんで、日本初の鉄筋コンクリート高架鉄道や梅田阪急ビル、阪急西宮スタジアムなども手がけたのだとか。

神戸阪急ビル 神戸三宮阪急ビル 神戸 思い出 歴史 兵庫 阪急
画像:神戸市歴史公文書館所蔵

開業当時の写真も残っています。昭和初期ながら、街ゆく人々の服装もおしゃれですね。

1階には映画館で上映されている作品のポスターがあり、通りがかる人が熱心に見ている様子。

写真には当時上映されていた「朝の並木道」や「ペーア・ギント」、「将軍暁に死す(GENERAL DIED AT DAWN)」のポスターが映っています。

当時としては珍しい「冷暖房」「エスカレーター」も完備されていて、神戸の新名所としてにぎわっていました。

神戸阪急ビル 神戸三宮阪急ビル 神戸 思い出 歴史 兵庫 阪急
1977年ごろ
画像:神戸市歴史公文書館所蔵

三宮エリアはこの神戸阪急ビルを中心に、繁華街としてどんどん発展していったんだそう。

話題の映画を観たり買い物をしたり、家族のレジャーや恋人とのデートにと、神戸市民がこぞって集まる場所になっていきました。

神戸阪急ビル 神戸三宮阪急ビル 神戸 思い出 歴史 兵庫 阪急
1977年ごろ
画像:神戸市歴史公文書館所蔵

1977年ごろのこちらの写真には「宝塚歌劇」「宝塚ファミリーランド」「西宮球場」の文字も。

宝塚歌劇といえば宝塚市にある大劇場が思い浮かびますが、神戸阪急ビルで宝塚歌劇の公演が行われたこともあるそうです。

また、1世紀近く愛された宝塚ファミリーランドは2003年に閉園。西宮球場は解体され、現在は阪急西宮ガーデンズ本館に生まれ変わっています。

阪神・淡路で被災し解体、仮ビルで復活

神戸阪急ビル 神戸三宮阪急ビル 神戸 思い出 歴史 兵庫 阪急
画像:神戸市歴史公文書館所蔵

1995年1月に発生した「阪神・淡路大震災」で、神戸阪急ビルも大きな被害を受けました。

神戸阪急ビル 神戸三宮阪急ビル 神戸 思い出 歴史 兵庫 阪急
画像:神戸市歴史公文書館所蔵

戦後に増築された5階の映画館「阪急文化」の崩落など、建物のあちこちで亀裂が発生。

鉄道の早期復旧を優先するため、構造部分を残す形で、建物は解体されることになります。

神戸阪急ビル 神戸三宮阪急ビル 神戸 思い出 歴史 兵庫 阪急
画像:阪急沿線おしらべ係サイトより

同年12月、駅の機能の復旧に伴い、神戸阪急ビル東館が営業を再開。当初は暫定的な建物として復活したものの、結果的に20年以上営業しました。

旧ビル時代とはまた違った曲線を取り入れたデザインですね。

ちょうど10年前まで営業していたので「阪急会館こんな感じやったなぁ」と懐かしく思う人も多いのではないでしょうか。

当時は地下に「いかり」、1階に「ブックファースト」「御座候」「フレッズ」「サンマルクカフェ」などが入っていました。

仮ビルで営業をしつつ、同時に進められたリニューアル計画では、神戸の玄関口にふさわしいランドマークになること、そして震災からの復興のシンボルとなることをデザイン方針としたそうです。

新「阪急ビル」誕生。EKIZO神戸三宮も開業

神戸阪急ビル 神戸三宮阪急ビル 神戸 思い出 歴史 兵庫 阪急
画像:阪急コンストラクション・マネジメントサイトより

2016年に、神戸阪急ビルの建て替え計画が発表されました。

地上29階・地下3階建てで高さ約120mになる建物には、ホテルやオフィス、商業施設、駅施設などが入る構想で、最上階には展望フロアを設け、神戸の街を見渡せる造りに。

そして2021年4月、神戸阪急ビル東館と駅高架エリアの商業施設「EKIZO神戸三宮」を合わせた施設として「神戸三宮阪急ビル」が開業しました。

神戸阪急ビル 神戸三宮阪急ビル 神戸 思い出 歴史 兵庫 阪急

低層部の建物デザインでは、長く親しまれてきた旧ビル東館のデザインを再生しています。

大きなアーチ窓など、かつてのビルの手描きの設計図や資料を参考に、素材や色彩も引き継いだんだそう。

外観だけでなく、阪急 神戸三宮駅の改札を出て階段を降りたコンコースや入り口にも、その面影を見ることができます。


かつて映画を観たり買い物を楽しんだりと、多くの人が集まった神戸阪急ビルは、旧ビルの開業から数えると今年で90年。写真を通して、当時の三宮のにぎわいを感じられますね。

建物の中を電車が通っていた頃、車内からはどんな景色が見えたのでしょうか。

ぜひ皆さんの思い出をコメント欄で教えてください。

神戸ジャーナルが兵庫県内の懐かしいスポットなどを当時の写真で振り返る「神戸の思い出」特集記事では、ほかにも色々なスポットをご紹介しています。こちらもぜひ。

◆関連リンク
・EKIZO神戸三宮 – 公式サイト

 

この記事を書いた人

あさみ

「今年こそダイエット」が口癖です。

ライター一覧

コメントを残す

日本語が含まれないコメントは無視されます。コメントは承認後に表示されます。良識のあるコメントを心がけ、攻撃的な表現や他人が傷つく発言は承認されません。