六甲アイランドにある神戸ファッション美術館で、「放浪の天才画家」と称された山下清の生誕100年を記念した展覧会が開催されます。
生誕100年
山下清展ー百年目の大回想
2022年6月25日(土)~8月28日(日)
神戸ファッション美術館
神戸市東灘区向洋町中2-9-1
山下清は18歳で放浪の旅を始め、記憶に残った旅先での風景を緻密で色鮮やかな貼絵に描いたことで、「放浪の天才画家」と称されました。
本展覧会では、「日本の原風景」と言われる代表的な貼絵を中心に、独特な手法で描かれた油彩・水彩画・ペン画・少年期の貴重な絵など、初公開作品も含めて約170点が展示されます。
今までドラマなどの中で語られていた山下清像を再検証し、フィクションではない芸術家としての姿を追求する内容になっているそうです。
激動の昭和を自然体で生き抜いた山下清。「今年の花火見物はどこに行こうかな」の言葉を最後に49歳で亡くなった天才画家の生涯をたどる特別展です。
展示構成
第1章 山下清の誕生―昆虫そして絵との出合い
第2章 学園生活と放浪への旅立ち
第3章 画家・山下清のはじまり―多彩な芸術への試み
第4章 ヨーロッパにて―清がみた風景
第5章 円熟期の創作活動
山下清プロフィール
1922年生まれ。東京出身。「放浪の画家」で知られている。
幼少期に患った重い消化不良により、完治後、軽い知的障害となる。10歳頃から知的障害も顕著になり、周囲からのイジメに合った。
12歳で八幡学園に入園。学園教育の一環として「ちぎり絵」に出合い、画才を開花させ「貼絵」へと発展させていく。少年期に創作した初期の傑作が生まれたのもこの頃。
1940年、18歳の時に八幡学園から突然姿を消し、日本中を放浪し始める。
学園での生活から自由になりたかったことが契機となり、兵役検査から逃れるために放浪に出たのである。
気ままな放浪を続けていた1953年、31歳の時に、アメリカのグラフ誌『ライフ』の記者が、彼の少年時代の「貼絵」を見かけたところ、その天才ぶりに驚き、放浪中の清を捜し始め、新聞の捜索記事によって翌年に鹿児島で発見される。
清は、放浪中には絵を描いていなかった。彼は驚異的な記憶力の持ち主で、数ヶ月から数年に渡る放浪生活中に見た景色などは克明に記憶しており、放浪から戻ってくる度にそれらを思い出して作品を制作。
作品は貼絵の他に、油彩や水彩画、ペン画、陶磁器の絵付けなど、様々な手法による作品を残した。
1956年、34歳の頃に開催された東京の大丸での個展では80万人を動員。その後、全国でも個展が開かれ絶賛される。
1971年、49歳永眠。花火のような一瞬の輝きで昭和という激動の時代を駆け抜けた人生だった。
《長岡の花火》貼絵/1950(昭和25)年 ©Kiyoshi Yamashita/STEPeast 2022
《夙川風景》ペン画/1956(昭和31)年 ©Kiyoshi Yamashita/STEPeast 2022
《パリのエッフェル塔》水彩画/1961(昭和36)年 ©Kiyoshi Yamashita/STEPeast 2022
《ともだち》貼絵/1938(昭和13)年 ©Kiyoshi Yamashita/STEPeast 2022
《ロンドンのタワーブリッジ》貼絵/1965(昭和40)年 ©Kiyoshi Yamashita/STEPeast 2022
期間
2022年6月25日(土)~8月28日(日)
【休館日】月曜日、7月19日(火)※7月18日(祝・月)は開館
開館時間
10:00~18:00(入館は17:30まで)
観覧料
一般 1000円/大学生・65歳以上 500円/高校生以下 無料
※神戸市内在住の65歳以上の人は無料
※神戸ゆかりの美術館、小磯記念美術館の当日入館券(半券)で割引
問い合わせ
TEL:078-858-0050/メール:press@fashionmuseum.jp
いろんな場所、技法の作品が並ぶみたいなので、最後まで楽しめそうですね。気ままな放浪生活でどんなものを見てきたのか気になります。
現在、神戸ファッション美術館では、6月12日まで、衣装に特化した「宝塚歌劇展」が開催されています。
当日入館料で割引になる「神戸ゆかりの美術館」では、開館から15周年を記念して、震災に関連する絵画や神戸市文化賞を受賞した作家の寄贈品などが展示されているので、一緒にいかがでしょうか。
◆関連リンク
・神戸ファッション美術館 – 公式サイト
ゆう
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