
2024年に兵庫県内で発生した『特殊詐欺』で、認知件数は全国ワースト6位、被害額は全国ワースト7位だったことがわかりました。いずれも前年より増加しており、過去最多となっています。
兵庫県警の発表によると、県内で2024年に発生した特殊詐欺では、「架空料金請求詐欺」の認知件数・被害額は減少したものの、「オレオレ詐欺」と「還付金詐欺」が認知件数・被害額ともに増加しているそうです。
画像:兵庫県警発表より
2024年における特殊詐欺の認知件数は「1445件」(前年比+221件)。
被害額は「約31億9000万円」で、前年と比べ約10億円も増加しています。
県警への相談件数も2024年は「1万443件」と、前年より2810件も増加しているのだとか。
画像:兵庫県警発表より
手口別の認知件数を見ると、最多は456件の「還付金詐欺」(前年比+101件)で、425件の「架空料金請求詐欺」(同-86件)、244件の「オレオレ詐欺」(同+158件)と続いています。
ここ数年で比較してみても、オレオレ詐欺の件数が急増しているのがわかります。
画像:兵庫県警発表より
手口別の被害額でも「オレオレ詐欺」が16.7億円と前年より急増。
「還付金詐欺」も2020~2023年は3億円前後で推移していましたが、2024年は5.9億円と増加しています。
画像:兵庫県警発表より
被害額がどういう形でだましとられているかの集計では、ネット上で銀行のサービスが利用できる「インターネットバンキング」による被害が大幅に増加しているみたい。
キャッシュカードを使った手口が前年より減少している一方、被害者から現金を直接受け取る「現金手交型」が前年の倍以上になっています。
被害者の年代に変化、現役世代の割合が増加
画像:兵庫県警発表より
被害者の年代を集計したところ、「65歳以上」の高齢者の割合が2023年は78%でしたが、2024年は55%に減少。
代わりに現役世代の被害が増加しているようです。
「警察官」を装う手口、前年14%→50%と急増
画像:兵庫県警発表より
オレオレ詐欺の手口では、「息子」などの親族よりも「警察官」を装う傾向に。
兵庫県警によると、こうした手口が典型例だそうです。
警察官を騙り、被害者が犯罪に関与していることを電話で告げ、LINEに誘導した後、偽の警察手帳や逮捕状を示し、警察官であることを信用させ、「資金調査」や「保釈金」などの名目で、インターネットバンキングから送金させる
国際電話番号から連絡するケースが急増
画像:兵庫県警発表より
犯人からのアプローチ方法では、携帯電話への連絡が前年よりも増加。固定電話での連絡も前年から変わらず最多となっています。
国際電話でかかってくるケースが急増しているそうで、2024年に被害・相談で判明した8750件のうち、6割近い「5,174件」が国際電話番号からだったんだそう。
詐欺の手段として急増する「ネットバンキング」は、スマホで手軽に振り込みができるため、周囲が詐欺に気づきにくい側面も。県警は「振り込み上限額」を低く設定するなどの対策を呼びかけています。
神戸市は公式サイトで、特殊詐欺に被害に遭わないために「電話でお金の話が出たときは必ず誰かに相談する」「定期的に家族と連絡を取り合う」「自宅の電話機の機能を活用する」などの対策方法を紹介しています。
「自分は大丈夫」と思ってしまいがちですが、現役世代の被害が増加しているように、手口は日々巧妙化しています。できる対策を取り入れ、被害に遭わないように注意していきましょう。
◆関連リンク
・特殊詐欺対策 – 兵庫県
・特殊詐欺の被害に遭わないために – 神戸市
あさみ
「今年こそダイエット」が口癖です。
ライター一覧