近年若者の間で、市販薬等の医薬品を決められた量を守らずに短時間で大量に服用する「オーバードーズ」が深刻な社会問題となっています。
相談体制の構築・強化が必要であることから、「神戸市精神保健福祉センター」に新たに『オーバードーズの専用相談ダイヤル』が設置されました。
「オーバードーズ」は10代の若者を中心に広がっていて、2021年に行われた高校生を対象とした調査では「過去1年以内に市販薬を乱用した経験のある人」の割合が「約60人に1人」という結果が得られたそう。およそ「2クラスに1人はいる」という割合です。
出典:全国の精神科医療施設における薬物関連精神疾患の実態調査より(国立精神・神経医療研究センター)
2022年の調査によると、薬物乱用の治療を受けている10代の65%が「市販薬の乱用」が原因でした。
かつては、覚せい剤や大麻などの違法薬物やシンナー、脱法ハーブなどの危険ドラッグが中心で、2014年時点では市販薬はゼロでしたが、年々市販薬の割合は拡大しているみたい。
市販薬は、店舗やインターネットを介して気軽に手に入れることができ、SNS等を通してオーバードーズに関する情報を集めやすい特徴があります。また、オーバードーズに対する共感やつながりを求めるなど、SNSとオーバードーズの関係も指摘されているんだとか。
こうしたオーバードーズの背景には社会的孤立や生きづらさが関係していることが多く、心の苦痛を緩和させる目的で使用される場合が多いと言われています。そのため、オーバードーズの背景となる本人のこころの悩みや、相談先や接し方がわからず悩みを抱える家族に対する支援が必要とされているとのことです。
8月20日(火)に開設された相談ダイヤルでは、オーバードーズに関する本人や家族の悩みなどに対して、精神保健福祉センターの相談員(心理職・保健師・福祉職)が相談に応じます。
相談の内容に応じて、区役所などの関係機関や、精神保健福祉センターで実施している依存症専門医師相談や思春期専門医師相談、医療機関受診の案内が行われるみたい。
専用ダイヤル番号
078-371-1966
相談時間
月曜~金曜(祝日・年末年始を除く)
10:30分~12:00/13:00~16:30
対象
神戸市にお住いの方でオーバードーズに悩む本人・家族
開設日
2024年8月20日(火)
市販薬でも過剰に服用すれば、重い意識障害や肝臓・腎臓の障害、呼吸不全を引き起こし、最悪の場合は死の危険もあります。
相談ダイヤルから信頼できる機関につなげることもできるそうなので、オーバードーズに悩んでいる人や家族は問い合わせてみてはどうでしょうか。
◆関連リンク
・オーバードーズ(医薬品の過剰服薬) – 神戸市
やよい
「推し」のライブによく出没します。
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