神戸に住んでいる人&活動する人を紹介する「神戸ピーポー」。
今回は、ミセスユニバース日本代表に選出された神戸在住のプロフラダンサー「松田侑希」さんに注目し、今年10月に開催された「世界大会」の裏側を写真とともにご紹介します。
- 「ミセスユニバース」とは?
- 教職からフラダンサー?激動の10年間
- トップを目指さない人はトップにはなれない
- 寝る時以外はずっと審査!?世界大会の裏側へ潜入
- 大会を終えて、次なる挑戦へ
「ミセスユニバース」とは?
「ミセスユニバース」は、世界で約80か国が参加する大会で、女性の社会的地位の向上をテーマに掲げられています。
応募資格は、年齢・身長・婚姻歴に関係なく、戸籍上女性の方(生物学上男性でも可)であれば応募が可能。
多様性やSDGsが謳われる現代社会においてルッキズム批判が相次ぐ中、新たな「美のコンテスト」としての形を目指して始まりました。
一人ひとりの社会貢献への思いや行動力を重視した審査基準となっているのが最大の特徴で、ある意味「これまで歩んできた人生」が評価されるといっても過言ではない大会です。
教職からフラダンサー?激動の10年間
神戸の六甲で育った松田さんは、母校でもある小中高一貫の「小学校」に、教員として就職。
青年海外協力隊に参加し海外に行くことを目指していましたが、寝る暇も惜しんで仕事に忙殺される毎日に体調を崩し、結果的に2年ほどで辞めることに。退職後、松田さんはハワイへ行きます。
現地では「語学学校」に通いながら、以前から続けていた「フラダンス」を習うことに。とあるステージを見た時に、本当の意味でフラの魅力を知ったんだとか。
その時ステージに立っていたダンサーさんは、現在、松田さんのフラダンスの先生にあたるんだそうです。
ハワイ留学から帰国後、本格的に「プロのフラダンサー」を目指して歩み始めますが、お金をいただけるようになるまでは苦労も多く…。
アルバイトをしながら、バレエを習ったり、コンテストへの参加、ボランティアでイベント出演など経験を積み重ねていきます。
プロのフラダンサーと自信を持って名乗れるようになったのは、ここ数年のことなんだそう。
松田さんに「フラダンスの魅力」を聞いてみたところ、自分のこれまでの経験をのせて感情を表現する面白さ、そして、そのエネルギーが目の前で見てくれる人に伝わった時の感動だと教えてくれました。
今では、5つ星ホテル「ハレクラニ沖縄」で毎月2回フラダンスショーを披露しているんだそう。それでも神戸に住み続ける松田さんの神戸愛も感じることができました。
トップを目指さない人はトップにはなれない
直接お話した松田さんの印象は、表情豊かでとにかく気さく!話す内容からも経験の豊かさが垣間見えるにも関わらず、高飛車な印象はなく、フレンドリーなキャラクターに親近感を覚えました。
日本代表を決める選考は大きく分けて3つ、スピーチ内容・ドレス&ウォーキング審査・タレント審査。
大会までの間は仕事をしながら毎日練習に励み、スピーチの内容やドレスももちろん自分で準備をします。
全47人のファイナリストの中からついに日本代表に選ばれた松田さん。世界大会進出へのモチベーションを聞くと、意外な回答が。
寝る時以外はずっと審査!?世界大会の裏側へ潜入
10月にフィリピンで世界大会が開催。世界80カ国から総勢100名近い参加者が集まります。
審査は、なんと8日間にも渡り、睡眠時間を除くすべての時間が審査対象というから驚き!
実際に街に出て観光する際の様子などを通して「参加者同士の会話」「一般の方への対応」「メディアの突撃インタビューに対して意見が述べられているか」などの、行動審査が常に行わるんだそう。
さらに驚いたのは「すっぴんテスト」と「部屋チェック」。いずれも突然始まります。
大会中に「日本人らしさ」について感じる機会があったか尋ねてみると、松田さんが自分の意見をはっきり述べる様子に、多くの参加者&審査員から「あなた、日本人のイメージと違う」と言われたそう。
審査項目は他にも。「ナショナルコスチューム」という母国を表現するオリジナルのドレスを着ての審査では、太陽神としての天照大御神を表現したオーダーメイドの衣装を身にまとったそう。
てっきり着物など「THE・日本」的なものを着ているかと思いきや、独創的な発想力が個人的には松田さんらしくチャーミングだなと思いました。
結果は上位20位までしか順位発表がされないんだそうで、松田さんは残念ながらランク外に。
それでも今回の経験を通して、ケニアやリトアニア、スウェーデンなど他国の参加者と仲良くなって、ファッションや福祉などいろんな会話で盛り上がったみたいです。
現在もやり取りを続けている参加者もいるそうで、世界大会での出会いがまた彼女の新たな挑戦へと繋がっていきそうな予感。
大会を終えて、次なる挑戦へ
ハワイ留学や世界大会などを経験し、海外の人と話す機会を多く持った松田さんは、神戸のツーリズム(観光事業)において、もどかしさを感じているんだとか。
神戸育ちの松田さんだからこそ、自分の力でもっと魅力ある観光地にしたい!という想いがあるそうです。
「フラダンサー」の傍ら、通訳もこなす松田さん。堪能な言語とフラダンスの力で、神戸の観光業をさらに盛り上げる存在になってくれると嬉しいですね。
神戸ピーポー No.15「松田侑希」さん コメント
神戸との関係
幼少期から神戸の六甲で育ちました。仕事で沖縄や東京へ遠征することも増えましたが、拠点はこれからも神戸がいいなと思っています。
おすすめポイント
「イスズベーカリー」とか「ファミリア」みたいに、世代を超えて愛されているものが神戸にはたくさんあって、その共通点で色んな人と盛り上がれるのが好きです。
ひと言
神戸空港も国際化し海外の人が神戸に来てくれるチャンスが近づいています。せっかく自分が得た英語やフラのスキルを使って、観光客の人が神戸に来てくれた時に思い出になるようなパフォーマンスや取り組みをしていきたい!世界に誇れる神戸にしたい!
神戸を愛する者として、ミセスユニバース日本代表が、神戸のために立ち上がってくれているのは、なんとも頼もしく楽しみです。観光客ばかりではなく、住みやすさもアピールして、神戸市民が増えるといいですね。これからのご活躍を応援しています。