約90年の歴史に幕をおろす、垂水駅から山側すぐの『垂水廉売市場』の様子をみてきた。2022年3月に営業終了

来年で88年目となる『垂水廉売(れんばい)市場』が2022年3月で営業終了し、取り壊し工事が始まるみたいです。


神戸市垂水区神田町

メインの入口は「垂水センター街」の中にあり、入口のすぐ隣に今年新しくなった精肉店「ミカゲヤ」があります。

中に入るとお店のシャッターはほとんどおりています。お店で働く方々もどんどん高齢化し閉店が相次ぐ中で決まった「駅前再開発事業」。

建物自体の老朽化も目立ち、天井からは空が見えて、なんだかノスタルジックな雰囲気です。90年近くもの間、お店の方と共に歴史を刻んできたことを感じます。

 

 

中には店主が直々に書いた閉店のご挨拶を貼っているお店もありました。

どうしても便利なスーパーを利用する人は増えている現状はありつつも「この商品は馴染みの店で」と決めてお買物する人や、特にこの時期は「お正月に向けた特別な買い出し」は垂水廉売(れんばい)市場で、と考える人も多かったのではないでしょうか。

市場自体は来年3月までですが、キリよく年内いっぱいで閉店するお店も多いみたいです。「山下塩干乾物店」も12月30日で閉店。こちらのお店は70年にもわたって営業されていたようです。

塩昆布などを販売している「江戸屋」も、年内いっぱいで閉店。こちらはレバンテに別店舗があるので、統合する形になるようですが「移転」ではなく「閉店」になるお店が多い印象です。

卵やおはぎ、お餅などを販売する「ふみや」は来年3月まで営業を続けるようです。「移転」の予定などを伺ってみましたが、あいにくこの場所で「閉店」となるそう。

なじみの場所だからこそ、なんとか続けてきたお店もたくさんある中、新しい場所に移って再スタート…というのは、やっぱりかなり厳しいことを改めて感じます。

 

 

駅前再開発事業では、新たにランドマークとなる高層マンションが建設される予定になっており、対象区域には『垂水廉売市場』のほかに「垂水センター街」「垂水銀座通り」「垂水一番街」の各商店街の一部が含まれます。

JR垂水駅東口の北側「垂水銀座通り」にある手打ちうどんの「上州屋」や、少し南側にある「山庄宇治園」なども、来年3月頃に閉店するみたい。

垂水銀座通り北側「垂水センター街」の入口がこちら。東側からだと入って割とすぐ『垂水廉売(れんばい)市場』のメイン入口があります。

「垂水センター街」を歩いていると、すでに駅前に移転しているお店もあります。こちらも再開発を見越して、早めのお引越しということでしょうか。

「1番街」は「垂水センター街」1と2の境い目を南に入る路地です。「日新信用金庫」の看板が目印で、このあたりは「一部店舗」のようですが対象エリアになっているみたいです。

 

 

マンションが建設される「本地区」と右側の「レバンテ垂水」を見比べてみる限りでは、駅側のお店はそのまま営業を続けるのかもしれません。

垂水商店街マップと見比べてみると、赤く塗りつぶしたエリアが「本地区」にあたります。閉店・移転になるお店は個々に確認が必要になりそうですが、だいたいこの辺りが対象となっているようです。

広範囲にわたる再開発計画ですが、今回の取り組みは「リノベーション・神戸」の一環として進められています。

リノベーション・神戸とは
神戸のこれまでの歴史・資産を活かしながら、神戸のまちや人が新たな輝きでつつまれるようなリノベーションに着手し、まちの質・くらしの質を一層高めることで、都市ブランドの向上と人口誘引につなげるプロジェクト

神戸の西エリアで生活拠点に選ぶ人の多い「垂水駅周辺」では、より積極的に再開発・再整備が進められていまして、市場・商店街があった場所に「高層マンション」ができるとなると、街の雰囲気はかなり変化しそうです。

完成イメージのパースを見ると1階に「商業施設」も入る計画になっているようです。

すでに残り十数店舗となった『垂水廉売市場』。

なじみのお店や懐かしいお店がある人はもちろん、約90年の歴史を感じられるこの場所に一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

この記事を書いた人

このみ

花や夕焼け空を眺める時間が好きです。

ライター一覧

日本語が含まれないコメントは無視されます。コメントは承認後に表示されます。良識のあるコメントを心がけ、攻撃的な表現や他人が傷つく発言は承認されません。

9 件のコメントコメントを残す
  • 匿名さん

    あの味わいのある商店街はもう出来ないよ。と言うより、古い感じが好まれないのでしょう。高架下の居酒屋は汚いとか言われるしね、残念

    2022年2月8日3:26 PM 返信する
  • MNE

    三宮や元町だけでなく、今度は我が故郷、垂水までタワマンが建設されてしまうことに、今の神戸はどれだけ景観を壊し、街を台無しにするのかね?
    はっきりいって、醜いし、見苦しくなる。
    これ以上、神戸市内にタワマンなどいらないね。
    これでは隣の明石に住む人達が増えてしまうのも納得出来る。
    今の神戸は芦屋や京都市のような、街の景観や自然環境を本気で守るような、タワマンなど建設しない都市開発を計画しない、中止するようなことなど出来そうもないし、期待出来ない。
    これでは神戸が政令指定都市の順位が下がるのも当然だ。

    2022年1月27日12:48 AM 返信する
    • 匿名さん

      言われてるほど景観壊れていますか??
      若い人たちは変わりゆく神戸をワクワクして見ています。
      古くからお住まいの方々には古き良き建物が無くなっていく事の寂しさはあるんでしょうが、あそこまで老朽化が進んでしまった以上、新たにタワーマンションを建てる方がよほど神戸のためにもなり、景観も良くなるように感じます。

      2022年7月11日9:37 PM 返信する
  • 港町神戸の松さん

    残念です❗時代のながれかな❓️幼少時代、よく買い物に連れ添い身内近所で行った事覚えています。

    2022年1月1日12:07 PM 返信する
  • 匿名さん

    40年前、垂水区に引っ越してきたばかりの当時、年末年始の買い出しは廉売市場かダイエーかジャスコで、市場内はとても活気があり客で溢れかえっていた。駅前開発が本格化してレバンテが立ち、イオンやコープ、業スーなど大きな店が軒を連ね始めた頃からシャッターを閉じる店が段々と増えていった。
    10代の頃から家族で通った上州屋が閉店するのは寂しい限りだ。
    だしの美味さは天下一品。閉店までに大好きだった玉子とじうどんを食べに行きたい。

    2021年12月31日1:26 AM 返信する
  • とんちゃん

    昔…亡くなった祖母の家が、旭が丘にありました…祖母の家に行って、お買いものと言えば、「廉売市場」…祖母と一緒に、お買いものに連れて行ってもらいました。当時は、商店街・廉売市場ともに、スゴい「人だかり」…迷子にならないように、必死で祖母の手を繋いで歩いたのを、思い出します…実家近くの市場は、とっくになくなったので、廉売市場もなくなるのは、スゴく寂しいです…

    2021年12月30日9:12 AM 返信する
  • 何も言えないすえっこ

    私の実家もこの近くにあり最初の都市計画で高齢の母は、高層マンションに引っ越し高齢がゆえ外に出るのが億劫になり認知症になってしまいました!
    歳を重ねると環境変化に順応するのは中々難しいようです!
    結局都市計画で懐暖かく好き放題できた5人兄弟の次男だけで
    無一文で高層マンションに独り追いやられた母は何時もベランダから訪ねて帰る私を寂しそうにみ送る姿が忘れられません
    その母は今亡くなり、今はちゃっかりやはり次男が住んでおります!
    都市計画によりそれぞれの家庭に色々問題、ドラマがあります。

    2021年12月30日2:36 AM 返信する
  • 匿名さん

    寂しい。しかし完成が待たれる。垂水で70年の老人。

    2021年12月29日11:01 PM 返信する
  • ヤンチまさる

    歴史のある市場ですよね…気にはなっていたんですが、レジェンドを感じに一度訪れたいと思います!

    2021年12月29日10:57 PM 返信する