
「せんたくかあちゃん」「ばばばあちゃん」シリーズなどを手がけた、絵本作家さとうわきこさんを特集した特別展が開催されます。
星をみつめておもいだす さとうわきこ展
2025年6月28日(土)~8月31日(日)
神戸ファッション美術館
神戸市東灘区向洋町中2-9-1
さとうわきこさん
画像:神戸ファッション美術館公式サイトより/撮影:浅田政志さん
東京生まれ。デザインの仕事に従事したのち、フリーになり、子どもの本の挿絵を描くようになる。「母の友」に掲載したおはなしをもとに「ばばばあちゃんのおはなし」シリーズ(福音館書店)が生まれる。1990年に小さな絵本美術館、1997年に八ヶ岳小さな絵本美術館を開館。その作品は、世代や国境を越えて広く親しまれ、アジア諸国でも翻訳・出版されている。
さとうわきこさんは、まだ女性作家が少なかった時代から第一線を走り続けた絵本作家です。
2024年3月に89歳で急逝。およそ60年にわたる活動のなかで、100冊以上もの絵本を出版しました。
病気がちだったため、友達と遊べずにひとりぼっちで過ごした幼少期。若くして父を亡くし、女手一つで家計を支える母の姿を見て、自立した女性として生きる覚悟をしたのだそうです。
そして何度かの苦難を乗り越えて絵本作家の夢をつかみました。
絵本『おつかい』福音館書店(1974年)より 絵本原画 小さな絵本美術館蔵
さとうさんが歩んだ人生のなかで、生きることの苦しみと喜び、人のやさしさと強さ、自然の美しさを知り、物語を紡いできたんだそう。
絵本『せんたくかあちゃん』福音館書店(1978年)より 絵本原画 小さな絵本美術館蔵
何でも洗ってしまうパワフルな「せんたくかあちゃん」や、前向きで豪快な「ばばばあちゃん」など、明るく楽しい絵本の数々は、子どもたちをはじめ多くの人が励まされてきました。
絵本『いそがしいよる』福音館書店(1981年)より 絵本原画 小さな絵本美術館蔵/絵本『すいかのたね』福音館書店(1982年)より 絵本原画 小さな絵本美術館蔵
今回の特別展では、「せんたくかあちゃん」シリーズ全3作や「ばばばあちゃん」シリーズ全22作など、初期から晩年までに手がけた絵本の原画約210点などを展示します。
絵本『みちくさ』偕成社(2024年)より 絵本原画 小さな絵本美術館蔵/亡くなる前日まで描いていた絵 小さな絵本美術館蔵
ほかにも、絵本の仕事をする前から取り組んだ「童話」の原稿や挿絵、最後の絵本となった「みちくさ」の原画とともに、さとうさんが歩んだ道を振り返るような内容になっているそうです。
会期
2025年6月28日(土)~8月31日(日)
開館時間
10:00~18:00(最終入館17:30)
休館日
月曜日/7月22日(火)/8月12日(火)
※7月21日(月・祝)、8月11日(月・祝)は開館
観覧料
一般 1,000円
大学生・神戸市外在住の65歳以上 500円
高校生・神戸市内在住の65歳以上 無料
関連イベントとして、「絵本の読み聞かせ会」や、ばばばあちゃんのカルタに色を塗ってオリジナルカルタを作る「ワークショップ」なども開催されます。無料で参加できますが別途観覧券が必要。定員制で要事前申し込み、応募多数の場合は抽選となります。詳しくは神戸ファッション美術館公式サイトをご確認ください。
絵本の読み聞かせ会は、兵庫県内の美術館・博物館など114施設を対象に行う「ひょうごプレミアム芸術デー」の一環でもあるそうです。
◆関連リンク
・神戸ファッション美術館 – 公式サイト
あさみ
「今年こそダイエット」が口癖です。
ライター一覧