神戸の中心市街地・三宮からバスで約20分の、兵庫区北部にある平野(ひらの)。
かつて平安時代には、平清盛が福原遷都として一時都を移したこともあるほど、歴史があり、自然環境も良い地域です。
エリア内にはレトロな風情がたまらない商店街や、源泉かけ流しの天然温泉、平家ゆかりの史跡など、みどころも点在。
そんな平野エリアの観光の拠点となる、新たなスポット「NATURE STUDIO」(ネイチャースタジオ)が、2022年7月1日(金)にグランドオープンしました!
特徴的な木枠のフレームが目印。
NATURE STUDIO
住所 神戸市兵庫区雪御所町2-18
営業時間 店舗による
定休日 不定休
駐車場 有(63台)※要駐車場代
アクセス ▽徒歩:
神戸市営地下鉄「大倉山駅」より徒歩18分/神戸電鉄「湊川駅」より徒歩17分
▽バス:
三宮駅前より市バス7系統 約20分「石井橋」バス停から徒歩1分/神戸駅前より市バス9系統 約8分「石井橋」バス停から徒歩1分
URL https://naturestudio.jp/
NATURE STUDIO は、”自然と暮らしをつくる”がコンセプトのコミュニティ型複合施設。
水族館をはじめ、都市の中で自然と暮らし楽しむ方法を提案するショップや、地域のコミュニティに根差した保育・就労支援施設などが入居しています。
建物は、2015年に廃校となった湊山小学校の校舎をリノベーション。
校庭は緑が豊富なガーデンとなり、校舎は木のぬくもりを活かした外観となるなど、元小学校とは思えないお洒落な雰囲気になりました。
一方で、理科室や体育館など、かつての面影が随所に残されており、どこか懐かしい気分になってしまう空間です。
木々と芝生で覆われた元校庭。
施設内には、小さな水族館や、緑あふれるガーデン、グリーンショップ、ビール醸造所、フードホールなど、子供から大人まで1日満喫できそうなコンテンツが揃っています。
そんなNATURE STUDIOの見どころをご紹介します。
かつての理科室や図書室だった場所は、水族館となりました。
“生きものと語ろう”というコンセプトのとおり、生きものと同じ目線で、近い距離での展示が特徴で、淡水魚や海水魚、爬虫類、鳥類、哺乳類など約150種類の生きものに出会うことができます。
低い視線での展示が特徴。
1フロアの小さな水族館ですが、館内には順路が無く、水槽の前にはクッションやイスが用意されていたり、靴を脱いで寝ころべるスペースもあるなど、ゆっくりと過ごせる工夫がされているので、好きな場所で、思い思いに楽しむことができます。
靴を脱いであがるスペースにはハンモックも。
小学校のイスに座って目の前の水槽を眺めてみれば、子どものころのような好奇心も芽生えてきそうです。
水槽の前のイスに座れば、生物の授業を思い出しそう。
可愛い雑貨がそろうショップも併設しています。
みなとやま水族館
営業時間 10:00~18:00(最終入館17:00)
定休日 不定休
料金 ▽ 一般料金(税込) ※3歳未満無料
大人 1,200円/小人(小・中学生)600円/幼児 300円
▽ 年間パスポート
大人 3,000円/小人(小・中学生)1,500円/幼児 800円
URL https://minatoyama.jp/
水族館前にある校庭は緑が豊富なガーデン「PICNIC GARDEN」となりました。
芝生と椅子が絵になる空間。
植えられている植物は、食べたり、薬用にすることができる有用植物が中心となった、エディブルガーデン。取れたハーブなどは、施設内のショップやキッチンで活用されるそうです。
気候の良い時期には、青々とした芝生にマットを広げてピクニックすると気持ちがよさそう。ガーデン横にはフード&ドリンクが買える「GARDEN KITCHEN」があるので、手ぶらでもピクニックが楽しめます。
GARDEN KITCHEN
営業時間 10:00~18:00
ガーデン内に爽やかな水辺を演出する「FISH POND」は、ニジマス釣りが楽しめる釣り堀。
釣ったニジマスは、上記のGARDEN KITCHENで調理してもらうことができ、その場で味わえます。
街中で釣り体験ができるのは新鮮。
FISH POND
営業時間 10:00~15:30 ※荒天時中止
料金 1,500円/組(2匹、調理代込み)
「HERB SHOP」では、観葉植物やハーブ、野菜や果樹の苗木などのほか、園芸ツールやハーブを用いたアロマオイルなどの雑貨を販売しています。
また販売のほかにも、エディブルプランツ寄せ植えワークショップなどのイベントも定期的に開催。植物と暮らす生活のアイデアを様々な方法で提案しています。
知識が豊富な定員さんにオススメのハーブを選んでもらって、自宅でハーブガーデンを初めてみる。そんなきっかけとなるかもしれません。
HERB SHOP
営業時間 10:00~19:00
定休日 不定休
HERB SHOPのレジ裏は一面ガラス張りとなっており、その向こうに銀色に輝く大きなタンクが見えます。クラフトビールのブリュワリー「open air」の醸造所です。
なんとこの場所は、もともと給食室だったとのこと!小学校の給食室で、大人の飲み物を造っているという、なんとも面白いストーリーです。
醸造の責任者であるヘッドブルワーに、クラフトビールのメッカである米・ポートランドから実績豊富なベン・エムリックさんを迎え、神戸の地下水や施設内で採れるハーブを活かして、季節の移り変わりを感じることができるクラフトビールを醸造しています。
open air というの名前の通り、オープンエアの空間で楽しむのにぴったりのビールを醸造しており、ブルワーおすすめのIPAをはじめ、爽やかな風味が特徴で、夏の暑さも吹き飛ばしてくれそうです。
爽やかで可愛いパッケージデザインもブルワー自身が手掛ける。
ガラス張りのオープンな空間なので、醸造所のスタッフの方がいれば声をかけてみて、ビールのことや、こだわりについて聞いてみるのも◎。醸造者の声を聞けば、味わうビールの風味もさらに引き立つことでしょう。
ここのビールは、施設内のFOOD HALLやGarden Kitchenはもちろん、神戸元町にある「open air神戸元町店」で味わうことができます。
施設内には食事ができるフードホールがあり、カレーやビール、スイーツが楽しめます。
体育館をリノベした天井が高い広々としたホール。
カレーは、神戸発祥のカレーブランド「マンドリル」が出店。
代表の深澤さんは、湊山小学校の卒業生で、今回思い入れのある小学校がNATURE STUDIOに生まれ変わるということで、出店を決められたそうです。
学校給食でも定番の人気メニューであるカレーですが、ここでは昔学校の給食で食べた記憶を思い起こされる甘みと、大人なスパイスの刺激を感じる、オリジナルカレーが味わえます。
学校給食のようなトレーも空間にマッチして◎。
フードホールには上記でご紹介した「open air」の、できたてのクラフトビールを楽しめるビアカウンターも。
ずらりと並ぶタップに、季節に合わせてビールが用意されており、NATURE STUDIO限定のビールもあるなど、目移りしそうなラインアップです。
お土産で買って帰ると喜ばれそうな、可愛いラベルの缶ビールも購入可能です。
醸造所の横で飲む出来立てビールは最高です。
青森りんごを用いたスイーツが楽しめる「あら、りんご。神戸ファクトリーショップ」は、水族館の前後でのカフェ使いにピッタリ。青森りんごを、スイーツやジャム、ジュースなど様々な方法で楽しめます。
「あら、りんご。」は、その味はもちろん、写真映えするビジュアルのスイーツが揃うということもあり、神戸三宮の店舗は休日には行列ができるほどの人気スイーツ店です。
思わず写真を撮ってしまう可愛い見た目。
どれも、NATURE STUDIOを訪れたらぜひ味わいたいものばかりです。
FOOD HALL
営業時間 11:00~19:00
定休日 不定休
水族館もあって、ピクニックも、食事も、スイーツも、ビールも楽しめるNATURE STUDIO。
それだけで家族や友人と一緒におしゃべりしながら、1日中過ごせそうな場所ですが、せっかく平野にきたなら、ぜひここを拠点に周辺のスポットを巡ってみて下さい。
NATURE STUDIOから東に歩いてすぐには、「平野商店街」があります。昔懐かしいアーケードが続く商店街で、レトロな風情がたまらない喫茶店や定食屋、居酒屋が点在しています。
ぶらり街歩きしてみると、思いがけない発見や出会いがあるはずです。
商店街の香りもどこか懐かしい。
商店街の中心部の交差点に佇む平清盛像は、平家ゆかりの歴史の街・平野を象徴するフォトスポット。
NATURE STUDIOの敷地内には、清盛の邸宅「雪見御所」があったことを伝える石碑があるほか、清盛も好んで入浴したと伝わる「湊山温泉」も近くにあるなど、歴史を感じながらの街歩きもおすすめです。
今も地名に残る「祇園」や「御所」「三条」という言葉に、古都の名残を感じます。
交差点に佇む平清盛像。
そんな清盛も湯治したといわれる「湊山温泉」は、800年以上もこの地で湧き続ける天然温泉。
茶褐色の源泉は、ほんのり鉄の香りがして、しゅわしゅわの炭酸ガスが身体にまとわりつく、見るからに効きそうな名湯です。地元はもちろん、市外からも足を運ぶファンが多いのだとか。
100%源泉かけ流しの浴槽で、平野散策後の汗を流せば、身も心も生き返りそうです。
温泉好きには一度体験してほしい名湯。超高温の浴槽と水風呂の温冷浴も刺激的。
いかがでしたか?
兵庫区北部、平野の新名所になりそうな「NATURE STUDIO」。
緑あふれる開放的でセンスの良い空間は、親子でも、友達同士でも、大切な人と訪れ、ゆっくり一緒に時間を過ごすのにピッタリです。
温泉や商店街など、周辺エリアの散策とあわせて、ぜひ足を運んでみてください。
【文・写真】 神戸観光局 観光部 山崎 敬永
神戸公式観光サイト Feel KOBE
神戸の観光スポットやイベント情報、コラム記事など「神戸旅がもっと楽しくなるコンテンツ」を発信しています。
ゲストオーサー
ライター一覧