クラウド会計システムは本当に便利で安全なのか。「クラウド会計活用術」セミナーに行ってきた。MFクラウドなのか?freeeなのか?

神戸市の中小企業支援などを行う外郭団体「神戸市産業振興財団」が運営している「神戸起業操練所」。

今回は、『クラウド会計活用術』について学べるセミナーに参加してきました。セミナーは無料です。任意で交流会(1,000円)はありますが、特に勧誘などはありません(笑)

経理が楽になる、クラウド会計のメリットを学ぶ「創業者のためのクラウド会計活用術」12/5 神戸ハーバーランド

2018年11月20日


神戸市中央区東川崎町1-8-4

今回のテーマは『創業者のためのクラウド会計活用術』。最近創業しましたって事でもなくて、経営者や会計担当者に向けて、広くクラウド会計システムが学べるセミナーです。

最近よく聞く「クラウド会計」。マネーフォワード クラウド(MFクラウド)があったり、freee(フリー)があったり、老舗の弥生会計がクラウド版を出したりってしてますよね?あれですあれ。

講師は、株式会社マネーフォワードの福岡さんと、クラウド会計にも対応されている税理士の宗宮(そうみや)さんです。

福岡 慎也さん 株式会社マネーフォワード MFクラウド事業推進本部
山口県宇部市出身、千葉大学法経学部卒業。不動産会社向けクラウドサービスの会社に新卒入社。 家計簿アプリのユーザーであった縁で、株式会社マネーフォワードの大阪支社立ち上げメンバーとして2016年3月に入社、関西、四国エリアの士業、一般企業様向けにMFクラウドの導入をサポート中。趣味はスポーツ(元高校球児,現在はマラソンなど)と便利なアプリ探し。

宗宮 朋之さん そうみや税理士事務所 税理士
大手税理士法人で12年間勤務をした後、独立開業。枠にとらわれない若手税理士として、多業種のクライアントから支持を得ている。得意な分野は、新規事業の立上げや事業計画書の作成支援。各金融機関とも太いパイプをもつ。会計税務のプロとして、AIに仕事を奪われるのでなく、AIを利用することで、新たな付加価値のあるサービスを提供している。

1人目の講師はマネーフォワード社の方なので、当然マネーフォワードをベースにしていますが、内容はクラウド会計の一般的な内容となっています。

クラウド会計システムのメリットやデメリットなどを、普通の会計ソフトなどと比較しながら教えてくれるセミナーとなりました。

前半は、株式会社マネーフォワードの福岡さんです。

マネーフォワードの実際の画面をプロジェクターに映しながら説明していきます。

クラウド会計の大きなメリットは、銀行口座やカードを登録すると明細を自動で取り込むことができるところです。取り込んだ情報は、最終的に確認をして必要であれば修正して登録するだけ。

「マネーフォワード クラウド経費」という機能を使うと、スマホでレシートや領収書を撮影すると自動で明細を取り込んだり、クラウド上からオペレータ入力を依頼(20円/枚)したりもできたりもします。

AIなども活用することになるので、これまでどんだけ時間かかってたんだよって作業がチャチャっとできちゃうわけです。

パソコンやスマホからアクセスできて、インターネットの向こう側にデータを保存する「クラウド」。クラウドと聞いて一番心配なのは、セキュリティと堅牢性です。

まず、セキュリティについては、銀行との連携などもしているので相応の対応をしているとのこと。対応している金融機関・クレジットカード・電子マネーなどのサービスは、全3,643口座・サービスもありますので、銀行も認めているレベルということになります。

よくよく考えたら、ネットバンキングをやっている銀行はすべてネットからアクセスができるワケなので、「クラウド=怖い」という前提で議論することにあまり意味がない時代になってきました。

もう一つ、堅牢性。つまり「データぶっ飛んだりしないよね?頑丈?」ってことなんですが、これも、いくつかのデータセンターを使いながら二重三重にデータを保持していますので、自宅のパソコンにデータを保存するよりよっぽど安全という話です。

何においても理論的に「100%」という事はありえない訳で。

ただ、先ほども例にあげた銀行。銀行もクラウド上にデータを保管したりしていますが、「自分の預金データってぶっ飛んだりしますか?」って銀行の人に聞いたりするのと同じイメージではないかと思います。

後半は、税理士の宗宮さんからの説明。普段、事業者とのやり取りをするのが税理士となりますが、税理士から見た「クラウド会計システム」のメリット・デメリットの説明がありました。

宗宮さんの事務所では、クライアントさんに積極的にクラウド会計システムを勧めているそうです。特にリアルタイムでクライアントのデータを確認できて、適切なサポートを行う事ができるので非常に便利だそうです。

最後は質疑応答。クラウド会計の良さは分かった。で、マネーフォワード クラウド(MFクラウド)にしようか、freee(フリー)にしようかと悩むわけです。

マネーフォワードの福岡さんによると、「マネーフォワードの思想は、経営には会計知識は必要で会計の勉強もしながら使ってもらうシステム」「freee(フリー)は、会計知識がなくても無理なく始められるシステム」という感じだそうです。

最終的にどちらを選ぶかは、税理士の人がいれば相談しても良いかもしれません。

実際に、マネーフォワードとfreee(フリー)のソフトを使ってみて確認しましたが、現状で複式簿記などの会計知識があってこれからクラウド会計ソフトを導入するって人には、マネーフォワード。会計とかさっぱり分からんって人は、freee(フリー)って感じかな。

ちょっと専門的な話で言うと、マネーフォワードは借方貸方が表示されますが、freee(フリー)の場合は、簡単にするために貸方(現金なのか立替なのかの区別が難しい)が表示されなかったりします。

ここは完全に個人的な意見ですが、会計知識のある人や税理士さんは、「マネーフォワード」を選ぶ傾向にあるように思います。どちらを使うにしても、無料で試すことができますので、気になる人は、一度試してみると良いと思います!

最後に、クラウド会計システム業界について触れておきますが、「マネーフォワード」か「freee(フリー)」が二大サービスとなっています。会計ソフトとして有名な「弥生会計」はクラウド会計サービスとしては後発で、出遅れているという状況です。

クラウド会計ソフトなら「マネーフォワード クラウドシリーズ」|マネーフォワード
会計ソフト freee (フリー) | 無料から使えるクラウド会計ソフト
会計ソフト「弥生会計」|かんたん、あんしん、たよれる。会計ソフトなら弥生株式会社

次回は「事業アイデア」を考えるワークショップです。

事業アイデア創出ワークショップ ~デザイン思考とビジネスモデル・リノベーションでビジネスチャンスを見つけ出す!~

「特定創業支援等事業」対象プログラム

新しい事業や画期的な商品のアイデアを出すための手法を学び、実践する週末2日間の特別講座です。どちらか1日の参加も可能です。

起業、新規事業に向けて創造力を鍛えるための手法を幾つか取り上げてワークショップ形式で身につけていきます。

定員
各日24名(先着順)

場所
神戸市産業振興センター

参加費
無料(2日目の懇親会に参加される場合は参加費:1,000円)

スケジュール&内容
※2日両日受講、どちらか1日だけの受講、どちらも可能です。
DAY1:課題起点のアイデア発想講座 〜デザイン思考で事業アイデアを発想する〜
2019年1月26日(土)10:00〜18:00(受付開始 9:45〜)
事業のアイデアが思いつかない最大の原因は新しい商品を考えようとしてしまうことにあります。そんな時には、いきなり商品を考えるのではなく、先に身の回りやお客様における未解決の課題を⾒つけて、その解決策となる商品を考えると意外に誰でも画期的な商品を企画することができます。本講座ではデザイン思考を学びながら課題起点のアイデア発想力を身につけます。

10:00~11:00 デザイン思考の講義
11:00~12:00 デザイン思考による課題起点のアイデア発想ワーク(前半)
13:00~16:45 デザイン思考による課題起点のアイデア発想ワーク(後半)
16:45~17:30 アイデア発表
17:30~18:00 振り返りと質疑応答
DAY2:変革によるアイデア発想講座 〜ビジネスモデル・リノベーションで事業アイデアを発想する〜
2019年1月27日(日)9:00〜14:00(受付開始 8:45〜)
既存企業の成功事業をお⼿本にして、新しい事業アイデアを発想する方法(ビジネスモデル・リノベーション)を実践的に学びます。対象顧客の絞込みなど既存事業のビジネスモデルの⼀部分を⼤きく変えることで、独⾃性のある新たな事業を生み出す練習をします。

9:00~10:30 ビジネスモデルキャンバスの講義
10:30~12:00 既存のビジネスモデルをリノベーションする演習
12:00~12:45 作成した新たなビジネスモデルの発表
12:45~13:00 総括
13:00~14:00 懇親会 @神戸起業操練所(参加費1,000円 軽食&ドリンク)

こんな人におすすめ!
・起業したいが、事業アイデアがなかなか浮かばない方
・ぼんやりとした事業アイデアはあるものの、なかなか実行に移せない方
・学生のうちに事業をやってみたいがアイデアが無く困っている方
・勤務先で新規事業を創れ!と言われてアイデアに悩む方
・既存のビジネスモデルをブラッシュアップしたい方


堤 孝志 ラーニング・アントレプレナーズ・ラボ株式会社 代表取締役


Learning Entrepreneur’s Lab 公式サイト

事業化プロセスを活用してスタートアップの投資育成を行うシードアクセラレーターを運営。総合商社、シリコンバレー及び国内のVCでの通算20年以上にわたる新規事業の立ち上げとベンチャー投資の経験と、「顧客開発モデル」等の事業化手法の知見とをブレンドした経営支援が強み。東京理科大学工学部卒、McGill大学MBA、早稲田大学客員教授。訳書に「アントレプレナーの教科書」等。

イベント参加にあたってのお願い
・当日、受付の際名刺を頂戴いたしますので、ご準備の程よろしくお願いいたします。
・ご記入いただきましたお客様の個人情報は、本イベントに関する確認・連絡・アンケート、及びに弊社運営の施設やセミナーなどのご案内等をお送りする場合に利用させていただきます。
・ご都合がつかなくなった場合は、お早めに神戸起業操練所までキャンセルのご連絡をいただけますようお願い申し上げます。
・イベント中にお写真を撮らせていただき、HP, SNS等で使用する可能性がございます。写真に写りこむことに差支えのある方は受付時にお申し付けください。
・参加者全員が有意義な時間を過ごせますよう、ご協力をお願いいたします。他の方のご迷惑になるような行動はご遠慮ください。

申込方法
神戸起業操練所のイベント参加が 初めての人2回目以降の人
※メンバー登録に費用はかかりません。利用が初めての人はメンバー登録をしてから相談申込みという流れになります。


◆関連リンク
神戸起業操練所 – 公式サイト

 

この記事を書いた人

カズマ

神戸ジャーナル 編集長

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