神戸で異世界体験を！「無料」で気軽に入れる日本最古の『モスク』に行ってきた。ディープなグルメも満喫

『モスク』って、名前は聞いたことあるけど、実際に見たことがないという人も多いんじゃないでしょうか。

実は神戸には、イスラム世界が身近に感じられる神戸ムスリムモスクという寺院があるんです！

1935（昭和10）年に建設された『神戸ムスリムモスク』は、神戸大空襲や阪神・淡路大震災などを乗り越えた、建設当時の姿を残している『日本最古のモスク』なんですって。

今回は、神戸にいながらまるでイスラム世界にいるような体験ができるということで、読者リポーターのヨーコリンと、北野エリアにあるモスク周辺を巡っていきます！

神戸ムスリムモスク で礼拝体験

まず、モスク・東側玄関から1階にある受付で挨拶をして、靴を脱いで入ります。受付の近くには、第二次世界大戦や阪神・淡路大震災のときの『神戸ムスリムモスク』の写真があって歴史を感じます。

見学は無料。イスラム教徒でなくても入れて、個人や少人数での見学の場合は予約不要です。礼拝する部屋は、1階が男性、2階が女性と分かれていますが、礼拝時間以外であれば、女性も1階を見学できます。

※金曜日は集団礼拝があるため、見学できません
※ 肌の露出（半ズボン、ミニスカート等）が多い服装では、入館ができません
※男性は、2階の女性用の礼拝のお部屋へは入れません
※北側・正面入口は、女性の礼拝者用になっています

「まずは礼拝を体験してみよう！」と、2階へ。寺院の内部は黄色のステンドグラスから差し込む、優しい光に覆われています。

白のベールを借りて、実際に礼拝を体験。

1階で礼拝が始まると、館内にお祈りの声が響いて、厳かな雰囲気に。見よう見まねで、起立してお辞儀をしたり、頭を垂れたりを繰り返し、礼拝してみます。

※写真は礼拝終了後に撮影しています

1階に移動し、男性が礼拝するお部屋へ。

高い天井、大きな黄色のステンドグラス、豪華なシャンデリアが印象的。見慣れない空間に囲まれて、まさに異世界にいる気分になりますよ。

右にある階段は「ミンバル」と呼ばれる説教壇で、その上には、礼拝の時刻が表示されるデジタル時計が。

大理石を金色でアラベスク（アラビア模様）に装飾したアーチ型の「ミフラーブ」は、「聖地・メッカの方向を示している」そうです。

3階に行ってみると、1階とはまた違った雰囲気。濃い赤色の絨毯や窓の形から、異国な雰囲気が感じられますね。

写真・右側にある格子で囲われた場所には、1階の天井とつながる窓があって、お説教が聞こえるようになっています。

格子に囲われた窓から1階を覗くとこんな感じ。

説教をする階段「ミンバル」と、金色でアーチ型に装飾された「ミフラーブ」の真上なので、マイクがなくてもお説教がよく聞こえそうです。

最後は、屋上を見学させてもらうことに。こちらは、「ミナレット」と呼ばれる尖塔（せんとう）で、昔はここから礼拝の時間を呼びかけていたんだそう。

手すりの部分が亀甲紋様のオリエンタルな装飾になっていて、異国情緒を感じます。

写真・左側、タマネギの形のドームのてっぺんには「三日月」が。

イスラム諸国ではイスラム暦（ヒジュラ暦）が採用されていて、「三日月はイスラム教の象徴」なのだとか。モスクの最上部に飾られたり、イスラム諸国の国旗に使われたりする、重要なシンボルとなっています。

昔は周囲にマンションなど高い建物がなく、モスクはとても目立ち、地域のランドマークになっていたのではと想像します。

かつての空襲や震災の際は、国を越えた「避難所」として開かれたそうですよ。

長い時間、人々の暮らしと共にある歴史ある建物から見える景色に、しばし思いを馳せてみます。

ハラールレストランでパキスタン料理を食べる

次はモスクから徒歩1分、「食」でもイスラム世界体験をしようとパキスタン料理店・ナーン インへ。こちらは、「ハラールレストラン」で、イスラム教徒が安心して食べられるものを提供しているお店です。

「ハラール」とは、イスラム教で「許されたもの」を指し、食べ物の場合、食べることが禁じられている豚肉だけでなく、イスラム法の手順に沿った処理をしていない食材も食べないんだそう。

縦長の店内にはテーブルが並び、ゆったり30席ほど座れます。窓際に半個室のような、丸テーブル席が1つあり、そこで外の景色を見ながら過ごすことに。

メニューは、スパイスとお肉の炊き込みご飯「ビリヤニ」や「カレー」が人気だそうで、お肉の種類はチキンとマトン（羊肉）の2種類。

「ビリヤニ」は、お祝いのときによく食べられる料理で、高級米「バスマティ」が使われています。パエリア・松茸ご飯と並び、「世界3大炊き込みご飯の1つ」なんだそうです。

今日は「チキンビリヤニ／サラダ・コーラorチャイ付（1,800円）」を注文。飲み物はチャイを選び、いただきます！

骨ごとチキンは柔らかく、ホロホロした食感。お米は細長くしっかりめで、粘りのある日本の白米とは違い、パラリとした感じで現地感があります。

味付けはなかなかスパイシーで汗をかくほどですが、香りも本格的ですごく美味しい！

レジ横の壁に、外国語のメッセージがたくさん飾られていてます。モスクも異人館も近いですし、日本のイスラム教徒だけでなく、旅行者も立ち寄るのかも。

金曜日のランチメニューには「ブッフェ」があるみたいなので、賑わいそうですね。

輸入食品店で外国気分を満喫

モスクから徒歩5分圏内には、いくつか輸入食品店があり、神戸ハラールフード（KOBE HALAL FOOD）に立ち寄ることに。こちらはイスラム教徒向けの、ハラール食材を取り扱うお店です。

冷凍牛肉が部位ごとにぎっしりと。ハラール食材の専門店なら、1つ1つ表示をチェックすることなく、安心して買えますね。

店内はカラフルで、まるで外国のスーパーにいるよう。スパイス・調味料・野菜・ドリンク・乾麺・お菓子など、ところ狭しと並べてあります。

日本の調味料の味噌や醤油にも「ハラールマーク」が表示してあり、興味がそそられます。

イスラム教には「体に悪いものは口にしてはいけない」という考え方があり、原料や加工などの管理がきちんと行われた食品のみが、ハラール認証を受けられるんだそう。

価格だけを見ると、日本のスーパーと比較すると割高に感じますが、体にとって安心・安全な品物ということで、納得です。

続いては、神戸ハラールフードから南へすぐ、コウベグロサーズ（KOBE GROCERS）へ。

こちらはハラール食材以外にも、多くの輸入食品を取り扱っている比較的大きなお店です。創業51年の老舗で、観光客や近隣住民、周辺の飲食店オーナーが利用しているそう。2022年の火災による休業から、現在はすっかり復活しています。

アジアだけでなく、アメリカやヨーロッパからのお菓子やジャムも販売されています。よく見かける人気商品もたくさん揃っていて、豊富な品揃えに時間が経つのを忘れそう。

スパイスもたくさんあるので、家で本格的なカレーを作って楽しめそうですね。

店内の商品は、賞味期限などが近くなりお得になっていることも。他にもセール情報などが公式Instagramで公開されているそうなので、ぜひチェックしてみてくださいね。

スパイスのお買い物をして、大満足したところで帰路に着きます。

各線・三宮駅から徒歩10分くらいという近さにも関わらず、イスラム文化を感じられる場所がたくさんあり、まるで小旅行をした気分になりますよ。

そんな異文化を身近に感じられるモスク周辺へ、ぜひお出かけしてみませんか？

【撮影協力】ヨーコリン／Instagram（@yokorint75）
趣味は、料理・食べること・ゴルフ・楽器の演奏です。生まれてからずっと神戸っ子で、街の活性化に貢献できればと様々な活動に参加中。来年度には起業し、神戸発の面白い&楽しいことを生み出していこうと思ってます！見かけたら、声を掛けてください♫