
兵庫県水産技術センターが発表した『イカナゴ』のシンコ(稚魚)漁予報によると、播磨灘など3水域の漁獲量が平年を大きく下回り、厳しい状況が続いているようです。
イカナゴ漁の解禁日は毎年3月初旬前後ですが、先立つ2月上中旬に、漁況予報が発表されています。
この予報のための調査が前年11月ごろから始まり、「文鎮こぎ」という特殊な猟具を使って親魚の量や産卵状況を調べているそうです。

画像:農水産技術センター資料より
今回は親魚の調査を、12月2日~1月6日にかけてのべ5回、文鎮こぎで実施しました。
1曳あたりの採集数は「11.5尾」で、昨年の「7.2尾」は上回ったものの、平年を大きく下回り、低水準だったみたい。1歳魚が約9割、2歳魚以上が1割ほどでした。

画像:農水産技術センター資料より
親魚の全長について比較してみると、2歳魚以上の平均全長は昨年と同じ「137.5㎜」だったものの、1歳魚は「100.7㎜」で昨年より5㎜ほど下回っています。
親魚全体の平均全長は「104.7㎜」で、昨年から3㎜ほど下回る結果になりました。

画像:農水産技術センター資料より
産卵量指数では、平年(1986~2023年の平均値)が「2.96」でしたが、昨年は「0.10」、今年は微増したものの「0.15」にとどまりました。
2017年以降、低水準で推移しています。
1尾あたりの産卵量は親魚の大きさによって異なるため、この指数では毎年の親魚密度と全長から算出しているそうです。

画像:農水産技術センター資料より
生きものの産卵期のなかでも、産卵が最も活発に行われる時期のことを「産卵盛期」と言います。
イカナゴのシンコ漁況予報では、メスの親魚の生殖腺熟度指数をもとに、産卵盛期を推察しているんだそう。
今年は、12月25日の調査ではまだ産卵が始まっていなかったものの、その後1月6日にかけて生殖熟度指数が急激に低くなり、産卵の終了を確認。「12月26日~1月6日」の間が産卵盛期とみられるそうです。
ちなみに昨年は「12月21日~1月6日」だったので、少し遅くなっていますね。

画像:農水産技術センター資料より
稚仔の調査は1月19日・27日・28日に実施されました。
1地点あたりの平均採集数は、播磨灘が0.05尾、大阪湾が0.5尾、紀伊水道が0.2尾で、いずれも平年を大きく下回っています。
上記の図では下段が昨年、上段が今年の値ですが、ゼロだったり、昨年の数値を下回っている地点も多く、依然厳しい状況のようです。

画像:農水産技術センター資料より
稚仔の成長速度は「水温」の影響を強く受けます。水温が高いほど成長速度が速くなるそうです。
今年の明石海峡部の水温は、平年に比べて1月上旬は「やや高め」、1月中旬は「ほぼ平年並み」、1月下旬以降は「低め」に推移しているとのこと。
大阪管区気象台が発表した平均気温の1カ月予報から考えると、今後の水温は徐々に「平年並みに回復する」ことが予測されることから、稚仔は平年並みの速度で成長すると考えられるそうです。
これらの調査を踏まえて県水産技術センターは、今年も昨年同様に、親魚の産卵量と稚仔の分布量は平年を大きく下回っていて、不漁が続く2017年以降「回復の兆しが見られていない」と述べています。
今年のシンコ漁は3海域とも、昨年同様に厳しい漁獲量になると予測しています。
先日、瀬戸内海でとれるイカナゴの漁獲量が激減している要因について、広島大学研究グループが調査し発表していました。研究では主要因がわかったものの、イカナゴの資源量を守るため、親魚を最大限残すための取り組みがこれまで以上に必要になりそうです。
◆関連リンク
・兵庫県立農林水産技術総合センター 水産技術センター – 公式サイト











































あさみ
「今年こそダイエット」が口癖です。
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