
兵庫県で働く人の「最低賃金」が、いまの時給1,116円から1,172円に引き上げられる見通しです。
「兵庫地方最低賃金審議会」が2026年8月4日、兵庫労働局長に答申しました。引き上げ額は56円で、適用は2026年10月1日から。

画像:兵庫労働局の発表資料より
最低賃金は、使用者が労働者に払わなければならない賃金の下限を決めた制度です。
兵庫県内で事業を営む使用者と、そこで働く労働者が対象。正社員だけでなく、パートやアルバイトも含まれます。
時給で働いていない場合も関係します。月給や日給を1時間あたりに割りもどした額が、この下限を下回っていないかで判断するからです。
算入されない手当がある
気をつけたいのが、支払われている賃金の全部が最低賃金の計算に入るわけではないこと。
今回の答申では、「精皆勤手当」「通勤手当」「家族手当」の3つを賃金に算入しないと明記されてます。
つまり、これらを除いた額で時給1,172円に届いているかを見ることになります。
上げ幅は過去2番目、23年連続の引き上げ
兵庫県の最低賃金は、2024年度が1,052円、2025年度が1,116円。そこに56円が乗って1,172円になります。
厚生労働省がまとめている2002年度以降の改定状況をたどると、1年での引き上げ額が56円を超えたのは2025年度の64円だけ。今回はそれに次ぐ大きさです。
据え置きだった2003年度の翌年から数えると、引き上げは23年連続になります。

画像:兵庫労働局 公式サイトより
審議会は政府に4つの要望
答申には、政府への要望も添えられました。賃上げを続けられる環境をどうつくるか、という中身です。
1つめは、中小企業・小規模事業者への配慮。生産性向上や価格転嫁対策を徹底し、賃上げの原資の確保につなげる取り組みを続けるよう求めています。
2つめは、助成金の充実。事業場内で最も低い時間給を引き上げた場合に支給される「業務改善助成金」について、申請期間の大幅な拡大や対象労働者の拡大を挙げてます。
3つめが「年収の壁」。最低賃金が上がっても、扶養の範囲に収めるために労働時間を減らす人が少なくないという指摘です。税制・社会保険制度・扶養制度を一体的に見直し、働いた分だけ手取りが増える仕組みへの改革を強く要望する、としています。
4つめは、看護・介護・保育、書籍販売業など、価格交渉が行いにくい事業への支援。公定価格などの見直しと、賃上げが円滑に実施できる支援策の拡充を求めました。
改定後の兵庫県最低賃金
1時間 1,172円
現行額
1時間 1,116円(2025年10月4日発効)
引き上げ額
56円
効力発生の日
2026年10月1日
適用される範囲
兵庫県の区域内で事業を営む使用者と、その使用者に使用される労働者
答申日
2026年8月4日(兵庫地方最低賃金審議会 → 兵庫労働局長)
特記事項
・この最低賃金において賃金に算入しないもの=精皆勤手当、通勤手当及び家族手当
・答申は審議会から労働局長への意見の提出で、実際の改正は今後の手続きを経て確定します。
10月からの時給がいくらになるか、勤め先の給与明細や求人票と見比べておくといいかもしれません。事業者側は、9月中に賃金の見直しが必要になりそうです。
◆関連リンク
・諮問・答申 – 兵庫労働局
・地域別最低賃金の全国一覧 – 厚生労働省











































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