画像:神戸公式観光写真ライブラリーより
©一般財団法人神戸観光局
次世代型太陽電池として注目される『ペロブスカイト太陽電池』。神戸市は積水化学工業などと連携し、「神戸空港」の制限区域内に設置して実証実験を行います。空港制限区域内におけるペロブスカイト太陽電池の設置は「国内初」の取り組みです。
神戸市中央区神戸空港1
ペロブスカイト太陽電池
画像:積水化学工業より
「ペロブスカイト太陽電池」とは、従来の一般的な太陽電池「シリコン携帯用電池」にタイして、軽く・薄く・柔軟であるといった既存太陽電池にない特性を持つ、日本発の技術です。
材料をフィルムなどに塗ったり印刷したりして作ることができるのもポイント。製造工程が少なく、大量生産ができるため、将来的な低コスト化も見込まれています。
主な原料の「ヨウ素」は、日本が生産量世界シェア約3割を占めているそうです。原材料を含めて、安定的な生産体制が構築できるのだとか。
これにより、これまでの技術では設置が難しかった場所へ太陽電池が導入可能になるんだそう。2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、次世代型技術として期待されているみたい。
神戸空港での実証実験は、神戸市と、積水化学工業および積水ソーラーフィルム、関西エアポート神戸とが連携して実施します。
神戸空港におけるペロブスカイト太陽電池の設置状況
実証実験場所に「神戸空港」が決まった背景には、いくつか理由があるようです。
神戸市を含めて都市部での「再生エネルギー」導入のための適地が限られていること。そして、国が「空港の再生エネルギー拠点化」を掲げていて、これまでの製品では設置できなかった空港施設に、技術的検証を踏まえた太陽電池の導入拡大が期待されていること、などが主な理由です。
実証実験は2025年6月~2027年3月(予定)に行われ、期間中は空港制限区域内の緑地帯に設置されます。
空港機能を維持しながら、空港特有の耐風性能といった安全性の検証、施行方法の検証、耐久性や発電効率の検証などが行われるのだとか。
ちなみに今回設置されたフィルム型ペロブスカイト太陽電池は50枚で、発電効率を上げつつ、風で飛ばされないようにするために工夫して設置したそうですよ。
それぞれの役割
神戸市:全体調整、広報など
積水ソーラーフィルム:ペロブスカイト太陽電池の設計・施工、実証成果分析など
関西エアポート神戸:フィールド提供
神戸空港での国内初の実証実験は注目の事例となりそうですね。久元喜造 神戸市長は定例記者会見で「実験で得たデータは国交省に提供し、全国の空港に広げることが考えられる」と述べ、「ほかの公共施設でもペロブスカイト太陽電池を導入する実証実験ができないか検討している」とのことです。
◆関連リンク
・神戸空港 – 公式サイト
あさみ
「今年こそダイエット」が口癖です。
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