1400年の歴史をたどる、有馬温泉の歴史スポット巡り  Feel KOBE

ライター:ゲストオーサー

神戸の人気観光スポットの一つ、有馬温泉は1400年という長い歴史をもつ温泉地です。

鉄分と塩分を含んだ赤茶色の泉質の「金泉」と、炭酸を含んだ無色透明の「銀泉」の2種類の温泉は保温や保湿効果も高く、古くから天皇や将軍たちだけでなく、庶民も魅了してきました。そんな有馬温泉はどのような歴史をたどってきたのでしょうか。

有馬温泉のはじまり

湯泉神社の縁起によると、有馬温泉の泉源を最初に発見したのは大已貴命(おおなむちのみこと)と少彦名命(すくなひこなのみこと)と記されています。3羽のカラスが水たまりで水浴びをしていたところ、数日で傷が治ったことから温泉を発見。

その後、舒明天皇の滞在により、有馬温泉の名が広まり、愛媛県の道後温泉、和歌山温泉の白浜温泉と並び「日本三古湯」として、将軍、天皇から庶民までと多くの人が足を運ぶ温泉地になりました。

有馬温泉の基礎を築いた行基と、中興させた仁西

有馬温泉の歴史を語るときに欠かせないのが行基、仁西、秀吉の3人です。1人目の行基は東大寺の大仏を建立した僧。あるとき行基が病人に「病気に効くという有馬の温泉につれていってほしい」と頼まれ、その望みを叶えたところ、その人は金色荘厳な仏の姿となって有馬温泉を復興するよう言いました。

行基はその後、言い付け通り、お堂を建てて薬師如来像を安置。この行基の行いに徳を感じた薬師如来が温泉を復興させたと伝えられています。以後、有馬は約370年もの間栄えたそうです。

時は流れて1097年(永長2年)、有馬では大洪水が発生し、辺りはすっかり荒廃してしまいました。その整備をしたのが、仁西という僧です。

温泉寺縁起によると、仁西は熊野権現様のお告げで有馬復興に力を注ぐことに。温泉寺を改修したり、薬師如来を守護する十二神将にちなんで僧が住まう12の坊を建設したりして、温泉地復興を成功させました。

有馬温泉をこよなく愛した武将、豊臣秀吉

戦国時代に活躍した武将、豊臣秀吉は天下統一を成し遂げた豪傑として有名です。そんな秀吉は1583年(天正11年)に有馬温泉に入湯して以降、1594年(文禄3年)までに9度有馬の湯に浸かったという大の有馬温泉好き。有馬に正室ねねの別邸も作っていたようです。

秀吉の正室であるねねの銅像が設置されている「ねね橋」

秀吉が足繁く通った有馬は1596年(慶長元年)、慶長の大地震により壊滅的な被害を受けました。そのとき新たに湧き出た温泉の近くに、秀吉は「湯山御殿」を築くなど有馬の復興に尽力。結局、湯山御殿の完成を待たずして逝去してしまいましたが、有馬での秀吉の功績も有馬温泉の歴史を語る上では欠かせないものです。

ちなみに、秀吉が石田三成や千利休を招いて「大茶会」を催していたことから、今でも有馬では11月になると「有馬大茶会」が開かれています。

有馬温泉に入浴した人々(神戸市立太閤の湯殿館の展示パネルより)

最盛期の江戸時代後期には、「有馬千軒」と呼ばれるほどの賑わいを見せたという有馬温泉。その裏には行基、仁西、秀吉の3人の貢献が大きかったことは間違いないでしょう。

有馬温泉の歴史を巡るスポット

続いては有馬温泉の歴史をテーマにした旅をしたい!という人に、おすすめのコースを紹介します。

天神泉源

まず紹介する「有馬天神社」は、979年(天元2年)に京都の北野天満宮から、御祭神である菅原道真公を勧請したのが始まりといわれています。

境内には金泉が湧いている「天神泉源」がある

そんな有馬天神社は有馬温泉の鬼門の方角にあるため、有馬温泉の守護神、厄除けの神社としても有名。境内には温泉が湧き出ているので、ぜひ近くで見学してみましょう。

information

有馬天神社情報

住所 神戸市北区有馬町1402
アクセス 神戸電鉄「有馬温泉駅」より徒歩5分
TEL 078-904-0418
拝観時間 24時間

炭酸泉源公園

通称「タンサン坂」と呼ばれる坂道を登っていくと、「炭酸泉源公園」があります。この炭酸泉源をもとに、日本初のサイダーが誕生。有馬温泉の有名なお土産「炭酸せんべい」の名前の由来にもなっています。

実は、こちらの炭酸泉源公園では炭酸泉源の炭酸水が飲めます! どんな味がするのかは、ぜひ現地で確認を。

information

炭酸泉源公園情報

住所 神戸市北区有馬町1325-1
アクセス 神戸電鉄「有馬温泉駅」より徒歩3分

神戸市立太閤の湯殿館

有馬温泉の歴史を学びたい!という人におすすめなのが、「神戸市立太閤の湯殿館」。同館は有馬温泉の歴史を紹介した施設で、歴史年表やゆかりの人物を紹介したパネルのほか、「湯山御殿」の一部と見られる湯ぶね、庭園の遺構、瓦や茶器などが展示されています。

湯山御殿とは、秀吉が湯治のために作らせた御殿のこと。その存在は伝承として伝えられていましたが、阪神・淡路大震災のときに、極楽寺の庫裏下から安土桃山時代の遺構が発見されました。調査によって、それが「湯山御殿」の一部だということが判明したのです。

館内には出土した状態の岩風呂遺構や、蒸し風呂遺構の展示もあるので、ぜひチェックしてみてください。

information

神戸市立太閤の湯殿館情報

住所 神戸市北区有馬町1642
アクセス 神戸電鉄「有馬温泉駅」より徒歩8分、六甲有馬ロープウェー「有馬駅」下車より徒歩10分
TEL 078-904-4304
営業時間 9:00〜17:00(最終入館は16:30まで)
定休日 毎月第2水曜日 ※臨時休館あり
入館料 大人200円、小人(高校生・中・小学生)100円
公式サイト https://arimaspa-kingin.jp/taiko-01.htm

極楽寺

湯殿館の隣にある「極楽寺」は、594年に開基された有馬で最も古い寺です。宗派は浄土宗で、御本尊は阿弥陀如来坐像。先ほど紹介したように、極楽寺は秀吉が作らせたという「湯山御殿」があった場所に建てられています。

ちなみにこの寺を建てたのは、なんとあの有名な聖徳太子! 歴史巡りをするなら、ぜひともチェックしておきたいスポットの一つです。 

information

極楽寺情報

住所 神戸市北区有馬町1642
アクセス 神戸電鉄「有馬温泉駅」より徒歩10分
TEL 078-904-0235
拝観時間 24時間

湯泉神社

続いて紹介する「湯泉神社」は、有馬温泉の泉源を最初に発見した2柱の神様、大己貴命(おおなむちのみこと、大国主命)、少彦名命(すくなひこなのみこと)と、熊野久須美命(くまのくすみのみこと)が祀られている神社です。

本堂へは長い階段を登っていく

湯泉神社の本堂

湯泉神社に行くのなら、湯泉神社ゆかりの3社である「湯泉神社」「水天宮」「有馬天神社」の3社巡りもするのもおすすめです。この3社の位置を結ぶと三角形になることから、「有馬温泉パワースポットトライアングル」と呼ばれており、すべてお参りすると心身清浄のご加護があるといわれています。

information

湯泉神社情報

住所 神戸市北区有馬町1908
アクセス 神戸電鉄「有馬温泉駅」より徒歩8分
TEL 078-904-0418
拝観時間 24時間
定休日 日・月曜
公式サイト https://tousen.or.jp/

歴史巡りをたっぷり堪能したあとは、歩き疲れた体を癒しに温泉へどうぞ。金の湯、銀の湯で日帰り温泉を楽しむもよし、旅館で心ゆくまで温泉を楽しむもよし。秀吉をはじめとする多くの人々を魅了した温泉に、ぜひじっくりと浸かってみてください。

取材・文 中田ゆりな

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