不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME’S」が、2022年における実際の問合せ数からユーザーの「本気」で住みたい街を集計した、住まい探しの「いま」が分かるランキング『2023年 LIFULL HOME’Sみんなが探した!住みたい街ランキング(近畿圏版)』を発表しました。
【近畿圏版ランキング結果のポイント】
賃貸ユーザーと購入ユーザーで住まい探しの“エリア選択”に対する考え方の違いが顕著に<借りて住みたい>
・1位「江坂」2位「三ノ宮」が僅差でトップ争い「京橋」「阿波座」「神戸」がトップ10入り!
・急上昇ランキング1位は「天王寺」。賃料相場が利便性の割に比較的安価なエリアで顕著な上昇が。<買って住みたい>
・「姫路」が1位に返り咲き!近畿圏でも物件価格の高騰を背景に“二極化”の兆し表れる
・「急上昇ランキング」1位は「肥後橋」。大阪駅周辺へのアクセスの良さに注目が集まる!
■1位「江坂」2位「三ノ宮」が僅差でトップ争い 「京橋」「阿波座」「神戸」がトップ10入り!
近畿圏「借りて住みたい街」ランキングでは、地下鉄御堂筋線の「江坂」が2年連続の1位を獲得、2017年から5年連続でトップを守っていた「三ノ宮」が2位となり、僅差でのトップ争いを展開する2強状態となっています。
「江坂」に隣接する前回4位の「新大阪」も6位を堅持しており、大阪駅北側一帯のベッドタウンが今回も近畿圏での借りて住みたい街No.1を守りました。
3位には前回7位の「大正」が入り、ベスト3の顔ぶれにやや変化が生まれています。前回3位の「姫路」は今回13位とランクをやや落としており、賃貸ユーザーの居住ニーズは、ここ数年大阪市と神戸市の中心部にほぼ集中する状況となっています。
今回は11位以下に「北大路」(前回17位)、17位「西院」(同24位)、19位「今出川」(同14位)、20位「西大路」(同29位)と京都市内の街がベスト30以内に進出しており、これは移動制限の解除に伴ってインバウンドが回復するとともに観光産業が徐々に復調し始めたことで、居住ニーズが高まっていることの証左と捉えることができます。
首都圏の「借りて住みたい街」とは対照的に、近畿圏では市街地中心部での居住ニーズが断然勝っており、特に大阪市、神戸市、京都市の各中心エリアでのニーズの強さが明らかです。
ランキングTOP100に入った駅のうち、前回から順位を上げた駅をランクアップの大きい順に並べ、その特徴を探る「急上昇ランキング」。
近畿圏では首都圏よりも順位変動が大きく、それだけ街の人気やニーズが賃料水準や交通・生活利便性の違いで変わりやすいことを示しています。
また、円安やサプライチェーンの逼迫(ひっぱく)による物価高騰の影響で、賃料相場が利便性の割には比較的安価なエリアで順位の顕著な上昇が見られます。
<1位>「天王寺(90ランクアップ/168位→78位)」
「天王寺」はJRの大阪環状線、大和路線、阪和線が乗り入れるだけでなく、Osaka Metroの御堂筋線と谷町線、さらに阪堺電気軌道・上町線を加えた6線が交差するターミナル性を有しており、圏内どこにでも抜群のアクセスを誇っています。また、あべのハルカスや天王寺ミオをはじめとした大規模商業施設があって生活利便性も高いことが賃貸ユーザーから高く評価されています。
<2位>「桜ノ宮(87ランクアップ/184位→97位)」
「桜ノ宮」は「大阪」までわずか2駅4分ですが、賃料相場は比較的安価で、若年単身者向けのエリアです。また、Osaka Metro谷町線の利用も可能で、交通利便性が高い割に比較的安く住めるのが人気です
<3位>「野江内代(79ランクアップ/160位→81位)」
住宅地中心の都島区に位置する「野江内代」は、谷町線で梅田方面へも天王寺・阿倍野方面へもダイレクトにアクセスができます。周辺は賃貸物件が多く、賃料相場も比較的安価なエリアとして知られており、消費者物価の高騰とともに注目度が高まっているようです。
■「姫路」がトップに返り咲き! 近畿圏でも物件価格の高騰を背景に“二極化”の兆し表れる
「姫路」が前回の4位から上昇して1位に輝きました。2020年以降は上位の常連で、人気・実力ともに高いエリアとして定着しています。
前回1位の「谷町四丁目」は4位、2020年&2021年と連続トップだった「本町」は今回も2位で変わらず高い人気を維持しています。
3位には前回35位だった「堺筋本町」が急上昇してランクインし、ベスト3の顔ぶれは大きく入れ替わった印象ですが、首都圏同様に、買って住みたい街は大規模で話題性の高いマンション開発がどこで実施されるかにより、大きく変化する傾向があります。
前回まで、近畿圏では首都圏で発生している“意向の郊外化”および“二極化”は起きていませんでしたが、明石や姫路での新築マンション開発が活性化し、テレワークに対応して職住近接の必要性が薄れたユーザー、およびなるべく安価に住宅を取得したいと考えるユーザーの需要を喚起する受け皿になっており、一方で大阪市、京都市 各中心部でのマンション分譲も継続・拡大していることから、物件の供給スタイルがやや二極化の兆しを示し始めていることがわかります。首都圏から2年ほど遅れましたが、徐々にニーズが生活スタイルに応じて分化しているようです。
ランキングTOP100に入った駅のうち、前年から順位を上げた駅をランクアップの大きい順に並べ、その特徴を探る「急上昇ランキング」。
急上昇ベスト10は大阪市内の駅が多くを占めており、コロナ禍の長期化でやや郊外方面でのニーズが高まりつつある近畿圏でも、順位が急上昇して人気や注目度が高まっているのは、やはり大阪市内の交通利便性の高いエリアであることが明らかです。大阪市内での潜在需要、特にマンションに対する関心は変わらず高いまま維持されているようです。
<1位>「肥後橋(341ランクアップ/415位→74位)」
今回、もっとも大きく順位が上昇したのは、大阪の中心部に位置する「肥後橋」です。「大阪」「中之島」「淀屋橋」に近く、以前からコンスタントなマンション開発がありましたが、ここ数年は用地不足でランキングを下げていました。それが数年ぶりに大規模なタワーマンションの開発が始まったことで注目が集まり、ランキングの急上昇に繋がったものと考えられます。
<2位>「丸太町(200ランクアップ/258位→58位)」
京都中心部にある「丸太町」は景観条例が施行されていて大規模開発はできませんが、それでもニーズの高さから小規模なマンション開発が継続しており、大手デベロッパーが市場参入したことでも注目を集めています。
<3位>「西田辺(173ランクアップ/237位→64位)」
大阪市南部にある「西田辺」も駅近くで小規模ながら複数のマンション開発が並行して進んでおり、大阪メトロ御堂筋線で「心斎橋」「梅田」や「新大阪」へもダイレクトアクセスが可能です。いずれもエリアというよりは物件のグレードや立地条件などが注目を浴びることで駅の順位を大きく上げる結果となりました。
調査概要
【期間】2022年1月1日 ~ 2022年12月31日
【対象】LIFULL HOME’Sユーザー
┗首都圏版(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)
┗関西版(大阪府、京都府、兵庫県)
┗中部版(愛知県、岐阜県、三重県)
┗九州版(福岡県)
【集計】LIFULL HOME’Sに掲載された賃貸物件・購入物件のうち、実際の問合せ数を駅別に集計
【分析】LIFULL HOME’S 総研
借りて住む場所として「三ノ宮」は「神戸」と共にランクイン。両方、JRの新快速停車駅ですので、大阪通勤だったとしても、移動距離と街の賑わいのバランスが良いということでしょうか。
◆関連リンク
・LIFULL HOME’Sみんなが探した!住みたい街ランキング2023 – 公式サイト
関西住みですが人気のある街にあまり風紀の良くない地域、地元民が子育てに向いていないと口を揃えて言う街が入っているので驚きました。地域名は晒せませんが。どの層のかたにアンケートするかによっても結果が違うということでしょうね。