画像:株式会社商船三井 公式サイトより
旧居留地にある築103年のレトロビル「神戸商船三井ビル」が『閉館』することが、関係者への取材で分かりました。
神戸市中央区海岸通5
画像:竣工当時のビル外観(株式会社商船三井 公式サイトより)
「商船三井ビル」と呼ばれることの多いこの建物は、1922(大正11)年に、旧・大阪商船(現・商船三井)の神戸支店として竣工。
設計はのちに「ダイビル本館」や大阪市に現存する「綿業会館」を手掛ける建築家・渡辺節が担当。昭和を代表する日本建築界の巨匠となる、まだ20代の村野藤吾も加わっていたとされています。
当時まだ少なかった大規模集合オフィスビルで、建築資材の一部は船で海外から運んできたと伝えられてるんだとか。
画像:GENICSPOT 〜神戸旧居留地〜 サイトより
戦争、高度成長、バブル景気と崩壊、阪神・淡路大震災を経験し、震災後には当時の最新技術による耐震補強を実施。
竣工当時の姿を留める大正生まれの大規模集合オフィスビルとしてはほぼ「国内唯一の事例」とされ、高い評価を得ています。
画像:GENICSPOT 〜神戸旧居留地〜 サイトより
現在では1階部分が大丸神戸店のテナントとなっていて、他の階には企業・団体が入居しています。
閉館の方針については、今年4月半ばに入居者にお知らせがあったのだそう。
これまで丁寧に管理・運営をおこなってきたものの「建築費高騰を背景に、老朽化に伴う修繕費や維持費の大幅増加が見込まれ、事業採算性を維持しながら管理継続することが困難であることから、賃貸の契約を終了し、ビルを閉館せざるを得ないとの結論に至りました」ということです。
賃貸借契約の終了は「2027年6月末日」を限度とするみたい。閉館後どうなるのかは明らかになっていません。
旧居留地を代表する建物として、地元の人にも観光客にも親しまれてきた「神戸商船三井ビル」。
今のところ何らかの文化財には指定されていないものの、歴史的な価値も非常に高いということで、保存を求める声は多そうです。
◆関連リンク
・株式会社商船三井 | Mitsui O.S.K. Lines, Ltd. – 公式サイト
・GENICSPOT 〜神戸旧居留地〜 – 公式サイト
ビルそのものを取り壊すとなると居留地のブランドが危ぶまれますね…
どのようになるのでしょうか
もし取壊しとなったら、三宮の街並みそのものに影響が出てしまう。耐震や補修など大変なのは百も承知だが、何とか維持できないかな…
切に願うよ。