いよいよ動きが表に出始めた兵庫県知事選挙(7月1日告示、18日投開票)。
兵庫県議会の自民党会派が当初、副知事だった金沢和夫氏に(64)出馬要請した経緯もありましたが、県選出の国会議員で自民党兵庫県連の会長である谷公一氏が、総務省出身で前大阪府財政課長の齋藤元彦氏(43)の支援を党本部に求めるそうです。
これまで、兵庫県議会の自民党会派としては金沢氏支援、それに反発し会派を離れた自民党議員が齋藤氏支援という構図でしたが、自民党の本筋が齋藤氏支援という流れになりそうです。
県議会の自民党会派については、金沢氏に出馬要請をしておきながら「はしごを外す」形になり、国会議員を含む兵庫県連としっかり調整できていなかったことになります。金沢氏が少しかわいそうな気もしないでもありません。
会派として多数決で決まった金沢氏支援について、自民党兵庫県連としては別の人を推すという、やはり国会議員が強く、地方議員が弱い構図が残念ではありますが、一方で、世間では齋藤氏に期待する声が大きいこともあるのは事実。自民党は勝てる候補者を立てる道を選んだという形でしょうか。
政治らしいといえば政治らしいし、地方議員の「自分の所の首長すら自分たちで担げない」状況については、少し残念な気がします。
一方で取り残されているのが民主系。以前から噂されていた泉・明石市長の兵庫県知事選への出馬について、これまでの民主系からの出馬要請があったそうですが、本人が会見を開き「要請を受けるつもりない」と立候補しない意向を示しました。
泉・明石市長については、「パワハラ問題を受けて出直し市長選をやっての現職であること」「維新と自民から推薦される予定の齋藤氏が出馬すること」を考えると、現状から改めて立候補を表明する可能性は極めて低いと思われます。
そもそもの話で泉氏自身が、県知事より、基礎自治体の首長としての市長に魅力を感じているような気もします。
こういった動きもあって、民主系も齋藤氏を支援する方向性となっているそうです。
ただ、民主系が齋藤氏を支援する場合は、維新は推薦しないとする動きもあります。齋藤氏と維新は政策調整もおそらく進んでいるところかと思いますので、維新が離れて、民主が支援するという構図はできなさそう。
結果、民主系は金沢氏単独推薦なるか、または、誰も支援しない場合は存在感の話になってきます。
金沢氏はどこからも推薦が得られない状況になるかもしれませんし、まはやこの状況では、出馬を取りやめることすら考えられます。
兵庫県議会の会派別人数
・自由民主党(44名)
・ひょうご県民連合(14名)
・公明党・県民会議(13名)
・維新の会(8名)
・日本共産党(5名)
・無所属(2名)
想定される県知事選の立候補予定と勢力
・中川暢三氏(65) 立候補表明済み。元加西市長、元大阪市北区長、無所属
・金沢和夫副知事(64) 立候補表明済み。総務省出身。民主系が支援?完全無所属?出馬取りやめ?
・齋藤元彦氏(43) 立候補表明済み。総務省出身。自民+公明+維新が支援の方向。民主系が支援?
・共産党が誰か出す?
・無所属で誰かでる?
この状況だと、齋藤氏がかなり強くなってくるので、選挙戦としては一強になるかもしれません。
告示初日には金沢氏のポスターは、貼られてませんでした。
今回の自民分裂の背景として、井戸さんの評判がかなり悪くなったからだと思います。
前回の選挙でも分かるように、一定の批判票もありましたし。