神戸市灘区の無職女性(84)が、2016年に現金約1億4千万円をだまし取られる被害に遭っていたことが分かりました。兵庫県内の特殊詐欺被害金額としては過去最高額なんだそうで、兵庫県警が捜査しています。
捜査関係者によりますと、独り暮らしの女性宅に男から「名義を貸してほしい」と電話があったようで、それを女性が了承したところ、今度は生活相談センターや会社員を名乗る男などから、「名義貸しは犯罪で金を払えば何とかする」という内容の電話がかかってきて、女性は、計6回、合計1億3807万円を宅配便で指定された住所に送ったとのこと。
女性は預金のほぼ全額をだまし取られましたが、現金の要求が続き、その後、連絡が取れなくなったことから警察に相談、被害が発覚しました。
兵庫県警が公表している被害に遭わないための対策は下記の通りです。自分の家族は大丈夫と思わず、ぜひ、普段から対策を行いましょう。詐欺のプロ集団から家族を守るには、子どもや孫が、積極的におじいちゃんおばあちゃんと連絡をとったり一緒に対策をとる必要があると思います。
必ず誰かに相談!
犯人は言葉巧みに話を進めますので、一度電話に出てしまうと相手のペースに巻き込まれて冷静な判断ができなくなってしまいます。
しかし、犯人の話は事実無根のおかしな話ですから、冷静な第三者に相談すれば、「詐欺ではないか」と気付くケースがほとんどです。
電話でお金の話が出たときは、必ず誰かに相談してから対応してください。
相談できる相手がいない、又は相談しても本当かどうか分からないというような場合には、間違っていても大丈夫ですし、秘密を厳守しますので、遠慮することなく、最寄りの警察署に相談してください。
家族と連絡を取り合う!
ご家族と離れて暮らす方が多くなっています。
普段から定期的に連絡を取っておられる息子さんが、お母さんに電話した際、お母さんから「お金は用意するから安心して」と言われ、「お母さん、お金って何のこと?電話もしてないよ。それはオレオレ詐欺とちゃうか?」と言って被害に遭わなかったという事例も多数あります。
定期的にご家族で連絡を取り合い、「家族の絆」で被害を防ぎましょう。
ご自宅の電話機に対策を!
犯人の働き掛けの多くは「電話」によるものです から、不審な電話に出ないようにする対策を取ることが非常に有効です。
また、このような対策を実施すれば、悪質なセールスによる被害を防ぐことも可能です。
金融機関等での声かけにご協力を!
県警察からの要請により、金融機関等では高齢者が高額出金する場合に声かけによる使途確認をしています。
金融機関等では、詐欺被害かどうかを判断するため、警察とともに研修や訓練を重ねており、多くの方の被害が金融機関職員により阻止されています。
「自分のお金を何に使おうが自由でしょ!」と言わず、使途の確認にご協力をお願いします。
「だまされた振り作戦」にご協力を!
犯人を捕まえることで、その後、多くの被害を防ぐことが可能です。
もし、ご自宅に犯人から電話があったときには、だまされた振りをしつつ、警察に通報していただくことにより、その後、現金を受け取りに来る犯人を警察で捕まえる「だまされた振り作戦」の実施が可能です。
皆様の安全を最優先に捜査活動を行いますので、犯人逮捕にご協力をお願いします。
カズマ
神戸ジャーナル 編集長
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