脳科学の若きプロフェッショナルが市民講座を開催するそうです。
脳科学の達人
研究者も必見!
神経科学を極めんとする若き研究者たちによる
スーパー・プレゼンテーション!
7月31日(金)16:00~17:30
神戸国際会議場 メインホール
場所はココ↓↓
4人の若き脳科学研究者たちの話が無料で聞けるんです。時間のほうは全体で1時間半となっていますので、少しの興味でも十分に楽しめるんじゃないでしょうか。
プロモーション動画。カッコイイ動画です↓↓
ちょっと長くなりますが、4名のスピーカーの紹介をしときます。文章が多いので文字を小さめにしています。最後の池谷さんはTBSの「情報7days」でよく見る人のような気がします。
青い光で記憶を消す ~心の仕組みとその基盤~
林(高木) 朗子
東京大学大学院医学系研究科・特任講師
私たちの心の座はどこにあるのかと考えた場合、おそらく脳がその多くの機能をになうことは間違いがないと思われる。しかし脳という「物質」が、如何にして心という「精神」を作ることが出来るのか?心の仕組みなどという煙に巻いたようなこの難問に挑戦するためには、シンプルなアプローチで攻略の糸口をつかもうと考えた。それが記憶・学習研究である。われわれの心や個性とは、われわれの記憶や学習により育まれた情報処理やそれに基づいた行動のバリエーションと言っても当たらずとも遠からずだからである。そこで記憶研究にのめり込み、神経細胞の連絡部位であるシナプスという微細な構造に魅せられる。多くの脳科学者がシナプスこそ記憶・学習の基盤であると考えるものの、それを直接的に証明した研究は一つもない。それを証明するためにはどのような新技術を開発すれば良いのか?そのような発想から「記憶プローブ」という新技術が生まれた。本日はこの「記憶プローブ」と「青い光」を駆使することによって、記憶・学習の「物質」的基盤を明らかにするプロジェクトについて紹介したい。
脳細胞は若返る -抗うつ薬の作用メカニズム解明を目差して-【U-STREAM中継あり】
小林 克典
日本医科大学薬理学・准教授
日本医科大学薬理学・准教授
実験してみたら全く予想もしなかった結果に!そんなことが科学研究を行っていると時々あります。今回ご紹介する研究もその一つです。「シナプス」と呼ばれる神経細胞間の情報伝達の部位の研究を行ってきた自分が、ある時、心の病気やその治療薬を研究してみようと思い立つ。しかし、これまで自分が研究してきたのはマウスの脳のシナプス。いったい、どのような方法で研究したらよいだろうか?まずは、病気の治療薬によってマウスの脳のシナプスにどのような変化が起きるか見てみよう。このような、ほとんど仮説もない状態でスタートした研究から、抗うつ薬が脳神経細胞を若返らせるという予想外の発見が生まれました。そして、ここから新たな疑問が生まれます。なぜ神経細胞が若返ると、うつ病が治るのだろうか?抗うつ薬以外にも神経細胞を若返らせるものはあるのだろうか?そもそも、神経細胞が若返るって良いことなのだろうか?それとも悪いことなのだろうか?
意識経験はどのような神経メカニズムによって支えられているのか?【U-STREAM中継あり】
土谷 尚嗣
モナシュ大学・准教授
脳と意識にはどのような関係があるのだろうか?この問題は、マインド・ボディ・プロブレムと呼ばれ、過去何千年にわたって哲学者が論じてきた問題だ。脳と意識の関係性と言われると難しいかもしれないが、この問題の本質を考えるきっかけは、日常に多く転がっている。私たちが死ぬ時には脳の働きがなくなるはずだが、そのとき意識はどうなるのか?眠る時と同じように意識がなくなるのか?自分の感じる痛みや匂いはなぜ脳から生じるのか?どういうメカニズムが音の感覚を生み出し、なぜ音と光は異なって感じられるのか?自分が飼っているネコや犬も私たちと同じように魚や肉を味わっているのか?虫もそうか?木や草は?賢いロボットは?
脳と意識の関係性という問題に対しては、根本的な答えが見つからないと考えている哲学者や科学者なども世界に多くいる。しかし、この25年間にわたる、神経科学による意識研究の進展はめざましく、多くのことがわかってきた。意識にのぼる神経活動とのぼらない活動の違い、意識と密接な関わりがある様々な心理現象(自意識、注意、記憶など)と意識の関係など。最近では、コペルニクスのようにこれまでの常識をくつがえす、今までの意識に関する脳科学的知見を統合する理論も提唱されている。 大きな進展の一方で、まだまだ脳と意識の関係性にはわからないことも非常に多い。マインド・ボディ・プロブレムを身近に感じてもらい、今後の意識研究の動向に興味を持っていただけたなら、私のトークは成功だ!
私が感じているこの世界は本物か
池谷 裕二
東京大学 薬学部・教授
生物は目や耳などの感覚器官を用いて、光や音などの環境情報を電気シグナルに変換し、それらを脳内処理しています。しかし、考え方を変えれば、自然界に存在する環境情報のうちの限定的な部分のみを感じとっているにすぎないともいえます。たとえば、ヒトは磁気や紫外線、放射能などを感知することができません。「感知していない」という劣等感はおろか、感知していないという事実への「気付き」すらありません。では、もし今まで感知できなかった情報が脳に送られたとき、脳はその情報をすみやかに理解し、活用することができるのでしょうか。もし可能だとしたら、この事実こそ、脳にはまだ眠った能力があり、普段は身体上の制約から発揮されていないことを意味しています。そんな実験データを当日お話します。
◆日時7月31日(金)16:00~17:30(開場:15:40)◆会場神戸国際会議場 メインホール〒650-0046 神戸市中央区港島中町6-9-1◆参加方法参加費:無料事前参加申込不要定員:670名
事前申込もありませんので、ふらっとどうぞ!
◆関連リンク
・第38回 日本神経科学大会 – 公式サイト
カズマ
神戸ジャーナル 編集長
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