神戸で堪能したいグルメの一つ、洋食。
歴史ある港町・神戸には老舗の有名洋食店がたくさんありますが、今回は洋食の新たな流れを感じる、最近できたお店をピックアップしてみました。
いま注目を集める、神戸の人気洋食店3店をご覧ください。
まず一つ目は、2022年春に北野エリアの近く、トアロードの東側にオープンした洋食店「グリルDAITO(ダイトウ)」です。
NHK神戸放送局から少し北側へ、トアロード東側にある「グリルDAITO」
150年以上前の開港後、船内コックをしていた料理人達からもたらされ、発展してきたとされる神戸の洋食文化。
「グリルDAITO」の店主・大東文彦さんの祖父も船内コックをされたのち、トアロードに、今はなき「ハイウェイ」という洋食店をひらき、神戸を代表するお店の一つとなりました。ちなみに、お店の名前「ハイウェイ」を文豪・谷崎潤一郎氏が命名したことでも有名です。
その味を受け継ぐ叔父の店「ビストロ ジロー」は、神戸元町に健在です。
大東(ダイトウ)の名前を店名に
こうした「大東家の味を世代を超えてつないでいく」という想いから、お店の名前を『グリルDAITO(ダイトウ)』にされたとのこと。
コロッケやオニオングラタンスープ、ハンバーグなど王道洋食のレシピを受け継ぎながら、一部アレンジが加えられています。祖父の時代の常連さんも通われているそうです。
「DAITOハンバーグと香住ガニのクリームコロッケ盛り合わせ」
注目のメニューは、兵庫県香美町の「香住ガニ」を贅沢に使った「カニクリームコロッケ浅間丸風」。
「浅間丸」とは、大東さんの祖父がコックをしていた船の名前です。昔の船では揚げ物ができなかったらしく、クリームコロッケをオーブンで焼いているのも大きな特徴。
その分、衣は薄くて箸でつかめないほどやわらかく、中のカニクリームが口いっぱいに広がります。
また、同じく香美町の上田畜産で飼育される但馬牛「但馬玄(たじまぐろ)」を使用したハンバーグも絶品!ふっくらしたハンバーグからは上品な甘さの肉汁があふれ出し、肉の旨味もしっかり深く感じられます。
「多少費用がかかっても兵庫の食材を使って、その魅力を伝えていけたら」との想いで提供されているようです。
店内はコンパクトながら天井が高く、開放的で心地よい空間。オープンキッチン前のカウンター席もおすすめです。
ちなみにこちらは、かつて肉屋だった場所を改装されており、トイレやガラス張りの地下倉庫(立ち入りは不可)など、ちょっと不思議で遊び心ある空間も見どころです。
グリルDAITO
住所 神戸市中央区中山手通2丁目25-5 有本ビル1F東
アクセス 神戸市営地下鉄「県庁前駅」徒歩約10分、各線「元町駅」徒歩約12分、各線「三ノ宮(神戸三宮)駅」徒歩約15分
公式SNS https://www.instagram.com/grill_daito/
続いては、三宮駅からも新神戸駅からも徒歩圏内、フラワーロード沿いにある「洋食パリス」をご紹介します。
緑のレンガにウッド調の扉というレトロな店構え
「1922年オランダ系日本人の祖父が開店し、国際的な交流の場としてにぎわった港町の洋食店を、創業から100年となる2022年12月24日、三代目である孫が復活させる。」
そんなユニークなストーリーを持ち、同日にオープンした「洋食パリス」。
こちらの洋食店を手掛けたのは、「LE BOOZY」や「THE BAKE」など神戸で話題のお店をいくつも生み出している小林元気さんです。
おしゃれな外観にくわえて、店内は白いテーブルと一つひとつ風合いのあるイス。
壁にはモノクロ写真が飾られていて、レトロな雰囲気。まるで映画の世界にいるような気分に浸ることができます。
長い年月を重ねたような店内の雰囲気
この懐かしさを感じられる空間で味わうのは、王道の洋食メニューたち。
食感にこだわったハンバーグステーキや、とろとろのマカロニグラタン、エビフライにハヤシライスなど、洋食店の人気メニューが目白押しです。
そうした中から今回は、ポークチャップをオーダーしました。
肉厚の豚肉に濃厚なデミグラスソース。肉の脂まで、旨味をたっぷりと味わえます。 また、人参やじゃがいもなど定番の付け合わせも嬉しいところ。
オムライスも、卵とソースの相性が抜群で、昔ながらの美味しさに包まれていました。
料理はSサイズや大人数でシェアできるLサイズまで用意されているものが多く、ちょっとずつ色々なメニューを楽しめることも魅力です。
お酒と一緒に楽しむ方も多いようで、昔ビアホールで主流だったスイングカランで入れるビールや、ワイン“葡萄酒”を取り揃えています。店の奥にはウォークインセラーがあり、沢山のラインナップから洋食に合うワインを選ぶことができます。
ディナーにくわえて、週末はランチタイムの営業もあり、休日の昼から至福の時間を味わえます。
洋食パリス
住所 神戸市中央区布引町2丁目2-12 MAISON ROSE 1F
アクセス 各線「三ノ宮(神戸三宮)駅」徒歩約12分、神戸市営地下鉄「新神戸駅」徒歩約8分
公式SNS https://www.instagram.com/paris_boozys
最後に紹介するのは、もはや定番になりつつある人気店「洋食の藤」です。
こちらは、西洋料理に長く携わった父をもつ店主・大塚雅也さんが、その味を継承して2017年にオープンされました。
国道沿い 目を引く赤色の看板
お店は、JR神戸駅やハーバーランドの近く、国道2号線沿いにあります。
特に休日は行列ができることが多く、時間に余裕があるときに訪れるのをおすすめします。
今回食べたのは、サービスメニューから「ハンバーグ・有頭エビフライ・目玉焼」のセット。
手ごねのやわらかなハンバーグは、パン粉ではなくお麩を使って肉汁をとじ込めていて、とってもジューシー!コクのあるデミグラスソースとの相性も抜群で、そこに半熟卵の黄身がとろけます。
大きな有頭海老も、衣はサクサク、中はプリプリで、自家製のタルタルソースをたっぷりつけて美味しくいただきました。
ほかにも、ふわトロのオムライスなど人気のメニューが数多くあります。
なお、こちらで皆さんがビックリされるのは、良心的な価格設定。「気軽に洋食を食べてほしい」とリーズナブルな価格を守り続け、ビフカツですら驚きの値段で食べることができるのです。
あたたかな雰囲気の店内
店内は16席と広くはないですが、お店の方の活気とあたたかな雰囲気がとても心地よい空間です。
美味しい料理だけでなく、細やかな心配りが感じられて、多くの方々に愛されているのが伝わってくる洋食屋さんです。
洋食の藤
住所 神戸市中央区相生町5-10-21
アクセス 神戸市営地下鉄「ハーバーランド駅」徒歩約3分、JR「神戸駅」徒歩約6分
公式サイト https://www.instagram.com/kobe.fuji/
老舗洋食店や洋食の歴史について紹介している記事もありますので、ぜひご覧ください。
【取材・文】川崎 哲章
神戸在住のPRディレクター&ライター。洗練された都会のイメージがありながら、自然を身近に感じられる街・神戸の魅力をもっと多くの方に届けていきたい。そんな想いで観光やグルメ、そして関わる人々を取材。灘区の六甲山にも海にもすぐ行ける場所に住み、カメラ片手にいろんな場所へ出かけています。
神戸公式観光サイト Feel KOBE
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元記事:神戸でいま注目の人気洋食店
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