
美しい自然に恵まれた「丹生山田の里」

神戸市北区にある、美しい自然に恵まれた『丹生山田の里』は、古代には摂津国・八部郡に属していた由緒ある荘園で、なんと四世紀ごろから人が住み始めたと言われています。
古き良き日本の原風景が今も残るこの土地には、世代を超えて語り継がれる歴史の物語が今も息づいています。
神戸市北区山田町384

始まりはこの石の鳥居。子供の頃から車でこの場所を通るたびに「この鳥居の向こうには、一体何があるんだろう…」と気になっていたんです。なぜなら、近くに神社らしきものは見当たらない…。
ある日、なんとなくグーグルマップを見ていたら、鳥居のずーっと奥、山のてっぺんにポツンと「神社マーク」を発見。
「なぜ山の頂上に神社が?」 ネットで調べてみたけど、いまいち確かなことがわからない。だったら自分の目で確かめてみようと思い立ちました。

まず最初に向かったのは、山田の総鎮守「六條八幡神社」。
山の上にある丹生神社について訪ねてみると、「丹生神社については、実はあまり詳しいことは分かっていないんです」とのこと。
代わりに山田出張所に行ってみては?と勧められ、その足で山田出張所へ。
出張所で見せていただいた「山田郷土誌」
山田出張所に到着すると、ちょうど来週、山田の寄合があるとのこと。「地元の人に直接聞いてみるといいですよ」と所長さんから助言をいただきました。
気づけば私の取材は「山田の歴史を地元の人に教えてもらう旅」へと変わっていきました。
最初に現れたのはあの人物

以来、私は何度かこの地を訪れるようになりました。
地元の方々にお話を伺ううちに、少しずつ見えてきたのは、この山がただの神社のある場所ではなく、時代を超えて人々に信仰されてきた「特別な場所」だということ。
そして、最初に現れたキーパーソンが、そう誰もが知っている「平清盛」。
そこから浮かび上がってきたのは、かつてこの山に存在したという、想像をはるかに超えるスケールの「巨大寺院」の姿でした。

取材を始めた今年(2025年)の冬の写真がこちら。丹生山のふもとには雪が静かに降っていて、空気が冷たく、どこか張りつめたような神聖な雰囲気が漂っていました。
次回の記事では、「平清盛が神戸の山奥に月1で通った理由とは?」に続きます。
【取材・文】ともみん
神戸市北区の地域情報を中心に執筆し、不定期で投稿している神戸在住のライターです。
大学卒業後は、大阪・東京・アメリカ・カナダと移り住んだのち神戸へ帰神。やっぱり神戸が落ち着く。
国内の自然を巡るひとり旅にもハマり中で「ともみんタビ」というYoutubeチャンネルで旅Vlogも配信しています。
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まさか、こんな壮大な歴史ロマンに辿り着くなんて…。
好奇心から軽い気持ちで始めたこの取材。だけど、一歩踏み込むたびに現れたのは、古代の女王、百済の王子、そして平清盛という教科書で見た歴史上の大物たち。
子供の頃から何気なく通り過ぎていたその場所に、想像をはるかに超える歴史の重みと、数えきれない謎が眠っていました。