全国的に問題になっている「放置空き家・空き地」。適切に管理されていないと防災・防犯・衛生・景観などさまざまな面で地域住民の生活に影響します。神戸市は2016年度から、条例に基づき改善依頼や指導に取り組んでいます。
2023年度は600件超に改善依頼
神戸市では、適切に管理されておらず改善が必要と判断された「空き家・空き地」のうち、所有者などが判明したものは、自主的な改善を依頼しているそうです。
それでも改善されない場合は、周辺への影響を考慮しながら、法や条例に基づく指導・勧告・命令・公表などを行って改善を求めているみたい。代執行での解体などを市で実施する場合もあります。
2023年度の市の取り組み状況では、「改善依頼」が約600件、「指導」が約130件のほか、勧告・代執行なども行われました。
老朽化が進み、倒壊の危険性があった家屋を所有者らが自主的に改善したほか、市が所有者らに代わって解体を実施した事例も。
生活環境への悪影響を防ぎ、健全で快適なまちづくりを推進するため、活用の見込みが乏しく、破損などの恐れがある空き家を対象にした「解体費用の補助」も実施したそうです。
解体補助件数は572件(832戸)で、2019年度からの累計では2,201件(3,260戸)に上りました。
2023年度末時点では、市が把握している改善が必要な空き家等1390件/空き地等296件の合計1,686件に対して、改善したのは合わせて1,128件。
空き家等では366件、空き地等では82件が現在も対応中です。
弁護士含む特命チームを新設、早期改善を推進へ
国は、空き家の活用拡大や管理の強化を目的とした「空家等対策の推進に関する特別措置法(空家対策特措法)」を改正し、2023年12月に施行しました。
改正空家対策特措法では、適切に管理されていない空き家を対象に「管理不全空家」という定義を新設。認定された場合は税の優遇措置が解除され、固定資産税が3~4倍程度に増えるそうです。
神戸市では法改正を踏まえて、建築住宅局に弁護士を含む9名の特命チームを今年4月に新設しました。
特命チームでは専門知識に基づき、さまざまな理由があるものの改善がみられない「危険空き家」や、所有者が不明・不在で改善見込みがない「所有者不明空き家」を対象に、財産管理制度などを活用して、早期改善を推進していくそうです。
相続などで引き継いだものの対応に困っている空き家・空き地がある場合は、適切に管理することや、活用・売却・解体なども検討したほうが良さそうです。神戸市では所有者向けの技術的援助・経済的援助も行っているので、気になる人は神戸市のサイトをぜひチェックしてみてください。
◆関連リンク
・空き家・空き地の総合情報 – 神戸市
あさみ
「今年こそダイエット」が口癖です。
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