神戸市が、新型コロナウイルス感染症の新規感染者の入院待機(入院調整中)が急増していることを受けて、1月21日(木)から新型コロナ感染者の自宅療養を開始します。
医療体制は崩壊とは言わないまでも限界を迎えており、平常時と同じような医療提供ができていない状況です。入院待機者の容態の急変も1日に1名~2名いる状況とのことです。
宣言をしたのがこのタイミングで、入院待機がすでに500人を超えているという状況では、事実上、既に同様の運用に入っていた形になります。
現状:入院調整中の状況(2021年1月19日)
入院調整中:562名(指定医療機関外32名・福祉施設34名・その他496名)
現状:長期間の自宅待機となっている状況
2021年1月1日~5日の1日あたりの新規患者発生数が平均44名で、当該患者のうち1日あたり平均24名が、発症日から在宅で10日経過。
⇒新規発生者の55%が、発症日から在宅で10日間の自宅待機となっていた。
自宅療養の対象
宿泊療養施設の入所よりも、自宅での療養が適切な者で、①かつ②を満たす者
①無症状 or 軽症で経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)が96%以上の者
②独居 or 同居者がいても個室隔離や消毒などの感染対策が取れる者
ただし、上記以外の場合でも、病床の状況により入院調整のため自宅待機となる場合がある。
健康管理、急変対応
各保健センターが以下の通り自宅療養者を健康観察する。
1. アプリまたは電話にて1日1回本人の健康状態を確認(必要に応じ訪問)
2. 体調が悪化した場合については保健センターが連絡を受け(24時間)、病院と調整(必要であれば救急搬送)
3. パルスオキシメーターを病状などにより貸し出し
※パルスオキシメーターは、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)を測定する機器。現在、各保健センターが10台ずつ保有。更に、全市で600台を確保予定。
新型コロナウイルス感染症_自宅で過ごされている方へ(PDF)
スケジュール
2021年1月21日(木)~(当面の間)
入院の優先度の高い患者への対応を強化し、重症化リスクの高い人への入院調整に注力するための対応とのことで、引き続き個人レベルの感染防止対策が求められていると思います。
日本医師会の中川会長は「全国的に医療崩壊という状態が多発し日常化している」と述べ、現状のままでは、トリアージや助かる命に優先順位がつけなければならないとしています。
世界的にみても新型コロナ感染者が少ない日本において病床が確保できていないのは、公的な保険制度で運営されている病院の大半が「民間」であることが原因とも言われ、病床確保に影響しているとする意見もあります。
とはいえ、見えないウイルスが相手というのもありますし、限定的な休業要請ということもありますし、個人レベルでの対策には温度差があるようにも思われます。今後の新規感染者の推移が気になるところです。
◆関連リンク
・市内での患者の発生状況について – 神戸市
カズマ
神戸ジャーナル 編集長
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