もうすぐ閉鎖！戦前から残る『ガリバートンネル』を見てきた。いつからある？今後どうなる？　～神戸・三宮～

再整備が加速するJR三ノ宮駅周辺。「新駅ビル」や「歩行者デッキ」の整備などが計画されており、エリア一帯が大きく変化しようとしています。

『JR三ノ宮新駅ビル（仮称）』などの準備工事が6月からスタート。通れなくなるルートや車線規制も

2023年5月30日

その工事区間に含まれるのが、地下出入口「A14」（通称『ガリバートンネル』）。

この場所に古くからあった地下へつながるトンネルですが、11月に閉鎖されることがすでに決定しています。

そこで、今回は閉鎖前の『ガリバートンネル』に注目！長年の歴史を振り返るとともに、今後のガリバートンネルの行方についても探っていきます。

神戸市中央区雲井通8-1

『ガリバートンネル』とは？

『ガリバートンネル』は、JR三ノ宮駅の海側、中央幹線（21号線）沿いにあります。南向かいには「神戸阪急」があるあたり。

地図で見るとこんな感じで、緑色で囲んだ「A14」のところです。（※地図の方角は、写真上側が西にあたります。）

トンネルを下って地下に行くと、さんちか「味ののれん街」と、JR三ノ宮駅をつなぐ地下通路のちょうど真ん中くらいに出ます。

地下から見るとこんな感じ。トンネルの道幅は、人がちょうどすれ違えるくらいしかありません。

知っている人も多いかもしれませんが、『ガリバートンネル』という名前の由来は、実は国民的児童向け作品「ドラえもん」から来ているんだとか。

入ると体の大きさが変わるという秘密道具「ガリバートンネル」が作品に登場しますが、その形が似ていることから、この愛称で親しまれるようになりました。

今と昔で異なる利用目的

特徴的な見た目から、現代では「撮影スポット」として写真を撮る人も多い『ガリバートンネル』ですが、そもそもどんな人に利用されてきたのでしょうか。

過去をさかのぼると、『ガリバートンネル』は、当時の「神戸市電」を利用する人々に使われていたみたいです。

「神戸市電」とは、神戸市が1917（大正6）年から1971（昭和46）年まで運営していた路面電車のこと。

道路の中央付近に停車する「市電」に乗り降りする時に、地下から乗り場に行けるように『ガリバートンネル』が使われていました。

ちなみに、当時は中央幹線に全部で4つの『ガリバートンネル』があったみたい。

現状『ガリバートンネル』は1つだけですが、そのすぐ近くには同じように地上へ続くトンネルの入口のような「跡」があります。

最近はというと、すぐ近くのバス停「三宮駅前」や、駐輪場を利用する人が使っていた印象です。

駐輪場は現在も稼働していますが、バス停は今年の3月末に廃止されたので、利用者は減っていたのかなと思います。

『ガリバートンネル』が閉鎖した後、今までこの地下出入口を利用していた人が代わりに使える通路はあるのでしょうか。

代替ルートどこがあるか見てきた

すぐ近くにある地下出入口と言えば、「三宮センター交番」の横でしたが、こちらはすでに閉鎖されていて使うことができません。

交番もすでにお引越ししています。

JR三ノ宮駅前の『三宮センター交番』が山側に引っ越してる。レトロだった建物はもうすぐお別れ

2023年8月9日

現存する1番近い代替ルートは、100メートルほど東側にある地下出入口「A23」（ミント神戸横）になります。

『ガリバートンネル』って廃止されるの？

『ガリバートンネル』周辺の再整備後のイメージ図はこんな感じ。

「ミント神戸」のある東側から「神戸阪急」のある西側までが1本に繋がる「歩行者デッキ」ができる予定です。

現在『ガリバートンネル』があるあたりには、エスカレーターで昇り降りできる計画なので「歩行者デッキ」がおもな移動手段になるのでしょうか。

気になるのは囲っているこの2カ所。

 赤枠 で囲っている箇所に四角いグレーの建物？があります。『ガリバートンネル』の代わりとなる地下出入口が現代的なデザインになって作り変えられるのでしょうか。

 青枠 で囲っている箇所にも、同じく四角い白色の建物が。「バス停」の様にも見えますが、この場所の「バス停」は廃止となっているので、屋根付きの駐輪場でもできるのでしょうか。

今あるバス停・駐輪場のどちらもなくなるようであれば、この地下出入口を利用する人は現状以上に少なくなるのかもしれません。

古くから残る『ガリバートンネル』は、ユニークな形とレトロな雰囲気でとても魅力的です。

通路の壁からはけっこう年代を感じられますが、その味が愛着として、親しみ深く感じている人も多いだけに、取り壊しされるかどうかは気になるところ。

残念ながら、現時点で取り壊しされるか否かは公表されていません。

完成イメージ図などを見る限りでは、11月の閉鎖のタイミングが見納めとなる可能性もありそうなので、写真に収めるなら今がラストチャンスになるのかもしれませんね。

◆関連リンク
・都心・三宮再整備KOBE VISION – 公式サイト