生田美玲さん遺体遺棄事件についての報道をまとめる。

長田区で神戸市立名倉小学校1年、生田美玲さん(6)が行方不明になっていた問題で、23日(火)、自宅近くで、袋に入った遺体が見つかりました。そして、君野康弘(きみのやすひろ)容疑者(47)が死体遺棄容疑で逮捕されました。

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生田美玲さん(6)が遺体で発見される。

発見現場は、生田さんの自宅から東に約100メートルの雑木林の中です。発見現場で見つかった複数のポリ袋には頭部など遺体が分けて入っていたそうで、ポリ袋は複数枚を重ね、しばった状態で、茂みの半径数メートルの範囲に置いてあったようです。

発見現場からはワンピースやサンダルも見つかり、生田さん(6)が身に着けていたものと同一のものでした。

発見されるまでの生田さんの足取り。

足取り

 

君野康弘(きみのやすひろ)容疑者(47)を死体遺棄容疑で逮捕。
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君野容疑者は、遺棄現場に向かう階段の上り口付近のアパートに居住。知的障害者に配布される療育手帳を持ってはいるものの、くわしい障害の程度はわからないという。君野容疑者は、雑談には応じるものの、事件については、「黙秘します」としか話さないという。

ポリ袋から君野容疑者の診察券、美玲さんが身に着けていたものと同一とみられるワンピースやサンダル、たばこの吸い殻も見つかった。吸い殻に付着した遺留物は、君野容疑者のDNA型と一致した。

県警は防犯カメラの映像などから不審者の絞り込みを進め、行方不明から5日後の16日に不審者のひとりに挙がっていた君野容疑者の自宅を訪問し、本人から話を聴いたが、不審な点はなく、家の中も調べたものの、美玲ちゃんの姿がなかったので、引き上げたという。

捜査関係者などによると、君野容疑者は鹿児島県出身で、遺体発見現場から約30メートルのアパートに1人で住んでいた。定職に就かず、生活保護を受けているという。

近くの理髪店の男性店主(68)によると、君野容疑者は酒を飲むと暴れることがあったといい、今年8月には酔って裸のまま路上で寝ている姿も目撃されていた。

近所の男性(72)は、君野容疑者の部屋の明かりが毎晩つけっ放しになっていることを不審に思い、警察に通報したことがあるという。君野容疑者は1年ほど前に引っ越してきたといい、長田区長田天神町の現場の草むらに続く階段に、一日中腰掛けて過ごすなど不審な行動も見かけられていた。

近くにある雑貨屋では、週に2~3回、カップ酒を購入。最後の来店は4~5日前だった。男性店長(64)によると、店には美玲さんもお菓子などを買いに訪れていたといい、君野容疑者と接点があった可能性もある。

一方、君野容疑者と氏名や年齢などが一致する人物が、主に日本人と中国人との間で友人を探すインターネットサイトに登録し、異性との出会いを求めていた形跡もあった。この人物は「結婚相手メルトモ募集」と自己紹介していた。 

生田さんの家族がコメント「受け止めることが精一杯の状態」

本日、容疑者逮捕の連絡を受けました。 

私達家族は、亡くなったという事実を現実として受け止めることが精一杯の状態です。

今の気持ちを外へ発信するだけの気力がございません。

情けないことではありますが、私達にできることは、静かに冥福を祈ることだけです。

どうか事情をお察し頂き、職場や自宅への取材はご遠慮下さいますようお願いします。

平成26年9月24日 家族一同

 

 

兵庫県警の会見(一問一答)

 

主なやり取りは次の通り(回答は全て矢野捜査1課長)。

 

(質疑応答)

 

容疑者の認否は。
「まず逮捕時間は本日午後0時26分。認否については『黙秘します』と言っている」

 

容疑者が捜査線上に挙がった経緯は。
「逮捕の決め手は、昨日発見した遺体の入った袋の一部にタバコ(の吸い殻)があり、そのDNA型が被疑者のDNA型と一致した。その他、本人の名前が書かれた診察券などが在中しており、君野を容疑者と認めて逮捕した」

 

被害者の女児との面識は。
「現在のところ全くしゃべりませんので今後の取り調べで明らかにしたい」

逮捕するまでに接触したのか。
「防犯カメラの捜査等で不審人物として把握していた1人だった。本人から話を聞き、居宅に被害者がいないことは確認した」

 

居宅に被害者がいないのを確認したのはいつか。
「9月16日」

 

女児が身につけていたリュックサックは容疑者宅から発見されたか。
「逮捕したばかりで、まだそこまでの捜査は行っていない」

 

見つかっていない遺体の一部は発見されたか。
「まだ見つかっていない」

 

容疑者に精神的な通院などの情報はあるか。
「病院関係の答えは差し控える」

 

無職となっているが、生活保護を受けていたのか。
「今後の捜査で確認したい」

 

遺体が入っていた袋の数と置かれた時期は。
「いつから置かれていたのかは今後の捜査で明らかにしたい。袋の数は捜査上支障があるので『複数の袋』としか言えない」

 

袋の発見状況は。
「捜査員が付近の聞き込み、遺留品の発見等のために捜査をしていたところ異臭がしたので確認をし、袋を発見した」

 

9月16日に捜査員が容疑者と接触したときのやり取りは。
「特段変わった様子はなかった」

 

捜査員が容疑者宅を訪れ、中を見たのか。
「本人から話を聞いて、居宅の確認をした」


神戸市立名倉小学校の動き。

 

美玲さんが通っていた市立名倉小にスクールカウンセラーを常駐させると発表した。また名倉小は同日、27日の運動会を中止にすることを決めた。

 

市教委は24日朝、全ての市立学校計306校・園に安全確保の徹底や心のケアに関する通知文を発信。周辺の小学校では、事件を受けて児童が登校できない事例が複数報告されているという。

 

市教委は名倉小や周辺小学校へのガードマンの配置のほか、通学路の再点検なども実施する方針。

 

雪村新之助教育長は「美玲さんの無事を祈り続けてきたが、それがかなわず悲しみでいっぱいだ。一刻も早く事件が解決することを願っている」とのコメントを出した。


専門家のコメント

元刑事の小川泰平氏は「普通、子どもの遺体を切断はしない。運びやすくしたのか。(被害者の自宅近くというのは)あれだけの警察官がいるなかではリスクが大きい。変質者の可能性があります」と語っていた。

元監察医の上野正彦氏は「普通の感覚なら、どこか遠くへ捨てます。被害者の自宅近くには捨てません。切断した場合は分散して捨てるのが普通でしょう。(犯人は)幼すぎるのか、普通の感覚ではないのかも…」と語る。

美玲ちゃんの失踪はナゾが多かったが、最大のナゾは警察の情報の出し方だろう。ある時点から、美玲ちゃんの姿が防犯カメラに写っていないのはナゾとリポーターは繰り返していたが、警察が黙っていただけだったようだ。美玲ちゃんが誰かと歩いているとか、捜査の手がかりになるものは出さなかった。
 
現場の記者の話では、遺体はきのう午後4時すぎに発見されていながら、午後7時の長田署の発表では、「事件の進展なし。有力な手がかりもなし」だったそうだ。メディアもなめられたもんだ。見つかったポリ袋の数さえ新聞によってまちまちなのだからあきれる。そんなものまで隠してどうするのか。
 
萩谷順(法政大学法学部教授)「(警察は)すでに目星はあったんでしょう。ただ遺体がみつからなかったので手を付けられなかったのではないか」

 

 

 

この記事を書いた人

カズマ

神戸ジャーナル 編集長

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