スマスイが定期的に発行する「PEACE」という情報誌があって、スマスイや海洋生物についての情報を掲載しているのですが、2019年12月に発行された「Vol.23」に『再開発計画』についての記載がありました。
昔はこうだったよとか、丸くいい話をしているのかと読んでみたのですが、かなりパンチのあるメッセージなので紹介しようと思います。何か色々考えさせられます。
今、スマスイで話題になっていることについて、以前ポイントを整理をしました。
「水族館という存在」というタイトルで、前スマスイ園長で岡山理科大学 生物地球学部 教授、現在はスマスイの「学術研究総括」というポジションにいる亀崎直樹(かめざき なおき)さんが書いています。ウミガメの研究者。
かなりエッジのきいたメッセージ。「資本主義は否定しないが、教育と報道は金にまぶしてはいけない」とし、現在の計画を「金儲けしか考えない人たち」と批判的に書いています。
現在のスマスイの運営について整理すると「須磨海浜水族園共同事業体」が運営し、株式会社アクアメントを代表として、株式会社名鉄インプレス、株式会社アクアート、一般財団法人神戸観光局で構成されています。指定管理者制度をとっていますので、市営ですが民間運営という形で、その民間運営の中に神戸観光局が参画している状況です。
2020年3月までは、「須磨海浜水族園共同事業体」が運営し、その後は再開発の優先交渉権者(設置予定者)が運営を引き継ぐ予定です。
最後のメッセージということなのか、研究者として黙ってられなかったのか、かなりパンチ力のある論説です。
よくよく再開発の選定委員をチェックしてみたら、京都大学の名誉教授「中坊 徹次」さんが海洋生物系の研究者として参加していますが70歳とだいぶご高齢で、基本的に建築、景観、観光、マーケティングの専門家が多いような気もしますし、計画スタンスとして観光地化というのが既定路線と言えます。
選定委員会
・赤澤 宏樹(兵庫県立大学自然・環境科学研究所 教授)
・柏木 千春(流通科学大学人間社会学部観光学科 教授)
・川北 健雄(神戸芸術工科大学環境デザイン学科 教授)
・綴木 公子(さくら萌和有限責任監査法人 代表社員)
・中坊 徹次(京都大学 名誉教授)
・増岡 亮(大手前大学メディア・芸術学部 准教授)
紙面では、その横にある「こぼれ話」というコーナーでも飼育教育部部長の文章で、ふんわり再開発計画をディスってる感じですので、こちらも黙っていられなかった様子。
いよいよ始まろうとしている再開発。観光分野に関わる事業者さんにとってはかなり期待値が高い再開発のような気もしますし、一方で、地元利用者としては、料金が高くなったりして反対したりもしています。それから、今回紹介した研究者の明確な反対。
単純に民間事業者と市民という構図だと、環境問題とかがなければコンテンツは民間事業者主導になる可能性もありますが、今回のポイントは、土地が「須磨海浜公園」でそれを貸し出して行うP-PFI方式であるというところ。つまり、市民の土地であるがゆえに、市民または行政の意見が一定反映されるはずスキームです。
最終的な着地は政治的に決めることになると思うのですが、もう少し議論が活発になればなと思います。地元の水族館とは何なのか。生活と観光はどのように混ざり合っていくのか。改めて考えるきっかけになればと。
多分まだ配布中ですので、興味があればぜひ。色々な場所にあります。どこかは分かりませんが。
須磨区民です
須磨海浜公園は日常的な散歩コースです
須磨海岸。昼間は世界に誇る景勝地。夜間は真っ暗闇で人様の行くところではありません。
観光資源としての須磨海浜公園は、昼間と夜間の格差が激しすぎます。
スマスイの再開発計画。水族園だけではなく、海浜公園を含む周囲への波及効果を考慮すべきです。夜間も明るくなれば、須磨海岸は観光資源としての価値が上がります。それは観光都市神戸には大きなメリットをもたらせるでしょう。
須磨区民はスマスイにはあまり行きません。私たちが関心があるのはスマスイではなく、須磨海岸です。
資本主義なので当たり前の事ですよね。
言いたい事は分かりますが、少子高齢化や若者の県外への流出、インバウンド需要の低さ、衰退し続ける経済などの深刻な問題を抱えてる神戸市の現状を踏まえると街を殺さないためにこの様な大胆なリニューアルは必要だとおもいます。
観光客向けにシフトするにしても、地元のコンセンサスで大失敗した感じですね。中でもノビパを無くしたのは最大の悪手。
料金が安いがつまらない施設なら、USJのように料金は高くても感動が体験できる施設ならその方がいいし、ガラガラの施設より結果的に多くの人に喜びを与える施設になる。