絶滅寸前?「神戸体操」について調べてみた

『神戸の学校ならでは』で思いつくものといえば、「神戸ノート」、給食のゼリー「とくれん」などありますが、「神戸体操」というものがあるんです。

って書いておきながら、神戸で小中高と育った人でも知らない人も多いんじゃないでしょうか。

本当に「神戸体操」が今でも学校で使われているのか、気になったので調べてみました。

「神戸体操」ってどんなもの?

まず体操なので、体育の時間に行われる神戸共通の「準備運動」的なイメージでしょうか。

神戸市のHPにアップされている「神戸体操」のやり方。象形文字ではないです。

「小学校1・2年生用」「小学校3~6年生用」「中学校男女用」「高校男女用」と4種類あって、「男女」とわざわざ言っているのは、それぞれ動きが違うからです。

「準備運動」だけでなく「筋力向上」も目的なので、腕立て伏せなど、なかなか頑張らないといけない動きがあって、「ラジオ体操の3倍くらいの運動量」という人もいるそうです。

過去に、日本経済新聞が学校を取材した動画。

正式には「神戸市学校体操」で、はじまりは1951年。

オリンピックに体操選手として出場した本間茂雄さんが中心となって考案され、戦後で学校現場もいろいろ混乱する中、児童が同じように取り組める体操を作るのが目的だったそう。

その後1965年に、学校現場で「神戸体操」を考え直すことになり、けっこう跡形もなく変わって、現在のものになったとか。結構古くからあるので、教師間で伝えるのも大変だったのでは?と思います。

初代「神戸体操」は、どんなものだったのか、資料が残ってないのでわからないとのこと。昔はビデオとかで記録はないと思うので、そらないか。

「神戸体操」の今

昨年度に神戸体操を実施していた学校は、小学校 0 校、中学校 11 校 、高校1 校。253 校中、わずか 4% ほど…少ない。神戸体操ですが、神戸でも少数派。

けど、今もやられてはいるみたいです。

昭和の頃、ほぼ全ての市立中学校で実施されていた時代もあるみたいですが、平成に入って学習指導要領の改訂の影響もあり、どんどん実施する学校が減っていったそうです。

「絶滅危惧種みたいになってしまっている」と教育委員会の方が残念そうに言ってました。

「神戸体操」のこれから

このまま廃れてしまいそうな勢いですが、もう一回普及しようとしているのか聞いてみると、「各学校に「やって」とは言えないけれど、子供たちの筋力低下も叫ばれているし、ぜひ残してもらえたら」(神戸市教育委員会)とのことです。

現役の体育教師の中には「神戸体操をなくしてはいけない!」という思いを持っている人がいて、どんな体操か知ってもらえるようにYouTubeにアップしたりしています。

録音のせいかもしれませんが、音源のレトロな感じが時代を感じさせますね。ちなみに、教育委員会には「レコード」が残っているそうです。

せっかく70年近く続いてきたのですが、今後はどうなるんでしょう?

◆関連リンク
KOBE健康クラブ – 公式サイト

 

この記事を書いた人

カオル

とりあえず「食パン」を買う人です。

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1 個のコメントコメントを残す
  • ディスプレイ

    舟漕ぎと天付き体操がありました。

    2021年11月6日7:22 PM 返信する