コロナ後から複数日の開催になった、神戸の花火大会。コロナ前の「みなとこうべ海上花火大会」から、現在は「みなとHANABI 神戸を彩る5日間」と改称されています。
ことしの開催は、10月20日(月)~24日(金)の5日間でした。
打ち上げが1回15分間×5日になったことで、観覧客の混雑もそれほどではなく、ほどよい感じ。

お祭り!浴衣!という意気込んだ感じというより、日常生活の延長として花火が自然に溶け込んでいる様子が、神戸らしいなと感じます。
実は花火大会の複数日開催移行は、写真愛好家にとって嬉しい出来事でもあります。なぜなら、花火撮影のチャレンジ回数が増えるからです。
Index
「写真が趣味です!」と言えるほどではないものの、ライターという仕事柄、いちおう一眼レフカメラを持っている私。
今までに何度か、ネット上で「花火 撮影 設定」と検索して出てきた方法をもとに、月に2回ほどある5分間の「神戸港ウィークエンド花火」を自己流で撮影してきました。

たしかに撮れてはいるんだけど、何か今ひとつ……。そういえば「自己流は事故る」という言葉も聞いたことがあります。
そんなとき、神戸観光局の日帰りツアー「神戸のとびら」で、初心者向けの花火撮影講座を発見。さっそく申し込んでみました。
ツアーのナビゲーター(講師)は木村知佳さん。夜景撮影を得意とする、神戸在住のプロカメラマンです。

花火写真:木村知佳さん撮影
ツアー内容はこちらから(企画は終了しています)。
さて、ツアー参加で私の花火撮影のスキルはアップするのでしょうか……!?
ツアー報告の前に、花火撮影に必要なアイテムを紹介します。
カメラ……この記事は基本的に、一眼レフorミラーレス一眼カメラの使用を想定しています。F値・シャッタースピード・ISO感度の調節ができれば、スマートフォンでも構いません。
三脚……花火撮影ではシャッタースピード(カメラが光を取り込む時間)が長くなるので、手持ちではブレてしまいます。そのため、三脚でカメラを固定することが不可欠。
レリーズ……遠隔でシャッターを押すリモコンのこと。カメラのシャッターを直接手で押すと、その振動で写真がブレてしまうためです。

レリーズ(シャッターリモコン)
花火撮影ツアーは10月23日、花火週間の4日目に行われました。
いきなり撮影場所に集合ではなく、まずは室内で座学。講師の木村さんが、花火撮影に適したカメラの設定や気をつけるポイントを教えてくれます。

この記事を読んでくださる方に、木村さんの許可を得て特別に、カメラの設定をお伝えすると…
●撮影モード……マニュアル(M)
●F値(絞り)……11~18
●シャッタースピード……3~6秒
●ISO感度……100
●ピント合わせ……マニュアルフォーカス(MF)
●手振れ補正モード……OFF
なお、撮影後にLightroomなどのソフトで編集することを前提にしているので、少し暗めに撮ります。
参加者には座学の内容が動画でもプレゼントされました。復習もバッチリできて、フォロー体制は抜群です。
座学で撮影のイメージができたら、いよいよ撮影場所に移動です。
花火の撮影ポイントとしてメジャーなのは、メリケンパーク、新港第1突堤(みなと温泉蓮のあたり)ですが、ポートアイランド北西の「ポーアイしおさい公園」も、写真好きの間では人気スポットです。
花火から少し距離はありますが、そのぶん広い画角で「花火と神戸の街」をとらえることができるからです。
打ち上げは18時30分からですが、17時に現地に行くと、すでにスタンバイをしている写真愛好家がたくさん!

明るいうちに、画角を決めてカメラの設定をしていきます。木村さんとスタッフさん2人の合計3人で参加者の元を回り、1人1人確認します。

ここで、私の三脚が気になった木村さん。持ち運びの便利さを優先してコンパクトなものを買ったので、私の三脚は脚が細いんです。
この日は少し風があり、脚が細いと三脚が揺れて写真がブレるリスクがあったので、木村さんが予備で持ってきていた頑丈な三脚を使わせてもらいました。

右(赤丸)が私の三脚、左(青丸)が貸してもらった三脚。脚の太さが全然違いますね
設定やピントを合わせたので、もうカメラを動かせません。そして、どんどん日が暮れてゆきます。
さあ間もなく、打ち上げ時間です。

メリケンパークでのカウントダウンのアナウンスが、潮風に乗って小さく聞こえてきます。いよいよ打ち上げが始まりました。
はじめのほうは、花火の打ち上げ間隔もまばらなので、タイミングが難しいです。

少し困ったのが、撮影した写真をカメラが読み込むのに時間がかかること。シャッタースピードが5秒だとしたら、次を撮影できる状態になるまでにさらに5秒ほどかかるんです。
その頃には花火の一つの山場が終わっていることが多々あり、歯がゆい思いをしました。どうやらSDカードの性能によるものだそうで、いつも店頭でいちばん安いSDカードを買ってるからだろうな……と反省。
わずか5分間の「ウィークエンド花火」なら、そうこうしているうちに花火が終わってしまうのですが、この日は15分間あるので心にも余裕がありました。
そして、いよいよフィナーレ。打ち上げ間隔が短くなるので、シャッタースピードを短くします。
そして、ついに……!

どうですか、この渾身の1枚。
ビフォー・アフターを比べてください。撮影場所や花火の規模が違うので単純な比較はできませんが、かなりいい感じになったと思いませんか?

木村さんのレクチャーはもちろん、ツアー参加者のお隣さんと「これでいいですよね?」と確かめ合いながらだったからこそ、最高の1枚が撮れたと思います。
複数日開催の花火のいいところは、「また明日も撮りに行ける」点です。
ツアーの感覚を忘れないうちにと、復習のつもりで翌日も撮りにいきました。この日は、花火をいちばん近くで見られるメリケンパークへ。
この花火大会は三脚利用の禁止エリアはありませんが、一般の観覧の方の邪魔にならないよう、普段より低めにセットし、私も座って観覧します。

三脚の利用可否は、必ず確認しましょう
ポーアイしおさい公園では聞こえにくかったBGMの演出も楽しみながら、撮れたのはこちら!

おおーーー。もちろん、上手な人から見たらまだまだなのでしょうが、自分としてはけっこう満足です。
やっぱり、一度教えてもらうとかなり違うものですね。ツアーに参加してよかったです!
15分間×5日間の花火大会は終わりましたが、5分間の「神戸港ウィークエンド花火」は、年内にあと2回あります。2026年は1月がお休みで、2月は2回実施されます。
・11月15日(土)18:00 打ち上げ
・12月6日(土)18:00 打ち上げ
(1月はお休み)
・2月14日(土)18:30 打ち上げ
・2月21日(土)18:30 打ち上げ
いずれも場所はメリケンパーク沖です。12月と2月では打ち上げ時間が違うので、間違えないようにしてくださいね。
カメラをお持ちの方は、この記事で公開した設定を参考に、花火撮影にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
・こうべみなとの夜(ウィークエンド花火や5日間花火、ほか神戸港でのナイトイベントサイト)
https://kobe-minatonoyoru.com/
・神戸港ウィークエンド花火Instagram
https://www.instagram.com/kobehanabi/
・みなとHANABI-神戸を彩る5日間-
https://minatohanabi.jp/
【ポーアイしおさい公園での花火鑑賞・撮影について】
ポーアイしおさい公園にお越しの際は、近隣の有料駐車場、または公共交通機関(ポートライナー)をご利用ください。近隣住民の方のご迷惑になるような行為は、絶対にしないでくださいね。
【ライタープロフィール】
合楽 仁美(ごうらく ひとみ)
神戸出身&在住のライター。経済メディアNewsPicksなどで活動。
2025年3月まで神戸市公式noteのライターを務めた。
お酒は弱いが酒場の雰囲気が好きで、数年前からバー巡りに凝っている。
縁側があって海の見える家に住むのが夢。

神戸公式観光サイト Feel KOBE
神戸の観光スポットやイベント情報、コラム記事など「神戸旅がもっと楽しくなるコンテンツ」を発信しています。
コウベdeナイト
1000万ドルの夜景を見渡したり、その輝きのなかに飛び込んだり。山からも海からも夜を楽しめる、神戸の街。コウベdeナイトは、夜景スポットに加え、ナイトイベントや港町神戸ならではのバーやジャズも紹介しています。
元記事:【カメラ設定レシピあり】 花火を写真に収めたい!感動のビフォーアフター














































ゲストオーサー
ライター一覧