『明石市役所』が大きく変わるみたい。「すべての人にやさしい」コンセプトの新庁舎を建設、広場でまちと海をつなぐ構造に

明石市 明石市役所 新庁舎 工事 建設 まちづくり
新庁舎北側外観イメージ
画像:明石市資料より

2019年に市制施行100年を迎えた明石市。2030年のまちのあるべき姿を「すべての人にやさしいまち」と定め、その実現に向けた拠点になる施設として『明石市役所』を大幅に刷新するそうです。


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築50年超、さまざまな課題抱える現庁舎

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画像:明石市資料より

明石市役所は、「明石城跡」がある兵庫県立明石公園から南東側、大蔵海岸公園からは西側の、海を望む場所に立地しています。

1970年(昭和45年)年に建設され、今年で築55年を迎える現庁舎は、耐震性能の不足や老朽化による管理コストの増大、バリアフリーやユニバーサルデザインへの対応不足など、多くの課題を抱えています。

2030年のまちのあるべき姿を「すべての人にやさしいまち」と定め、「すべての人にやさしいスリムでスマートな庁舎」にすべく新庁舎の建設を計画しています。

新庁舎は、単に行政の事務所としてではなく、市民サービスやまちづくりの拠点、「やさしいまち明石の発信拠点」となるような構造にするみたい。

市民負担をできるだけ軽減するため、事業費も抑制。庁舎面積のコンパクト化にも取り組み、デジタル技術などを活用してスリムかつスマートな庁舎を目指すそうです。

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画像:明石市資料より

現庁舎は、北側に来庁者用の立体駐車場があり、海側に窓口棟、事務等などがある構造です。

すべての建物の延べ床面積は合計約22,600㎡。事務棟は地上8階建てで、高さは最高で35.1mなんだそう。

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画像:明石市資料より

計画では、現在の立体駐車場の部分に「新庁舎」を建設して、建物をこの一棟に集約します。

来庁者用の駐車場・駐輪場は、新庁舎棟の南側に新たに平面駐車場を、新庁舎棟の北側に駐輪場を整備するみたい。

新庁舎棟の延べ床面積は21,360㎡で、地上7階建てになるそうです。

来庁者駐車場は2カ所あり、合計約200台を収容できます。

スリム・スマートな新庁舎へ

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新庁舎南側外観イメージ
画像:明石市資料より

外観デザインは、明石海峡の風景に呼応する軽やかな白い屋根をコンセプトにしているそうで、白いラインを強調したデザインに。

全体として未来へ進んでいく船のようなイメージなんだとか。

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画像:明石市資料より

フロア構成は、1~2階が「窓口」フロア、3~4階が「執務」フロア、5階が「議会」フロアで、6絵画「市民エリア・議場」となります。

1階の待合ロビーは、汐風をイメージした天井デザインに。2階待合ロビーは、フロア全体を見渡すことができる「わかりやすさ」を重視しているそうです。

6階の多目的スペースは飲食OKで、室内・テラスから「明石海峡」を望むことができます。

課題だったバリアフリー・ユニバーサルデザイン計画では、高齢者や障害のある人、子ども連れの人、外国人など、さまざまな来庁者に配慮して設計しています。

1階~2階間にはエスカレーターを設置し、ステップの確度や移動速度も考慮して、誰でも乗りやすいエスカレーターに。

出入り口付近では、音声標識ガイドシステムを導入します。視覚障害がある人への建物案内ができるそうで、人感センサーにより音響・音声案内ができるみたい。

エレベーターもバリアフリーに対応。西側に来庁者用3台、東側に来庁者・職員兼用2台を設置する計画で、すべてのエレベーターが車いす利用者、視覚・聴覚障害者でも利用できるそうです。

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画像:明石市資料より

外構にもこだわっているそうで、市役所周辺にはさまざまな広場を設けて、市民が集える場所に。

そしてすべての広場を通って、市街地エリアと海岸エリアをつなげる「汐風の道」を計画しているんだそう。

北側の広場は、まちとのつながりを生む玄関口として、常緑がベースの植栽の中に季節感のある落葉樹を織り交ぜて、四季の移ろいを感じられるようなエリアにするみたい。

南側の広場は、東経135度の傾きに合わせたデザインを取り入れ、明石の海の波をイメージしたベンチを設けるそうです。

ベンチの端には、波の白い飛沫を思わせるような白色系の植物も配置するんだとか。

災害時の対策拠点としても機能

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画像:明石市資料より

海の近くに立地するということもあり、インフラのバックアップ対策や災害対策拠点としての機能を持たせるほか、津波や高潮といった水害について浸水シミュレーションも行ったそうです。

災害時に必要となる非常用発電機を運転するため、最大3日間の燃料を常時備蓄。発電機は燃料を補給することで、1週間の連続運転が可能なんだとか。

飲料水などの受水槽、トイレ洗浄水などの雑用水槽には、災害時4日分の水源を確保。

7日間の排水を確保する緊急排水槽も設置し、災害時にも庁舎内のトイレなどが利用できる計画です。

2029年秋に完成予定

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画像:明石市サイトより

工事スケジュールは2025年3月から始まっていて、現在は立体駐車場を解体する段階です。

2025~2027年度にかけて新庁舎の建設工事を行い、現庁舎から移転。2028年度に現庁舎を解体し、外構工事をしていくみたい。

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画像:明石市サイトより

新庁舎の建設工事に伴い、今年7月から、来庁者用駐車場とバス停が仮設エリアに移転しています。

現庁舎北側の自転車・バイクの駐輪場は引き続き利用できるみたい。

仮設駐車場は新庁舎が完成する2029年ごろまで設置されます。

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画像:明石市サイトより

11月13日からは、新庁舎建設工事に伴う信号機や横断歩道などの移設のため、「市民会館前交差点」で車両の片側交互通行規制が実施されています。

規制時間は9:00~17:00で、規制期間は2025年12月下旬までの予定。

原則、土・日・祝日の規制は行わないそうです。


庁舎の位置が変わるだけでなく、明石の景観に合わせた外観デザイン、防災機能、まちと海岸をつなぐ外構計画など、明石市役所は「すべての人にやさしい」をコンセプトに大きく変わりそうですね。

明石市サイトでは新庁舎も含めた計画が詳細に公表されているので、詳しく知りたい人はチェックしてみてください。

◆関連リンク
市役所新庁舎整備に向けた取組について – 明石市サイト

 

この記事を書いた人

あさみ

「今年こそダイエット」が口癖です。

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