『神戸海軍操練所』と思われる「遺構」発見。現地説明会の参加者を募集してる

海軍操練所跡は、中央区新港町に拡がる東西約250m、南北約200mの広さの遺跡です。遺構が発見され現地説明会を行うそうです。

絵図などの資料により、1864年(元治元年)に江戸幕府によって設置された海軍操練所の跡地と推測されています。

2023年6月よりウォーターフロントエリアの再開発事業に伴い発掘調査を行った結果、石造りの築堤や、石積みの防波堤が発見されました。

発掘調査の成果から、3段階(神戸港開港以前、神戸港開港期、明治中期以前)の遺構が、重層的に残存していることが分かっています。

神戸港開港以前(1864~65年頃):神戸港開港以前
神戸港開港期(1868年頃):初期の神戸港第一波止場の石積防波堤
明治時代中期以前:第一波止場の石積防波堤と信号所の遺構

発掘調査の成果としては、以下の3点があげられます。

神戸開港以前の遺構がはじめて発見された
発見された遺構(石積の防波堤)は神戸海軍操練所の一部の可能性が高く、今後に続く発掘調査でその実態の解明が期待できます。

神戸港160年の歴史的変遷を物語る遺構の発見
神戸開港以前の遺構を土台に、神戸開港期から明治時代中期頃に構築された港湾施設が重層的に発見されました。

考古学の手法で神戸港発展の歴史的経過を検証した
発見された遺構を詳細な実測や写真等で記録し、様々な角度から検証が行われました。幕末までに築かれた港湾施設を考古学的な手法により調査を行った事例は、佐賀県三重津遺跡などがありますが極めて少なく、幕末に開港した5港(函館・横浜・新潟・神戸・長崎)のなかでは初めてのことです。

学識有識者のコメント

神戸市文化財保護審議会会長・大阪府立弥生文化博物館名誉館長
黒崎直(くろさきただし)氏

検出された石積遺構は立体的で保存状態も良く、見るものに感動を与える迫力がある。明治期における港湾施設の変遷を知るため、構築方法や石材の違いなどをより詳細に検討することが重要だ。また、わかりやすい復元図を作ることで発信力も高まるものと期待する。

発掘調査現場の所在地
神戸市中央区新港町16番地
JR三ノ宮駅より南へ徒歩10分

現地説明会の開催要項

開催日時
2024年1月13日(土)13:00~15:00
2024年1月14日(日)11:00~15:00
小雨決行。中止の場合は神戸市文化財課SNS(Xおよびfacebook)にて当日9時に告知。もしくは下記連絡先までお問い合わせください。

当日問い合わせ先
海軍操練所跡発掘調査現場(090-7481-6828)

申込方法
事前申込み制(神戸市イベント申込サイトによるオンライン申込み)
1月13日(土)午後1月14日(日)午前1月14日(日)午後
※足元が悪いため、汚れてもよい服装でお越しください。

申込期間
2023年12月27日(水)9:00~2024年1月12日(金)17:00

定員
各回100名(先着順)

参加費
無料


実際に現地で担当者に説明してもらえる貴重な機会なので、時間がある人はぜひ。先着順です。

 

この記事を書いた人

カズマ

神戸ジャーナル 編集長

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