恐竜絵画を集めた異色の美術展『恐竜図鑑―失われた世界の想像/創造』が開催されるみたい。兵庫県立美術館

兵庫県立美術館で、恐竜をはじめとする古代生物を復元した「パレオアート」など約150点が世界各国から結集した特別展が開催されます。

恐竜図鑑―失われた世界の想像/創造

2023年3月4日(土)~5月14日(日)
兵庫県立美術館


神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1

4章にわたる構成で、19世紀の恐竜“発見”以来、多様な姿で想像され、様々な形が創造されてきた恐竜というイメージの変遷をたどります。

【1章 恐竜誕生―黎明期の奇妙な怪物たち】
本展の冒頭を飾るのは、19世紀の恐竜“発見”から間もない時期に描かれた、パレオアート黎明期の作品群です。地質学者ヘンリー・デ・ラ・ビーチの原画による《ドゥリア・アンティクィオル(太古のドーセット)》は、イギリスの女性化石採集者、メアリー・アニングの功績をたたえるために制作された版画で、古生物の生態を復元した史上初の絵画のひとつと言われています。本展では、デ・ラ・ビーチの原画に基づくジョージ・シャーフの版画に加え、これを拡大したロバート・ファレンによる油彩画を出品します。

【2章 古典的恐竜像の確立と大衆化】
19世紀末から20世紀前半にアメリカで活躍したパレオアートの歴史上最大の巨匠、チャールズ・R・ナイトと、20世紀中盤から後半にかけてチェコスロバキア(現チェコ共和国)で活動し国際的に高く評価されたズデニェク・ブリアン。本章では、この二大巨匠に加え、イギリスで活躍したイラストレーター、ニーヴ・パーカーの有名な恐竜画も展示します。彼らの作品は、日本の図鑑などにも模写され、恐竜イメージの普及に大きな影響を与えました。かつての少年少女が胸おどらせ夢中で読んだ恐竜図鑑―そこに描かれた憧れの恐竜画のオリジナルが一堂に会します。 

【3章 日本の恐竜受容史】
19世紀に欧米で成立した恐竜のイメージは、世紀末には日本にも移入されました。古生物学者・横山又次郎によって「恐竜」という訳語が作られて以来、科学雑誌や子供向けの漫画、コナン・ドイルの『失われた世界』(1912年)といった古典SFの翻訳など、恐竜を主題にした出版物が広く刊行されることになりました。これと並行して、恐竜の姿を模した玩具模型が多数制作され、今日では恐竜人気を支える中心的アイテムのひとつとなっています。本展では、国内有数の恐竜アイテムの収集家である田村博氏のコレクションによって、我が国の文化史に登場する様々な恐竜を紹介します。また、恐竜をテーマにした数々の漫画を手掛けた所十三の代表作『DINO²(ディノ・ディノ)』の貴重な原画のほか、ファインアートの領域から福沢一郎などの作品を介します。

【4章 科学的知見によるイメージの再構築】
1960年代から70年代にかけて、「恐竜ルネッサンス」ともよばれる大きな変革がもたらされます。「鈍重な生き物」から「活発に動く恒温動物」へと恐竜像が変化したことに伴い、恐竜画もさらなる進化を遂げ、新しい表現のアーティストが次々と登場します。本展では、インディアナポリス子供博物館や福井県立恐竜博物館のコレクションから、ファンタジーアートの領域でもカルト的な人気を誇るアメリカのイラストレーター、ウィリアム・スタウト、パステルを駆使して太古の世界の光と影を精緻に表現するダグラス・ヘンダーソンなど、現代の恐竜画の旗手たちのバラエティ豊かな作品群が集結します。また、現代日本を代表するパレオアーティスト、小田隆の迫力ある作品も特集します。

前売券発売日
2023年1月20日(金)
「恐竜図鑑」兵庫展の前売券は、当日券よりも200円お得です。3月3日(金)までの販売となります。

主なチケット発売場所
公式オンラインチケット、兵庫県美術館ミュージアムショップ(前売券のみ)、イープラス、ローソンチケット【Lコード:52359】、チケットぴあ【Pコード:686-273】、セブンチケット【セブンコード:098-070】、CNプレイガイドほか

※高校生以下無料
※前売券の販売は2023年3月3日(金)まで
※団体は20名以上。団体鑑賞をご希望の場合は1か月前までにご連絡ください
※障がい者手帳等をお持ちの方1名につき、介助者1名は無料
※予約制ではありません。混雑時は人数制限を行いますのでお待ちいただく場合があります
※一般以外の料金でご利用される方は証明書を当日ご提示ください
※コレクション展は別途観覧料が必要です(本展とあわせて観覧される場合は割引があります)
※新型コロナウイルス感染症の状況により、会期等予定を変更する場合がございます。最新の情報は展覧会HP等をご確認ください

想像力によって創造された太古の世界の住人たちとの不思議な出会いを楽しめるのではないでしょうか。

◆関連リンク
【公式】特別展「恐竜図鑑—失われた世界の想像/創造」 – 公式サイト

 

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1 個のコメントコメントを残す
  • 灘区民

    中学生の時に恐竜の皮膚の色が、どうして解ったのか不思議でしたが、ヒサ クニヒコさんの本を読んで、想像のものであることが判明しました。
    近年は、メラノソームが残っているものは、部分的に色が解るそうですね。

    2023年1月20日5:31 PM 返信する