春の風物詩「いかなごのくぎ煮」のもととなるシンコ(稚魚)を生む、イカナゴの親魚の調査結果が発表されました。
早春に行われるイカナゴのシンコ漁に向けて、明石市にある兵庫県水産技術センターでは、毎年イカナゴの「親魚」がどんな状況かを調査しています。
画像:兵庫県水産技術センターだより より
調査は播磨灘北東部にて2024年12月から1か月間、「文鎮漕ぎ」という特殊な漁具をつかった方法で実施。
それによると、親魚の密度(文鎮漕ぎ1回当たりの採集数)は「7.2尾」で、昨年の「13.3尾」に対して6割強ほどだったそうです。
ちなみに2年前の調査では「26.6尾」だったので、年々減少傾向に。2017年漁期以降から続く不漁年のなかでも低い値をさらに更新した形です。
画像:兵庫県水産技術センターだより より
1986年を「100」とした場合の産卵量指数では、今年の指数はなんと「0.10」。
平年値(1986~2022年)を大きく下回り、こちらも2017年漁期から続く不漁年のなかでも低い値になりました。
兵庫県水産技術センターでは、1月下旬に播磨灘や大阪湾での稚魚の分布を調べ、2月上旬ごろにその結果を発表予定。それをもとに「イカナゴシンコ漁況予報」が発表されるスケジュールになってます。
例年シンコ漁は2月末~3月上旬ごろに解禁されていましたが、2017年の漁期以降は漁期を短縮。2024年は大阪湾では休漁し、播磨灘では解禁当日に漁を打ち切るなどして対応した影響で、漁獲量は統計が残る1970年以降で最も少ない「25トン」だったそうです。
今年の親魚調査も低水準だったため、休漁などの対策がとられる可能性も。そうすると今年の「くぎ煮」も高値が付くかもしれませんね。
◆関連リンク
・兵庫県立農林水産技術総合センター 水産技術センター – 公式サイト
あさみ
「今年こそダイエット」が口癖です。
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