映像コンテンツの誘致・撮影支援を実施する「神戸フィルムオフィス」が2023年度に支援した作品の「直接経済効果」が4億円を超え、過去23年間で最高額になったそうです。
「直接経済効果」とは、 撮影隊が撮影地域で直接支払う費用のこと。宿泊費・飲食費・交通費、資機材レンタルなどのほか、施設利用料やロケセット施工料、警備費なども含まれます。
2023年度は「シティーハンター」など月単位での長期ロケをした作品が多く、滞在費が増加したことが、「直接経済効果」の金額を大きくする要因になりました。
神戸フィルムオフィスは、2000年に神戸市によって創立されたフィルムコミッション(映画やテレビドラマ、CMなどの映像プロジェクトを地域に誘致し、地域の活性化等を目的に、撮影がスムーズに進行するようサポートする非営利団体のこと)。昨年までの23年間で3,700を超えるさまざまな映像コンテンツの誘致・撮影支援を実施してます。
2023年度は映画やドラマ、番組、CMなどで「計165作品」をサポートし、直接経済効果が「4億2,684万8,177円」となりました。
劇場・配信映画 | テレビ・配信ドラマ | テレビ・配信番組 | CM/MV その他 | 合計 | |
2023 年度 | 8 | 12 | 97 | 48 | 165 |
2023年度に、直接経済効果が「1千万円以上」だった作品は次のとおり(順不同)。
・シティ・ハンター(Netflix配信映画)
・帰ってきた あぶない刑事(日本映画)
・たとえあなたを忘れても(テレビドラマ)
・トレモロ(日米合作映画)
・神社(シンサ) (韓国映画)
・その他、配信映画1作品・配信連続ドラマ1作品・日本映画1作品
2023年度の直接経済効果の金額が大きくなった要因として、月単位での長期ロケをした作品が多く、滞在費が増加したことが挙げられるそう。
なかでも『シティーハンター』は、クライマックスの銃撃戦シーンのセットをベルトコンベヤトンネル(※)内に設営して撮影を行い、作品単体で「1億円以上」の直接経済効果がありました。
約半年間の制作期間(準備:約4ヶ月/撮影:16日間/撤収・原状復旧:約1ヶ月)に延べ約3,500人が従事。スタッフやキャストの宿泊や飲食のみならず、セット設営のための資機材調達や施工も地元企業へ発注されたとのことです。
※神戸市がポートアイランドなどの人工島造成時に、土砂をベルトコンベヤで運搬するために掘った巨大なトンネル施設。1964年の稼働開始以来、41年もの間「山、海へ行く」と謳われた神戸のまちづくりを支えてきたが、2005年9月にその役割を終えました。
ちなみに過去5年間の年度別経済効果・実績数はこんな感じです。
直接経済効果(単位:円) | 実績作品数 | |
2019年度 | 216,106,952 | 176 |
2020年度 | 19,978,100 | 123 |
2021年度 | 124,571,747 | 187 |
2022年度 | 54,669,806 | 244 |
2023年度 | 426,848,177 | 165 |
神戸で撮影される作品が今後もどんどん増えて、地元の宿泊施設や飲食店などの売り上げにつながっていけば嬉しいですね。
◆関連リンク
・神戸フィルムオフィス – 公式サイト
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