神戸市消防局が『心肺蘇生を望まない事案』への対応を開始

近年、高齢化等を背景に尊厳死の概念が広まり、救急現場において癌の末期や老衰などで、本人や家族が心肺蘇生を望まない事案が徐々に増加しているそうです。

このため、神戸市消防局では、これまですべての心肺停止状態の傷病者に対して心肺蘇生を行うことを救急活動の基本方針としてきましたが、心肺蘇生を望まない方への救急活動について本人の意思を最大限尊重するために、医師や弁護士等の有識者で構成される神戸市メディカルコントロール検討委員会において検討を行いました。

検討の結果、2023年4月1日から、これまでの活動方針を見直し、心肺蘇生を望まない方に対する新たな救急活動の運用を開始することとなりました。

神戸市メディカルコントロール検討委員会
医師をはじめとした有識者により構成され、救急活動方針の策定や事後検証体制の確保など、医学的観点から、救急救命士等の行う応急処置等の質を保障し、救急業務の高度化や円滑化を目的とした委員会です。

今後の救急活動について、救急隊が出動した現場において、傷病者本人が心肺蘇生を望まない意思を書面又は家族等からの情報提供により確認できた場合で、かかりつけの医師等から心肺蘇生を中止するように指示を受けたときには、救急隊はその意思を尊重した活動を行うこととしました。

人生の最終段階にある傷病者本人が、家族や身近な人、医師等と将来の医療及びケアについて事前に話し合い、傷病者本人が心肺蘇生を望まないという意思を医師が確認していることが前提となります。

医師に明確に意思を伝えている上での運用となるそうです。

 

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