新神戸駅の近く「神戸芸術センター」の30階にある『コインパレス』にいってきました。『コインパレス』は、アンティークコイン・モダンコインを扱っていて、その中でも「イギリス」のコインに特化した国内最大級のショールームです。
なんとなく聞いたことがあるという人もいるかもしれませんが、日本ではほとんどの人が「アンティークコインってなに?昔のお金?」となる人がほとんど。存在自体をあまり知られていないのが現状です。
なんとなく、難しそうで取っつきにくいイメージを持ってしまいますが、実際にショールームに足を運ぶと、初心者にも分かりやすく・手に取りやすいものもあり、新世界を体験できるオモシロイ時間になりました。
もくじ
● アンティークコインってなに?
● 日本の小判もアンティークコイン?
● モダンコインがオモシロイ
● アンティークコイン・モダンコインの魅力とは
● ショールームってどんなところ?
「アンティークコイン」は、100年以上前に鋳造されたコインの総称で、これまでに20万種類の存在が確認されています。
大きく分けると「当時、お金として使われていた硬貨」と「記念品として作られたコイン」の2種類がありますが、「コイン」といっても、私たちが想像する「お財布に入るサイズのコイン」ばかりではなく、両手でも持ち上がらないようなサイズのコインや、そもそも丸いコインの形すらしていないものもあります。
共通して言えることは、どれも「希少性」や「歴史的価値」が高く、現物資産になりうるものだということ。
アンティークコインを取得するには大きく2つの理由があります。1つは美術品・骨董品のようなコレクションとして、もう1つは資産としての取得です。
「アンティークコイン」の中には、5,000円程度で購入できる銀貨などもあれば、億単位の金貨などさまざまで、上の写真にある「ウナとライオン」はアンティークコインの代表格ともいえます。
表面には、若かりしヴィクトリア女王の横顔が刻まれており、即位を記念して作られた世界でたった400枚のうちの1枚。
22金(金品位 91.7%)でできたこのコイン。1グラム約8000円で計算すると、293,000円ほどの価値でしかありませんが、実際に取引される価格は「1億円以上」というから驚きです。
イギリスの通貨として使われていたものが、こんなに価値があるんだったら日本の小判はどうなの?そう疑問に感じ『コインパレス』の方に聞いてみました。
アンティークコインは、基本的に「希少価値」「歴史の価値」そして、「素材(地金)の価値」などで決まるので、もちろん小判もそのひとつと言えます。
世界でも少しずつ広がりつつありますが、コレクションとして集める多くの場合、3つの価値に加えて「美術品としての美しさ」も購入理由に含まれてくるので、現状イギリスコイン・アメリカコインなどが人気です。
今、私たちが日常で使っている日本円硬貨も、実は別にコレクション用のものが存在するということで見せてもらいました。
観賞用に普通の硬貨よりも光沢感を出して模様を目立たせているんだそう。
もちろん、このまま支払いにも使えるちゃんとしたお金ですが、すでに3倍の価値があるそうですよ。
「アンティークコイン」の中には、こうして日常家庭にあったものが、何十年・何百年もの時間をかけて海を渡ってくるものもあるんだと思うと、おもしろいですよね。
イギリスのコインに関しては、エリザベス2世が描かれている以降のものを「モダンコイン」と呼びます。
ダイアナ妃追悼の「5ポンド金貨」は、例外的に7,500枚も発行されたそうですが、即・完売した記録が残っており、今では「数百万円」の資産価値があると言われているそうです。
コインの価格からも、国民の想い入れや歴史がわかるんですね。
2020年の英国貨幣界で話題となった「ミュージックレジェンド・コレクション」。その第一弾としてモチーフになったのは、20世紀のイギリスを代表するロックバンド「QUEEN」です。
ミュージックレジェンド・コレクションとは…
イギリスを代表するポップスターを取りあげ、世代を超えて世界的評価を勝ち取ったその芸術性をコイン上に再現する型破りな企画。
表面には「エリザベス2世」が描かれており、裏面にピアノ・ギター・ドラム・ベースと、メンバー4人の楽器と「フレディ・マーキュリー」のマイクが描かれています。
発行数は世界にたった6枚で、現在の金額は1,100万円ですが、これを高いと感じるかどうかはあなた次第!
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こちらは「007」がモチーフとなったコイン。イギリス映画を代表する興行成績を収めた「007」の成功と、主役ジェームズ・ボンドの個性に捧げる「記念碑的名貨」です。
複数年に渡って発行されているのでデザインも複数存在します。それぞれの絵柄を並べると繋がるようになるというユーモラスな仕掛けもあり、ついつい揃えたくなりますね。
おもに、イギリスのアンティークコインが並んでいますが、中にはフランスのコインも。リボンの形をしたこちらも「モダンコイン」の一種になるそうで、「クリスチャン・ディオール」の代表的な香水がモチーフになっています。
2014年に、パリのフランス国立造幣局が創立1150年を迎えたことを記念して始まった全8回の「フランスの卓越」というシリーズ。その集大成となる8弾目に「クリスチャン・ディオール」が選定され、話題となりました。
こちらは両面ともに、ディオールのモチーフが描かれていて、発行数888枚・価格も59,900円と、これまでのものと比べて比較的、手頃な価格帯のモダンコインです。
もともと、王室から貴族への「下賜品」として価値を高めてきた「アンティークコイン」と違って、一般のコレクターに向けて発行されている「モダンコイン」は、年々注目度とともにその価値が高まっています。
これまでに紹介してきたように「アンティークコイン」「モダンコイン」は、美術品・骨董品の位置づけでコレクションする人が世界にはたくさんいます。
正直「自分にはあまり関係のない世界かな」と思っていましたが、モダンコインの中には身近な「ロックバンド」や「映画」がモチーフになるものもあり、ファンの心をくすぐる限定品も増えています。
では、コインは見て楽しむだけ?…と言われると、そうではないようです。
新型コロナウイルスなど、この2年「当たり前だった生活が突然、当たり前でなくなる」ことを身近に感じている人は多いのではないでしょうか。
「備えあれば患いなし」ではないですが、自分や家族の生活を守るために、今のうちにできる「備え」を…と考える人が急激に増えていて、はじめてアンティークコインに注目する人もコロナ禍前と比べると数倍にもなっているそう。
株や投資のほかに現物資産として、時計や宝石などを検討する人もいると思いますが、その選択肢の一つになりつつあるもののようです。
最近だと「大手オークションサイト」など、コインの入手方法が多岐にわたっています。出品者の情報だけではなく、自分で正確に見極めるポイントなどもコインパレスに聞いてみました。
アンティークコイン・モダンコインは、「誰かの手元にあったもの」や「美術館などで展示されていたもの」など、あらゆる場所から集まってきます。コインの価値を正しく決める第3者機関となるのが鑑定機関。つまり「信頼できる鑑定機関」かどうかが大切な見極めポイントとなります。
鑑定機関は世界に50社くらいありますが、二大鑑定機関「NGC」と「PCGS」がワールドスタンダードなので、そのいずれかの鑑定を受けた商品は安心して手に取っていただけます。
ちなみに『コインパレス』は、二大鑑定機関の公認ディーラーになっているようで、ショールームにも認定証が展示されていました。
『コインパレス』のショールームがあるのは、芸術センタービルの30階です。
ショールームは入った瞬間、部屋全体に高級感が漂っていて、まさに非日常空間。
初めての人は正直ちょっと緊張するかもしれませんが、扱っているコインがそれだけ大切に扱われるべきものなので、緊張感も楽しんでいきましょう。
完全予約制なので、同じ時間帯にお客さんがかぶるということもなく安心です。
予約の前に「資料請求」をしたり、LINEで「個別に問い合わせ」も。
「まずはアンティークコイン・モダンコインについて知りたい」「実際のコインを見てみたい」など気軽な理由で足を運べるようですが、とは言え「初めてなので少し緊張する…」という人はまずは問い合わせだけでもいいかもしれませんよ。
【スポット名】コインパレス
【住所】神戸市中央区熊内橋通7丁目1-13 神戸芸術センター30階(3003号室)
【電話番号】078-262-1151
【営業時間】10:00~17:00
【定休日】日曜日
【リンク】公式サイト / Instagram/ Facebook / Twitter / YouTube
※紹介した情報は、記事執筆時点の情報です。また、神戸市内の開店・閉店情報、イベント、街の変化など、情報を求めています。ぜひ情報提供をお願いします。※自分のお店でもOKです。
このみ
花や夕焼け空を眺める時間が好きです。
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