神戸北野ホテルで『世界一の朝食』と『非日常』を楽しむ一泊二日。食のレジェンド山口シェフが生み出した、静かにたたずむスモールラグジュアリー

ライター:キド

翌朝、『世界一の朝食』を堪能

北野ホテルの朝食が『世界一の朝食』と呼ばれるのは、総料理長の山口シェフがフランス料理界の重鎮「ベルナール・ロワゾ―」氏に師事し、世界一と評される朝食を公式に贈られたことが起源となります。

ホテルの1Fには、ロワゾ―氏から山口シェフに贈られた直筆のレターも飾られています。ぜひ探してみてください。

ディナーの際に「単なる伝承では意味がない」と話してくれた山口シェフのカスタマイズへのこだわりが、『世界一の朝食』でも表現されています。

山口シェフ お客様にオーダーされた料理を提供するのではなく、今、お客様にとって最良だと思える調理法でカスタマイズし、ご提案することが重要だと思います。

象徴的なのは、正面に並んだ色とりどりの『飲むサラダ』。野菜やフルーツを使ったジュース形式のサラダです。

左から、黄色(パプリカパッション)、橙(パイン・ビーツ・レモン・人参)、赤(紫キャベツ・レモン。モモ・セロリ・ライム・フリュイリュージュ)、緑(青りんご・バジル・レモン・パセリ・ライム・セロリ)

加えて、好みに合わせて右端のグレープフルーツジュース or オレンジジュースを選べます。

山口シェフ 本来、フランス(欧州)流の朝食にサラダはありません。サラダがあるのはアメリカ式の朝食。アメリカ式の朝食に馴れている日本のお客様にとってはサラダが無いと物足りない、というご意見をいただきました。かといって、そのままサラダを出せば良いというわけではありません。そこで北野ホテルでは『飲むサラダ』というカタチでご提案しています。さらに、このジュースは、地元の食材を中心にその時最も旬な野菜・果物でメニューを設計する。それがカスタマイズするということなんです。

山口シェフの想いを体現したのが『世界一の朝食』なんです。では、順番に紹介していきます。

パンとフィナンシェ。クロワッサン、パン・オ・ショコラ、フィナンシェなど、様々なタイプの焼きたてパンが楽しめます。

 

 

バケットは2段構造になっていて、下の段にも異なるフランスパンがあり食べきれないくらいのパンが並びます。

心配ご無用。パンは残ったらテイクアウトできますし、持ち帰り用の袋もついているので、細かい心遣いが嬉しいポイントです。

3種のバター。トマト(赤)、パセリ(緑)、プレーン(黄)濃厚だけどしっとりとした甘みを感じるバターです。

好みのパンを選んで、バターを変えると組み合わせは無限に。飽きることなく美味しくいただける工夫がなされています。贅沢に、1口ずつパンをちぎってバターの味を変えても良いかと思います。

生コンフィチュール(ジャム)と栗の蜂蜜、アーモンドペースト。フルーツの生の美味しさを引き出す低温真空調理で仕上げた、いちぢくの生コンフィチュール。

パンにつけて食べても良し、ヨーグルトに入れても良いですよとオススメされました。そのまま食べてもしつこくなく、フルーツの美味しさが引き出されている上品な味わいです。

一緒についている栗の蜂蜜やアーモンドペーストも、パンやヨーグルトと組み合わせて楽しめます。

ポトフ。鶏のコンソメと野菜のスープ。温かい状態が良いので、一番最初にどうぞ。

生ハム。そのまま食べるのも良いですが、パンにのせて食べても絶品。

生ハムの上に3種のバターをたっぷり載せて食べると、濃厚なハムの塩味としっとりバターのなめらかな口当たりで究極のハムに。

ヨーグルト。生ハムとバターで塩味を味わった後は、お口直しにヨーグルトの酸味が際立ちます。コンフィチュールや蜂蜜との相性を考え、ヨーグルトの味わいはシンプルなのでここでも組み合わせを楽しみましょう。

好みに合わせて、コンフィチュールについているグラノーラを使ってヨーグルト・グラノーラにするのもgoodです。

 

 

タピオカ・オ・レ。タピオカを甘く炊いたタピオカ・オ・レ。丹波産の黒豆と一緒に、ドライフルーツやナッツが楽しめて、ココにも地産地消のこだわりが入っています。

プルーン。非常にやわらかいひと口プルーン。紅茶風味で素材の味を引き出しています。

半熟卵。厳選した丹波地鶏の卵を使用した半熟卵。

こちらも兵庫県産、豊岡産の少し塩を振って、スプーンですくっていただきます。丹波地鶏と豊岡の塩のコラボレーションです。

濃厚な黄身とかかった塩をよく混ぜていただくことで、卵の甘味をより引き立たせてくれる感じ。個人的には、白身も併せてグチャグチャに混ぜて食べると、ちょうど好きな濃さでした。

季節のフルーツ。巨峰、ブルーベリー、パインなど、地元産のフルーツが並びます。新鮮な厳選フルーツなので、口の中でジュワリと果汁があふれます。

今回、山口シェフにとっての『世界一の朝食』とは何か?についてもお聞きしました。

山口シェフ 『世界一』というのは、唯一無二の時間や空間を楽しむという意味でもあります。日頃の喧騒から離れ、特別な非日常を大切な人と最高の食事を食べながら過ごすこと。お客様一人ひとりにとっての内なる『世界一』を味わっていただきたいと願っています。

今、この瞬間を大切に生きる尊さを食事を通して実感して欲しい。『世界一の朝食』はそんな山口シェフの想いの詰まった朝食でした。

 

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キド

コンテンツプロデューサー

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