神戸・明石・西宮の『こども医療費助成』を比べてみた!どの市が子育てしやすいん?

こども医療費助成制度とは、子どもが健康保険証を使って医療機関などを受診したときに、公費で保険診療を負担してもらえる制度のことです。

この制度は市町によって手厚さが異なります。近年では明石市が「所得制限なしで18歳まで医療費無料!」ということで、全国でも話題になってますよね。

では神戸市をはじめとする他の市町で、制度の中身がどのように異なっているのかご存知でしょうか?今回は神戸市明石市西宮市を比較していきます。

Index
・『こども医療費助成制度』とは?
・自己負担が発生するのは、子どもが何歳のとき?
・神戸市
・明石市
・西宮市
・どの市の『こども医療費助成制度』が手厚いのか?
・医療費だけじゃない、神戸の子育て支援

『こども医療費助成制度』とは?

兵庫県の公式サイトによると、この制度の名称は子どもの年齢によって分けられるようで、0歳から小学校3年生までは乳幼児等医療費助成制度、小学校4年生から中学校3年生まではこども医療費助成制度が適用されます。

しかしながら神戸市・明石市の公式サイトでは子どもの年齢にかかわらずこども医療費助成制度という名称が使われてるので、多くの人にとってはその呼び名が一般的なのではないでしょうか。

さらに兵庫県の公式サイトでは助成の対象者・所得制限・一部負担金についての情報と共に、以下のような記載もあります。

市町によっては、県の助成範囲に上乗せをして助成をしており、対象要件・所得制限・一部負担金等が異なっている場合があります

つまり県では助成制度に関する最低限の条件を決めているけれども、市町によっては上乗せしてさらに手厚くなる場合があるということみたいです。

自己負担が発生するのは、子どもが何歳のとき?

冒頭でも述べたように、近年では「18歳まで医療費無料」の明石市が注目を集めてます。

これは「明石市では18歳までの保険診療を公費で全額カバーしてもらえるため、自己負担がゼロ円」ということを意味してます。

では、神戸市西宮市ではどうでしょうか?細かい条件は後ほど確認するとして、まずは外来診療の場合、子供が○歳のときに、自己負担が発生する or しないという点に絞った一覧表を見てみましょう。

表 <神戸市・明石市・西宮市の外来診療における『こども医療費助成制度』の自己負担あり・なし>

-:自己負担なし
● :自己負担あり
△:所得によって自己負担の有無が異なる

3つの市で共通しているのは0歳は所得に関係なく、医療費が完全無料ということだけ。

神戸市は、0~2歳は自己負担なしで、3歳~中学生は自己負担あり高校生の年齢になると助成制度の対象外です。

明石市の表にはズラッと「-」が並んでます。つまり0~18歳まで自己負担なし!非常にシンプルな内容です。

西宮市の表を見ると「-」「●」「△」が登場してます。0歳は自己負担なしですが、1歳~中学生は所得によって自己負担ありの人なしの人に分かれます。そして高校生の年齢になると、所得に関係なく自己負担が発生します。

この表では「外来診療の場合、子供が○歳のときに、自己負担が発生する or しない」という点のみを紹介しました。次は各市の具体的な条件をチェックしていきます。

神戸市

神戸市では「神戸市内に住んでいる」「ひとり親家庭等医療費助成 or 重度障害者医療費助成を受けていない」「生活保護を受けていない」という条件を満たしていれば、すべての子どもの保護者が助成を受けることができます。

『こども医療費助成制度』の所得制限は全国的に撤廃が進んでいるようですが、中学生から所得制限がある大阪市、3歳以降から所得制限がある横浜市のような場所も残っているので、そういう意味で所得制限を設けない神戸市は公平だと言えるのかもしれません。

神戸市では、0歳~高校3年生の入院については自己負担なしとされています。※18歳到達後、最初の3月31日まで。高校などに通っていない人も対象です。

差額のベッド代や入院時の食事などは助成の対象外になるものの、入院費は高額になりがちなので、公費でカバーしてもらえるのはありがたいですね。

気になる外来診療ですが、0~2歳は自己負担なし3歳~中学生は自己負担2割と決まっていて、金額は1医療機関・薬局ごとに1日最大400円です。

自己負担が発生するのは月2回までで、3回目以降は無料になるので、お子さんに持病があり頻繁に通院しなければならないご家庭は助かるんじゃないでしょうか。

明石市や西宮市とは違って、高校生の外来診療は助成なし。こども医療費助成の対象外となり大人と同じだけの自己負担額が発生します。

ちなみに先ほど、中学生から所得制限が発生する市町として大阪市を例に挙げましたが、そのかわり家庭の扶養人数や収入によっては高校生も助成対象に入ることがあるみたいです。

神戸市は家庭の状況にかかわらず高校生から助成対象外となるので、そこは大阪市とは異なるところですね。

ちなみに、2023年1月31日の神戸新聞の記事によると、神戸市は2023年度から子どもの医療費のうち外来の助成対象を18歳まで広げる方針を固めたとのこと。

現行の3歳~中学3年生と同様に、高校生の通院の負担が1医療機関あたり月2回まで、1回上限400円になるんだそう。3回目以降は無料になります。

2023年10月から導入する予定で、市は関連費用約3億5千万円を23年度当初予算案に計上するという話なので、神戸市の助成内容も今後変わっていきそうです。

明石市

明石市では0歳~高校3年生が、入院・外来診療ともに自己負担なしです。※18歳到達後、最初の3月31日まで。高校などに通っていない人も対象です。

生活保護法による医療扶助を受けている場合は受給できませんが、その他の条件としては「対象者の住所が市内にある」「対象者がいずれかの健康保険に加入している」という2点のみで、年齢による所得制限もなし

神戸市や西宮市だけでなく、全国にある他の市町と比べても群を抜いてシンプル&分かりやすい制度になっているのではないでしょうか。

明石市では2006年に、兵庫県内で初めて0~6歳の医療費を無料化。2013年には中学3年生まで拡大し、所得制限も廃止して、完全無料化を果たしました。さらに2021年には、対象年齢を高校3年生までに拡大したという歴史があります。

医療費助成のほか、第2子以降の保育料の完全無料化、0歳児のときに毎月おむつや子育て用品が自宅に届く「おむつ定期便」中学校の給食費の無償化など、子育て支援の手厚さが注目されたことが一因となり、明石市の人口はこの10年間で増加し続けています。

2021年には、明石駅前の商店街が過去最高の収益を出すという経済的な影響もあったみたいですよ。

西宮市

西宮市で助成を受けられる条件は「西宮市に住民登録があること」「いずれかの健康保険の加入者であること」なので、これは明石市と同じです。

しかし具体的な助成内容は、神戸市や明石市に比べると少し複雑かもしれません。

0歳所得制限なし入院・外来ともに無料。神戸市では「0~2歳の期間中に自己負担なし」なので、それに比べると1年短いようです。

1歳~中学生の期間には所得制限が設けられているので、人によって自己負担額が異なります。

具体的には、所得が基準額に満たない場合は入院・外来ともに自己負担なし

所得が基準額を超える場合、入院自己負担1割(月3,200円限度)外来診療が1医療機関などあたりで自己負担 1日800円限度(月2回まで)です。

つまり、所得が基準額未満の場合は「0歳~中学生まで入院・外来ともに完全無料」になるけれど、基準額以上の場合は「1歳から自己負担が発生し続ける」ということですね。

他の市と比較してみると、神戸市・明石市の「高校3年生まで入院無料」に対して、西宮市では所得によっては1歳から自己負担が発生するようです。

さらに外来診療のときにも、所得によっては1歳から「1日最大800円」を支払う必要があるので、神戸市の「1日最大400円」よりは家庭の負担が大きいように思えます。

しかし西宮市では2022年末まで、所得基準額を超えている「小学4年生以上」はそもそも「助成対象外」という状況でした。2023年1月1日から対象年齢が高校生まで拡大されただけでも、改善傾向にあると言えるのではないでしょうか。

西宮市がこの勢いで子育て支援に力を入れていくとすれば、『こども医療費助成制度』の内容が他の市町よりも手厚くなる可能性は十分にあります。

どの市の『こども医療費助成制度』が手厚いのか?

『こども医療費助成制度』の内容に限って言えば、やはり0歳~高校3年生は、所得に関係なく、入院・外来診療ともに「自己負担なし」明石市がダントツで手厚いように思えます。

神戸市でも、0歳~高校3年生入院する場合には所得に関係なく「自己負担なし」なので、これは明石市と同じ。

明石市と大きく異なるのは外来診療の場合で、3歳になると2割の自己負担が必要になってきます。

支払う金額は1医療機関・薬局ごとに「1日最大400円」とはいえ、お子さんに持病があって頻繁に通院しなければならない家庭や、きょうだいがいる家庭では、積み重なると負担が大きくなっていきそうです…。

また高校生の年齢になると助成制度の対象外となってしまうのは、3市のなかでも神戸市だけです。

西宮市では、0歳の期間のみ入院・外来ともに無料ですが、それ以降は所得によって自己負担がゼロか否かが決まります。

さらに西宮市は自己負担の金額が3市のなかでは高い一方で、神戸市とは違って高校生までが助成の対象に入ってます。

神戸市・西宮市のどちらの制度を「手厚い」とするのかは、人によって判断が分かれそうなところですね。

医療費だけじゃない、神戸の子育て支援

今回は『こども医療費助成制度』に限定して神戸市・西宮市・明石市を比較してきましたが、行政による子育て支援の方法は他にもあるはず。

神戸市では2023年1月、「切れ目のない子育て支援」充実の向けての取組について今まで以上に効果的な発信を行うためこどもっとKOBEというWebサイトを公開しました。

こどもっとKOBEでは、神戸市の特徴ある子育て支援として以下のものが紹介されてます。

こべっこウェルカムプレゼント
産後ケア事業
おやこふらっとひろば
・パーク&ライド型保育園
保育送迎ステーション
こども本の森神戸

ついに3月25日オープン!安藤忠雄建築の『こども本の森 神戸』を一足先に見てきた

2022年3月22日

神戸市や周辺都市の子育て支援がどのように進んでいくのか、今後も注目していきましょう。

◆関連リンク
乳幼児等医療費助成事業 – 兵庫県
こども医療費助成制度 – 神戸市

乳幼児等・こども医療費助成制度 – 西宮市
こども医療費助成 – 明石市
こどもっとKOBE – 公式サイト

 

この記事を書いた人

やよい

「推し」のライブによく出没します。

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2 件のコメントコメントを残す
  • しらたま

    西宮市も、18歳まで、子供医療費、無料ですよ。

    2024年1月17日10:25 AM 返信する
    • 匿名さん

      違いますよ。記載通りですよ。

      2024年2月25日9:20 AM 返信する