多様な家族のあり方をサポートする『パートナーシップ制度』を導入する自治体が増えています。
神戸市は「ライフパートナー制度」を2023年12月からスタートしており、兵庫県でも2024年4月から「兵庫県パートナーシップ制度」が始まります。
事実婚カップルなど、日常の困りごとや課題を解決する制度
『パートナーシップ制度』は同性カップル、事実婚など、さまざまな家族のあり方のなかで、そうした人たちの日常の困りごとや課題を解決する重要な制度です。
全国的にも導入する自治体が増えていて、現在は20都府県で導入しているそう。兵庫県内では神戸市をはじめとする17の市町が対応しています。
同制度では、届出要件を満たしたうえで、必要書類とともに申請します。県や自治体は2人の申請内容を検討したうえで、「証明書」を発行します。
法的な効果はないものの、この証明書を活用すると、公営住宅の入居、携帯電話の家族割引、さまざまな行政サービスなどで、これまでよりもスムーズに手続きできるようになる、という仕組みです。
兵庫県がこの制度を創設する目的は、法的に婚姻が認められていない同性カップル、様々な事情により婚姻の届出をしない、あるいはできない人などを念頭に、日常生活での困りごとや不安の解消につながれば、ということみたい。
希望に応じて子ども・親などの氏名も「証明書」に記載
兵庫県は1月10日に行った記者会見で、性的マイノリティのカップルや事実婚のカップルを対象とした「兵庫県パートナーシップ制度」の素案を発表しました。
兵庫県の制度では、希望に応じて子ども・親などの氏名も「届出受理証明書」に記載できるのが特徴です。
例えば当事者の親や子どもが病院にかかるときになった場合の対応や、保育園へのお迎えなどで役立てられる想定みたい。
オンラインや郵送での申請に対応しているため、兵庫県内のどこの地域に住んでいても届け出できます。希望すれば対面申請もOKです。
神戸市の「ライフパートナー制度」などと同様に、申請する2人ともが満18歳以上で、どちらか1人または2人ともが県内に住んでいる、あるいは県内に引っ越してくる予定があること、法的な結婚をしておらず、ほかの人とパートナーシップ関係にないこと、2人は近親者でないこと、が要件になってます。
齋藤元彦 兵庫県知事によると、「パートナーシップ制度」を実施している県内市町との相互利用も含めて、県内外に引っ越しする際の手続きの簡素化など、ほかの自治体との連携も視野に入れているんだそう。
「制度の必要性を感じる人たち」のために創設
齋藤知事は会見で、「パートナーシップ制度について県民や性的マイノリティの人たちからの声を受けたことがあるか」との質問に、「外資系企業との意見交換の中で、パートナーシップ制度が不可欠になってきているとの声を聞いたことがある」と返答していました。
例えば、兵庫県内は外資系企業がたくさんありますが、外資系企業との意見交換の中で、パートナーシップ制度が不可欠になってきている声を企業の幹部クラスの方から聞いています。
外国も含めた優秀な人材が兵庫県や神戸市内で働く時に、そのような制度がないことによって、配属に対するためらいなどを感じる例が出てきつつあるという声でした。
それ以外にも、県民の皆さんの中には、パートナーシップ制度の必要性を強く感じている方はたくさんいると思うので、そのような声を受け、制度の実施につなげてきました。
この素案に対する「パブリックコメント」の募集が、素案発表翌日の1月11日~2月2日に実施されていました。
集計などの結果報告は2月末ごろに行われる予定です。
さまざまな事情があって、法的な「婚姻」という形をとらない/とれない人たちにとって、日々の困っていたことの解決につながりそうな制度ですね。
◆関連リンク
・兵庫県パートナーシップ制度(素案)について – 兵庫県
ここのところ兵庫県が色々と発表していますね。どれも私自身には直接関係していない事ですが、それでも兵庫県に活気が出てきたようで嬉しく思います。斎藤知事にはこれからも頑張って欲しいですね。