プロに聞く!「美味しいコーヒー」をいれるコツとは?こだわりの専門店で飲み比べも

平成最後の2019年にオープンした「平成珈琲」。豆の産地はもちろん、熟練の焙煎士さんによって焙煎された豆を、出来るだけ「出来立てホヤホヤ」の状態で届けることにこだわった珈琲専門店です。

オンラインでの販売がメインですが、地下鉄海岸線 中央市場前駅から徒歩1分のところにある、平成珈琲の直営店・自家焙煎工房『Origin(オリジン)』で、直接豆とドリップバッグを購入できるようになっています。

2階には、カウンター4席があって、熟練の焙煎士さんにコーヒーの話を聞きながら過ごせるので、コーヒー好きの方にはとくにおすすめの場所。

ということで、今回は、「平成珈琲」の自家焙煎工房『Origin(オリジン)』にお邪魔して、焙煎の様子と、おすすめのコーヒー、プロの美味しい淹れ方をご紹介します。

Index

平成珈琲のこだわりって?
珈琲一筋37年!焙煎技術をご紹介
おすすめ商品をご紹介!珍しいコーヒーの提供も
プロに聞く美味しいコーヒーを淹れるコツ

平成珈琲のこだわりって?

「平成珈琲」では、世界中のコーヒー原産国から、たくさんの品種、こだわりの農園のコーヒー豆を取り扱っています。

美味しい珈琲をつくるために大切にしていることは「原料」とそれを活かす「技術」、そして「鮮度」なんだそう。

とくに「鮮度」に関しては、1週間以上経ったものは店頭に並べないほどのこだわりです。

すべての生豆は、熟練焙煎士さんが状態を見極めて厳選し、納得したもののみが使われています。

そこに、農園主が思いを込めて作ったコーヒーの特徴が十分に発揮される、適正な焙煎度合いを見極める技術があわさって、素材がいかされた唯一無二のコーヒーになるそうです。

珈琲一筋37年!プロの焙煎技術をご紹介

自家焙煎工房『Origin(オリジン)』の1階には、1987(昭和62)年の焙煎機が置いてあって、お店に入ると1番に目に入ってきます。

「平成珈琲」で焙煎している宮田さんは、23歳からコーヒー業界一筋。某大手コーヒーメーカーで工場長として、仕入れから、製造、品質管理まで一手に担い、37年間コーヒーに真摯に向き合ってきた方です。

焙煎をするときは、豆の品種・状態だけでなくその日の気温・湿度・気圧なども加味して、焙煎時間や温度・ガス圧などを細かく調整するんだとか。

自動化が進む現代においても、長年の経験でしか補えない丁寧な焙煎こそが、素材の魅力を最大限追求できる「平成珈琲らしさ」とも言えます。

豊富な知識と経験を持つ宮田さんのコーヒーは、同業者の方も飲みに来るほど。日によるかすかな違いを敏感に感じ取って焙煎加減を決める姿は、まさに職人ですよね。

焙煎が始まってしばらくすると「ぱちぱち」という音が聞こえてきます。豆が膨らんでいる音で、最初に聞こえた音を「1ハゼ」と呼ぶそう。

「2ハゼ」が聞こえると宮田さんの表情が集中モードに。五感を研ぎ澄まして、煎り具合を微調整していきます。豆が煎り終わると、冷却槽で冷まして完成です。

産地や品種だけでなく、ちょっとした違いで味わいに変化が出るコーヒーの面白さを知り、焙煎士・宮田さんだからこそ出せる味を体験してみることに。

おすすめ商品をご紹介!珍しいコーヒーの提供も

2階へ上がると、L字のカウンターが設置されていて、その上には焙煎したてのコーヒー豆が7種類。ブレンドが3種類、豆1品種のみのシングルが4種類、置かれています。

人気No.1は「焙煎士特別ブレンド」。苦味と酸味がバランス良く、焙煎士さんいわく黄金比率なんだそうです。

そのほか、お店がある兵庫区の土地柄をイメージした「船大工町ブレンド」は、どこか懐かしい優しくてマイルドな味わいになっているんだとか。

もう1種類は、その週おすすめのブレンドも。4種類のシングルも毎週ラインナップが変わるので、焙煎した豆は公式LINEでお知らせしてくれます。常連さんはLINEをチェックしてお店に来るみたいですよ。

好みの味や、そのときの気分にあわせて、ぴったりのコーヒーを提供してくれる「平成珈琲」。数名で訪れるときは、別のコーヒーを頼んで飲み比べる方も多いんだとか。

今回は、ブレンド、モカ、そして世界一の農園と言われる「パナマ エスメラルダ農園」で最高峰とされるオークションで競り落とされた「ゲイシャ」という稀少なコーヒーを飲み比べてみました。

酸味や苦味、香りもすべて違っていて、1口ごとに驚きが。フルーティーで酸味のあるなかにも苦味が感じられるなど、コーヒーらしい味わいを大事にしているそうです。

飲みやすくて、喉にひっかからず、普段はあまりブラックで飲まない方も、すっきり味わえますよ。

「鮮度」を大事にしているからこそ、冷めても味が変わらず、透き通った液色がきれいなのも特徴です。

とくにオークションは、焙煎士の宮田さんも興奮して語るほど、希少価値の高いコーヒー。

一生に1回味わえるかどうかくらいなんだそうで、そんなコーヒーに出会えるお店が神戸にあるのは嬉しいですよね。

品種だけでなく、どんな農園で育てられた豆なのか、その豆のストーリーまで知れると、さらにコーヒーへの愛着が湧きそう。

プロに聞く美味しいコーヒーを淹れるコツ

最後に、37年のコーヒーの知識と経験を持つ「平成珈琲」の焙煎士・宮田さんから聞いた、お家でのコーヒーの美味しい淹れ方をご紹介。

常温の豆に、90~95℃のお湯を使います。熱湯で淹れると角がたってしまうので、ポットに移すなどワンクッション置くとちょうどいい温度に。

ちなみに「平成珈琲」で提供しているコーヒーは、贅沢に18gの挽いたコーヒー豆を使っていて、出来上がりが140ccになるようお湯の量を調整しているんだとか。

抽出でとくに大事なのが、コーヒー豆にお湯がしっかり回ること。お湯とコーヒー豆が膨らんで、しっかりと水分が入ることで、本来の味が出てきます。

ぽたぽたと水滴が落ちるのを目安に、1投目をストップして、20~30秒蒸らします。膨らみがへこむ前に、2投目を注ぐという流れです。

お湯を注ぐときは、注ぎ口が細いポットがおすすめですが、ケトルしかない場合はゆっくり真ん中に注ぐとよいとのこと。

早すぎると味が十分に出ず、ゆっくりすぎるとえぐみが出てしまうそうなので、1杯あたり約2~3分ほどで注ぐのを目安にするといいようです。

ドリップは最後まで落とさないことも大事なポイント。抽出のときに最初に落ちた1滴が1番美味しいので、最後の1滴は落とさないように、ドリップバッグのなかに水分が残っていても捨てるようにしましょう。

最初の1滴と最後の1滴では、まったく違った味になるそうで、注ぎ方でもまた味わいが変わってくるコーヒーには改めて、奥深さを感じますね。

焙煎士の宮田さんは、コーヒーの間口をひろげて、たくさんの人にコーヒーの楽しさを届けたいと、お家で実践しやすいよう「ハンドドリップ式」を採用しているんだとか。

気軽に楽しめるドリップバッグも販売されているので、少しずつ試してみたい初心者には嬉しいですね。

いくつか選んで透明のボックスに包んでもらうこともできるので、コーヒー好きの友達へのプレゼントなどにもいいかもしれません。

自分好みの味を見つける楽しさ、そのときの気分にあわせてコーヒーの種類や淹れ方を変える楽しさなど、正解がないからこそ深いコーヒーの世界。

お店に行った際には、直接宮田さんに相談して、コーヒーを極めてみるのも面白いかもしれません。

場所
神戸市兵庫区船大工町1-11 MAP

営業時間
8:00〜18:00

定休日
日曜日/祝日/第3・第5土曜日

コーヒー通な方はもちろん、コーヒーは好きだけどこれからな方や、興味があるけど手を出せてないという方も、ぜひお店に訪れてみてくださいね。

◆関連リンク
平成珈琲 – 公式サイト
Heisei coffee – 公式Instagram

 

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神戸ジャーナル編集部

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