特別展だけじゃない! 『神戸ファッション美術館』にはお得で魅力的な施設が盛りだくさんだった!

特別展・コレクション展は趣向を凝らした展示で毎回大盛況

1階では、多彩なアートを紹介する「特別展」と、貴重な収蔵品を活用した「コレクション展」が随時開催されています。こちらのチケット売り場でチケットを購入して、左手奥から入りましょう。

繰り返しになりますが、入館料は展示の内容ごとに変更になるので、あらかじめホームページで確認しておくことをおすすめします。

小中学生は「のびのびパスポート」を持っていれば無料で入れますし、それ以外にもいろんな特別割引や入館料の免除がありますので、これも事前に調べておくことがマストかと。

この時は、Cha Tea紅茶教室所蔵のティーセットや、紅茶にまつわる版画や書籍、さらに神戸ファッション美術館所蔵のドレスをコラボさせた紅茶とファッションの展覧会「アフタヌーンティーのよそほひ」が開催されていました。

喫茶の習慣は、1662年にチャールズ2世のもとに嫁いできたポルトガルの王女キャサリンオブブラガンザによって英国宮廷にもたらされました。

お茶は東洋の流れを組んでいることもあり、当時はティーカップではなくボウル的なカップで飲んでいました。たしかに柄もオリエンタルな感じです。

ここではアフタヌーンティー(午後5時のお茶)のはじまりが紹介されていました。遅いディナーをとるようになったのがきっかけだそうですが、それが上流階級の女性たちの間で流行するようになるとは。

ちなみに客人をもてなす女主人は、自宅でお茶会をする際、客に対して失礼にならない程度にくつろいだ雰囲気のティーガウンを着用しています。

ゲストはシルクやシフォンをふんだんに使った優雅なアフタヌーン・ドレスを着用しています。このあたりの衣装は何となくですが映画やドラマで見たような気がしますね。

紅茶を飲む行為が労働階級にも普及すると、多彩な喫茶文化が花開き、それとともにアフタヌーン・ドレスもバスルやアール・ヌーヴォーへと変化していきました。

 

 

テーマ別に優雅なティータイムの世界も再現されていました。こちらのテーマは「紳士の書斎」で、イギリスでは口髭をはやした紳士も紅茶を楽しんでいたそうです。マネキンの細かい見た目はスルーしておきましょう。

こちらのテーマは「ティー・ダンス」。1910年頃から流行した、ホテルやダンスホールなどで午後5時頃からお茶会をしながらダンスする催しのことです。

この頃は朝、昼、夜に着替える習慣が出はじめ、袖なしで胸元や背中が大きく開いたイブニング・ドレスが着られるようになりました。急に垢抜けた感じがしますが、今見てもオシャレですね。

そして、ここからは神戸ファッション美術館のコレクション展。今回のテーマは「淑女たちのイヴイングドレス」です。

特別展に合わせた内容で、20世紀のオートクチュールを牽引したデザイナーの作品を中心に、淑女たちの華麗な夜会の衣装を展示しています。

孤児院で育ち、デザインも白・黒・ベージュなどシックな色彩とシンプルなシャネル。一方、押しも押されもせぬ名門の令嬢で、ショッキングピンクをはじめとする鮮やかな色使いと奇抜なデザインのエルザ・スキャパレリ。

こうした二人の対照的なデザインを同時に拝めるのも、コレクション展の醍醐味ではないでしょうか。

ピエール・バルマンやジャンヌ・ランヴァン、クリスチャン・ディオール、イヴ・サンローランなど錚々たるデザイナーのドレスが展示されています。

誰もが一度は名前を聞いたことのある、現代も世界中から支持されているデザイナーたち。その作品を間近に見ると、不思議とテンションも上がります。

入口近くには、名誉館長であるコシノヒロコさんのコレクション作品から厳選された洋服や、描かれてきた絵画を組み合わせて展示した「KH FASHON BOX」があります。

特別展の開催に合わせて展示替えされるもので、世界的なファッションデザイナー・美術家のコシノヒロコさんの世界観を体感できます。

 

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